大阪店
オーダースーツのCorvo大阪から見る天皇陛下とスーツ
まだまだ健康状態が優れないこともあってなかなか素直に天皇陛下の誕生日を祝うことはできませんが、今日は天皇誕生日ということもあり畏れ多くも天皇陛下のスーツについて取り上げようと思います。
(画像は転載許可のあったサイトから拝借したもの)
上は濃紺、下はチャコールグレーのダブルブレストのスーツです。
天皇陛下は高齢のためか体が前へ屈伸(猫背)気味です。
首周りを見て下さい。綺麗にワイシャツとスーツの襟が密着して、しっかりと首周りに吸いついていますね。通常、陛下ほど猫背だと首周りが浮いてしまいます。これは卓越したアイロンワークとパタンナーの努力の結晶です。
下の画像のスーツの裾は陛下の姿勢にたいして綺麗に沿っています。陛下は屈伸体型なので型紙上もそれに合わせ着用時に直立姿勢で地面と平行になるように前丈、後丈を合わせています。
陛下のスーツのすごいところは何と言ってもこれを昔からお直しをされ続けご着用されていることです。お直しで十点のスーツを仕上げようと思えば通常の仕立てで三十点のスーツを仕立てる腕がなくてはならないといわれています。この陛下のスーツは間違いなく百点満点です。
ちなみに陛下が新たにお仕立てされずにお直しのスーツをお召しになられるのは昭和天皇の影響といわれているそうです。
明治天皇が自身の孫(のちの昭和天皇)が学習院に入学することからその養育を乃木希典閣下に託すべく、乃木閣下を学習院院長に指名しました。
この時、 乃木閣下に明治天皇より「無くなったわが子のように厳しく躾よ」との命があったそうです。これ以前に日露の戦役で乃木閣下の御子息は閣下の指揮のもとで戦死されています。
乃木院長は明治天皇の意の通り厳しく昭和天皇の養育に励んだそうです。勤勉と質素を旨とした教育を施しました。昭和天皇もこれに従い服もこれまでの皇族としては異例にも継接ぎだらけの服で登院されたそうです。一番、院で出の悪い子供に見えたそうです。蛇足ですが、乃木院長に車での登院をやめるように言われてそれ以降はどんな天候の中でも歩きで登院されたそうです。昭和天皇はのちに人格形成にもっとも影響を与えた人物として乃木閣下を上げられるほど慕っていたそうです。その時から常に質素を心がけ昭和天皇は服にたいしても必要以上に仕立てられなかったとのこと。
現在でもこうした乃木式の教育が皇室に息づいているとのことです。
一国民として、一刻も早く、陛下の健康状態が安定することを切に願います。
胡錦濤国家主席のスーツも体にあっていて極めていいスーツです。(政治的なことは置いといて)
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