大阪店
採寸の話
「谷口さん!ちゃんと測ってくださいよ!!!!!!!!」
以前から付き合いのあるお客様に言われてしまいました。
こんな言い方をしてはなんですが神経質な採寸はスーツ作りにさほど重要ではありません。
胸廻りを正確に測ります。
そして胸に合わせたゲージ服(サイズごとに作られた見本服)を着ていただきます。(日本ではスーツは肩幅に合わせろと言いますが間違いです。)
そこからが大切です。
お客様の体を触りながら、ゲージ服をつまみ、お好みのフィット感を伺いながらゆとり量を見ていきます。
ちなみ姿勢に関してのしわの出具合を見ます。猫背なのか反身なのか。
また、肩の下がり具合、上がり具合も見ます。
若い方(首が後ろに反る)、首の短い方多い、首の後ろにでる突きシワもみます。(怒り肩が原因で出る場合もあります。他のシワの出具合と見極めながら見ていきます。)
全体のバランスを見て着丈を決めていきます。
パンツはちなみにお尻廻りにあわせます。ウェストで合わせる方がほとんどだと思いますが、尻廻りに合わせて裾巾、膝巾が美しく見える巾が決まっています。(Corvoのパンツはややタイトです。お客様の要望で調節します。)
お尻の出っ張り具合をお客様のお尻を手で触りながら確認します。辛抱下さい。
若い方は太もも張っていてお尻に食い込むことが多いです。最近はボクサーパンツを履いていて気付かない方が多いです。そんな時は合わせ鏡でしっかりと確認してもらいます。
当然、お客様の要望を伺いつつパンツをつまみながらゆとり量を見ていきます。最近は機能性を全く考えていない窮屈なパンツが多いです。機能性を考え運動量を考えゆとりを入れていきます。
採寸では縦のライン(袖、着丈、股下)は正確に測らせていただきます。横のラインは体型、全体のバランス、お客様の好みで大きくサイズが変わります。なのでゲージ服を着ていただいてから見させていただいています。けして、いい加減に採寸しているわけではないのでご安心を(笑)
ナポリのサルトリアにはメジャーを全く使わず、目測と触った感触のみで仕上げる職人もいるそうです。
オーダースーツの基本は体のサイズに合わせることですが、サイズに合わせるのではなく「体型に似合うスーツを作る」と考えた方がいいかもしれません。
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