名古屋店
名古屋市で仕立てのいいスーツ・スーツ屋の見極め方!!
「そんなの店員が自分の店のスーツが悪いとか言うことないだろ!そんな本当のことなんて教えないだろ!!!!!!」とお叱りを受けそうなんですが。疑い半分でも聞いていただきたいです。ついでにCorvoのスーツの説明も交えながら。
まずは外から見える仕様。雑誌等で見る「本切羽」「ステッチ」「ひげ襟」「本台場」「バルカポッケト」「水牛釦」は特に仕立ての良し悪しには関係ないです。Corvoのスーツはすべて標準仕様ですが。いいスーツには大概はこのような仕様はなされています。ですが、これだけではいいスーツの十分条件ではありません。
仕立てに重要なのは毛芯です。大体、三万から十万円までのスーツは接着芯と毛芯の併用です。更に安価なものは接着芯のみで仕立てられています。
接着芯とは糊みたいなものでスーツの生地の裏にウールの下地みたいなものを張ります。日本では湿気が多いのでどうしても生地が水分を吸ってシワが出ます。この接着芯を使用することが多いです無理やり生地を糊と下地で固定するわけですから生地は伸び縮みしにくくなり、シワはできにくくなります。。(残念ながら最高級生地を提供しているブランドのスーツは接着芯を使っていました。最近では原価を抑えるため多くの高級ブランドがこの製法を用います。)
Corvoのスーツを含め、テーラー、サルトリアのスーツは基本的には接着芯を使わないので梅雨時期には湿気を含みシワが浮き出ることがあります。ここは接着芯を使わない弱点です。とくに高級生地は繊維が細く湿気を吸いやすいので特にシワがでます。(弱点なのであまり公表したくありませんが。)
基本的に生地を固定するわけですから生地の伸び縮みを考えなくてよいので縫製にさほど技術はいりません。
毛芯というのはスーツの表地をつまんだら三層になっているのですが、その中にある芯地のことです。この芯にはいろいろありまして一般的には馬の毛を使った本バス毛芯、らくだの毛を使ったキャメル芯、麻のリネン芯に分けられます。
十万円以下のスーツは大体はポリエステル、ウールを基本に馬の鬣をつなぎ合わせたものを織り込んだ本バス毛芯を使用しています。 店員さんに確認してもそこまで知っている店員さんは少ないと思いますが。是非、確認してみてください。
十万以上になってくると接着芯は大抵は使いません。なぜなら、生地の呼吸を阻害し自然の伸び縮みをさせないからです。特に高級生地になりますと繊維が細いので呼吸をしやすくなります。接着芯で固めたら高級生地を使う意味がありません。見た目は変わりませんが生地の風合いを殺してしまいます。
また、固定されていませんから当然、伸び縮みを考慮して縫製しなくてはならないので技術を必要とします。
※補足説明、一部、打ち込みが弱く、強度のない生地には補強のために接着芯を使用することはあります。特に肩や力がかかりやすい部分に。
多くのテーラー、サルトリアは本バス毛芯を使います。馬の尻尾の毛を織り込んだハリと弾力のあるものです。イタリアのナポリの軽さ、柔らかさを追求したスーツにはキャメル芯、リネン芯を使うことがありますが、一般的には本バス毛芯です。Corvoも本バス毛芯です。
わざわざ高価な馬の尻尾の毛を織り込んだ毛芯を使う意味は長くスーツのシルエットを保つことと胸の美しいラインを引き出すことです。それには更にアイロンワークという工程が必要になってきます。
ウールは熱と蒸気と圧力で伸びたり縮んだりします。その性質を利用し人間の形に合わせた立体感を出すのです。
この処理はパターンオーダーではまずしません。ちなみにCorvoはこの処理をしています。Corvoのうりです。
これが胸の美しいライン、ドレープを出すのです。
アイロンワークがなされているか確認するのは簡単です。胸のダーツを見てそのラインのストライプ、生地の目が蛇行していれば、この処理はなされています。
毛芯に関しては店員さんに聞くしかないのですが、あまり店員さんもご存知ないようなので…一般の消費者の方が仕立てのいいスーツかを判断はたいへんでしょう。
最終的には店員さんからの情報を信じるしかありませんから、いいスーツを買うということは難しいですね。
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