2012年2月
Corvoはオーダースーツだけじゃありません!
Corvoの受注はほとんどオーダースーツなんですが、ジャケット、パンツ、単品での受注も受け付けています。
今年は、前々から押しているようにリネン地のジャッケト生地が多く入ってきています。
スーツ地、ジャケット地、パンツ地は撥水加工されたシャリ感のある生地も多く見受けられます。各生地屋さんもジャケット地、パンツ地に力をいれ今まで以上に品揃えも豊富ですね。色柄、機能性にも重点を置いている印象を受けます。
一昔前のオーダースーツは夏はリネンで仕立てることが定番でした。生地の性質上、リネンはパンツに細身の向きませんが、少し太めのパンツなら問題ありません。私も一着、リネンのオーダースーツを発注しました。完成が楽しみです。
昨年は震災の影響もあって節電と猛暑で大変でしたね。(震災の被害にあわれた方たちからしたら微々たることですが)リネン地は見た目にもこなれた印象を与え、通気性がよく、発散性もあり涼しいのでお勧めです。
リネンは強い素材なので耐久性もあり、長くお召しになれてとても経済的です。
また、ジャケットを脱いで仕事をする機会も多いと思います。シャツにもこだわりたいですよね。シャツも豊富に生地を取り揃えていますので是非、ご来店をお待ちしております。
Corvoに来るならナポリスタイルを楽しんでください
先日もお客様に「チェンジポッケトで英国調で」というスーツのオーダーを受けました。Corvoのオーダースーツはイタリア調なので芯地、副素材もそれにあわせているので中途半端のものしかできないのでお断りしました。
「そんな、商売で成り立つんか?!」と先輩方からお叱りを受けましたが型紙、提携工場を含め、イタリア調のオーダースーツに特化していますのでお許しください。
何度もブログで述べているようにオーダースーツと言っても店、ブランドごとにスタイルがあります。そのスタイルを楽しみつつ自分のテイストを加えていくオーダースーツの真の楽しみです。
ちなみに先述のお客様には「自分、正直だな気に入った!はっきり言ってくれたほうが安心できるよ!」とその後、ご注文はいただけました。(笑)
先日、「君みたいなキャラは東京でなら絶対、売れる!」と同業の重鎮の方に言われました。
ところで、お勧めの雑誌はというご質問をよく頂きます。自分自身、雑誌自体をあまり読まないのですが、同業界の人たちは「LEON」がお勧めだとのことです。
南部イタリアファッションを基本とし比較的に保守的なファッションを提案していますね。しかし、ターゲット層を二千万以上の所得者層を狙っているとのことでお値段も高めのブランドが多いですね。
オーダースーツ・シャツ専門店Corvoの進歩!!!!
Corvoではオーダースーツ・シャツ専門店としてイタリア調をテーマに品質にこだわり国内最高峰の縫製工場と提携してきました。
今後、更なるお客様の満足度を高めるために商品拡充をしていきたいと思いその一環としてオーダー革靴の取り扱いを準備中です。
ちなみ革靴に関してはイタリアの革靴によく見られる、マッケイ製法を基本とし手であとから染めるあと染めを施したものを取り扱います。
耐久性はイギリス靴のグッドイヤーには劣りますがマッケイ製法ですので軽さ、歩きやすさは抜群にいいです。また、職人の手による後染めですので一品一品、違った色むら、風合いを楽しめます。
また、使用する革は国内最高品質のカーフです。
昨日、お越しになられた職人(代表兼デザイナー)さんが言うにはフランスの最高級ブランド「ベルルッティ」に負けることはないとのこと。
Corvoのオーダースーツはシルエット、素材を含めナポリ調ですのでイタリア調のこのオーダー靴は大変よく似合います。
「まずは御自分用のサンプルを」とのことで二足注文させていただきました。楽しみです。(ちなみにスリッパとダブルモンクです。)
現物を見せてもらったのですが、正直、日本でこんなにもデザイン、品質に優れた靴をつくっているとは思いませんでした。
取り扱いには後しばらくお時間がかかりそうですがご準備ができましたらまた、後日、お知らせしていただきます。
オーダースーツ屋は雨は大敵!!!!
雨は本当にオーダースーツ屋にとっては大敵です。
暇です!不謹慎ながら、暇すぎて最近おろそかになっているブログを退屈しのぎで営業時間中に更新です。
雨にちなんで「雨降らし袖」というのをご存知でしょうか?
ナポリ調のスーツやシャツによく入っているんですが、肩の袖山の部分にギャザーが入った物を言います。
最近の雑誌を見ていると重ね釦とあわせてナポリのスーツには必ず入っているようなステレオタイプ的な見方は間違っていますのでご注意を。
しかし、ナポリ調のスーツ特有のディテールで重ね釦と合わせると一気にナポリっぽい雰囲気を楽しめます。
ちなみにこの「雨降らし」は肩袖にゆとりあるので動きやすいといわれていますが、私個人の感覚ではあまり関係のないような気がします。
ちなみにジャッケトの袖の釦は直径が1.4センチでイタリアのスーツはこの間隔を狭めて付けます。重なるあうぐらい間隔を狭めたものは重ね、キッシング釦といいます。実際にはイタリアのスーツは重ねあうか合わないかぐらいのツキツキというのが多いです。
ブログを書いていたら雨が上がってしまいましたね。誰か来るかな?(笑)
オーダーシャツ工場へ行ってまいりました!
先日、ちょっとしたご縁でシャツ工場を見学させていただきました。(Corvoで取り扱いのあるドゥ・ワンの工場ではありません。)
オーダースーツ、オーダーシャツという業界は狭いですので色々なところでつながりがあります。
生地の裁断は今は丸い歯のついたカッターでしているそうなんですが、昔は笹の葉みたいな形の諸刃の包丁みたいなもので裁断していたそうです。現物があったので試しに自分も歯切れを裁断したのですがまったく切れません。コツがあるそうです。
どうしても今のCorvoのシャツはパターンオーダーなので極稀に体型的に合わない方もいます。パターンオーダーなので生産性がいいのでコストパフォーマンスがいいとう利点はあります。
よく、イタリアのシャツのように背中や袖にギャザーの入ったものにも対応できるとのこと。Corvoのハイグレードラインとして今後、取り扱おうか検討中です。
釦も全て手付けで本当に手間がかかっています。
また、細かい対応も職人さんがしてくださりますので、デザインは自由自在です。
これだけ手間をかけているんですが、日本に工場を持つところはオーダースーツ、オーダーシャツ業界問わず、今のアパレル業界の低価格化の波に押され大変だとのこと。
イタリア調のギャザーの入ったシャツはよくCorvoのオーダースーツに合います。私も二着サンプルとしてお願いしました。ギャザーはジャケットを着ていたら分かりませんが(笑)
最高のオーダースーツを目指す!
Corvoの今、提供しているスーツはマシンメイドの中では間違いなく国内トップクラスの品です。
さらにそのクオリティーを越えようとするとフルハンドメイドスーツになるでしょう。フルハンドメイドのオーダースーツを一着仕立てようとしたら、とんでもない値段になりますよね。
しかし、オーダースーツを仕立てるからにはいずれは一着は欲しいですよね。
機械と違い、縫い目とかは汚い(汚いというと怒られそうですが)のですが、やはり着てみた時のドレープ、シルエット、パンツの履き心地はいいです。
現在、ハンドメイドのスーツを仕立てる職人は高齢化、低賃金による後継者不足、労働者の不足の問題を抱えています。
間違いなく、後十年経ったら手縫いでスーツを仕立てられる職人は日本にごくわずかとなるでしょう。
国内の、大手、個人の縫製工場を問わず本当に経営的に痛んでいます。 私のような販売に携わる者が彼らの高品質の「made in japan」の製品を売り出す新たな市場を発掘する義務があります。
大げさではありますがこの五年の間にどれだけの職人をこの国に残せるかでスーツ業界の行方がかかっています。
現在、準備段階なのですが、そんな諸々の事情でCorvoでも新進気鋭の若手の手縫い職人と提携してCorvoでもフルハンドメイドスーツを取り扱いまいます。
お値段も20万円前後~でご提供しようかと検討中です。
オーダースーツの自由度をさらに広げる!
他店ではオーダースーツって言っても工場のラインの関係上、要望がかなえられなかったりすることがたまにあります。
Corvoではそんな時には別型紙(5000円(税別))というオプションを頂いて対応しております。(簡単なものなら料金がかからない場合もあります。)
通常、パターンオーダーは決まったパターンから、寸法を修正し体の姿勢、くせに合せ補正を加えていきます。
別型紙はお客様の要望に合わせ新たに型紙をおこす作業のことを言います。
型紙を新たにおこしますのでその分の追加料金はかかりますが自由度はより広がります。
お客様の中で雑誌をお持ちになられてこんなスーツ、ジャッケトが欲しいという方もいますが、なかなか、細かいところまでパターンオーダーでは対応しきれませんので別型紙をお勧めしています。
お客様に喜んで頂くのは商売をする者にとっては当然の義務であると思いますが、要望をかなえられお客様に喜んでいただくと売り出す方の私も嬉しいものです。
英国調のスーツはフルハンドメイドオーダースーツ
Corvoではイタリア調のスーツをお作りしていますが、英国調のスーツはお受けしていません。
「イタリアのスーツ」がいいから「英国調のスーツ」を作っていないのかといわれればそうではありません。英国調のスーツはイタリア調のスーツよりも工程が多く、Corvoのオーダースーツでは英国調のスーツを忠実に再現できないからです。
「オーダースーツなら型紙をいじれば英国調のスーツができるだろ」と思われるかも知れませんがそうではないんです。
英国調のスーツは堅いです。それを表す堅い毛芯、副資材はお金を払えば調達できます。たいしてイタリア調のスーツに使う芯と値段は変わりません。
イタリア調のスーツでは襟のみなのですが英国調のスーツはハ刺しという工程を身頃にも行います。
ハ刺しというのは糸で芯と生地を留めることを言います。
イタリア調、Corvoのスーツの身頃を触っていただくと三層になっていますが英国調のスーツは芯と表地をくっつけていますので二層になります。(確認しようと引っ張ると中の糸がほつれるのでやめてください。)
ハ刺しを身頃にすることで堅くハリのあるスーツが出来上がります。
この工程はものすごく労力(早い職人で八時間前後と聞いたことも)がかかります。機械で行うこともできるのですが、生地の伸び縮みを考慮して人間の手でしないとどうしても歪みが出ます。
英国調のスーツを作る、テーラーは総じて値段も高いです。それはハ刺しに手間と時間と労力を必要とするからです。
また、本当に英国調のスーツを欲しいのでしたらフルハンドメイドのオーダースーツをお勧めします。
セレクトショップのオーダースーツ
先日は急遽、お休みをいただいて申し訳ございませんでした。ご来店されたお客様には本当にご迷惑をおかけしました。
お客様によく「今までセレクトショップのオーダーサロンを利用していたのですが、(セレクトショップのオーダースーツって)どうなんですか?」とご質問をいただきます。
セレクトショップのスーツと言っても各店舗、価格帯によって縫製も違うのですが十万円以上のハイグレードラインのもについて私個人の印象で語らせていただきます。
現在のセレクトショップのオーダースーツは軽さを追求している印象を受けます。四、五年前までのクラシコイタリアブーム(体感的にブームとして感じなかったのは私だけでしょうか?)の流れを汲んでます。
最近、一般のスーツに少しずつ英国調の流れがスーツにも入ってきているのですが、やはり高価格帯のオーダースーツの主体はイタリア調のような気がいたします。(五年ぐらい前から英国調の流れはくるといわれていましたがここ最近は特に顕著に現れています。)
ちなみにセレクトショップに限らず小物、鞄、靴などは英国物が増えつつあるようには感じます。
セレクトショップでは専属のデザイナーがいるので、よく研究されています。クラシコイタリアを謳っている物は納得してイタリア調だなと頷けるものです。
よく、格安な仕立て屋、スーツ量販店でクラシコイタリアを謳っていても疑問符のつくものが多いです。クラシコイタリアを追求したオーダースーツを仕立てようとすると縫製、毛芯、釦など副資材などにコストが掛かり値段の関係上、致し方がないのかもしれませんが。
セレクトショップでも十万円以下のラインは安価なオーダーショップ、スーツ量販店と縫製に差はないように感じられます。
セレクトショップも芯にこだわりをもっていますね。今までシワが出やすく受け入れられにくかったキャメル芯を使用した柔らかい仕立てを追及する動きも見られます。
ちなみにCorvoでは胸増芯に馬の尻尾を織り込んだ本バス毛芯、土台芯に横糸にキャメルヘアを織り込んだものを使用しています。また、アイロンワークの施されています。このクラスの縫製になるとセレクトショップでは既製で五割り増し、オーダーで倍ぐらいの値段になります。
誤解④
いいスーツやいいシャツは毛玉ができにくいと思っていませんか?
あるお客様が「あそこは十万のオーダースーツなのに毛玉ができた!!」とお怒りなられてCorvoにいらっしゃいました。
毛玉は使用環境、頻度によってでき方に大きな差があるのですが、一般に高級生地にできやすいのです。
毛玉は基本的には細い繊維で織られた生地の場合できやすいです。supper120クラスの原毛を使用した生地なら間違いなく毛玉はできやすいです。シャツも同じで細い繊維の物は毛玉ができやすいです。
織り方なんですが綾織り(斜めに織り目があるもの)や、ヘリングボーン(魚の骨のような模様の物)の物はできやすいです。こちらの織り方は光沢が出やすく、シワに強いです。
夏物はたいていは平織りという織り方で織られているので毛玉はできにくいです。通気性がいいのですが反面、シワに弱く光沢が出にくいです。