大阪店
イタリア「ベルテロ」社製の毛芯の話。
毛芯(けじん)て聞きなれない言葉だと思います。
スーツには毛芯というものが中に入っていてシルエットを構築します。(安価なスーツには使用されないことが多いです。)
『Corvoでは「ベルテロ」社製の本バス毛芯、総毛芯仕立てです。』と広告などで前面に打ち出しているので多くの方から毛芯について聞かれます。
毛芯にも種類がいろいろあります。形状によるもの半毛芯、総毛芯、素材によるものとしてキャメル芯、本バス芯など。
半毛芯というのは腰のポッケトのあたりの位置までしか芯がないものです。
総毛芯というのはジャケットの裾まで芯があるものです。
一般に総毛芯のほうが高価な仕立てだといわれています。
現在は半毛芯が主流です。その理由は軽さを出すためといわれています。(原価を抑えるためのような気がしますが。)
本バス毛芯というのは胸増毛芯と言って胸のボリュームを出すための芯に馬の毛を織り込んだ物を言います。
バスというのは馬巣とかいてバスといいます。
本バス毛芯にも二種類あり馬の鬣をつなぎ合わせて作ったものと馬の尻尾を織り込んだものがあります。
馬の尻尾のもの方が高価でハリ(堅さ)があり、胸のボリュームがでやすいです。
また、馬の尻尾の毛は針金みたいにかたく、表地に飛び出てくることがあるので下手な仕立てをするとチクチク、胸に刺さり痛いスーツになります。
キャメル芯はラクダの毛を織り込んだやわらかくあまり堅さがないものです。あまり日本では、一般的ではありません。ナポリのやわらかいスーツを得意とするサルトリアでよく使用されます。
キャメル芯はシワがでやすく、日本人はスーツのシワを極端に嫌うのであまりキャメル芯は受け入れられなっかたと考えます。
ちなみにベルテロ社というのは毛芯メーカーで高級テーラーに芯を卸すイタリアの会社です。毛芯の最高級メーカーです。
芯の良し悪しはスーツの寿命に大きく影響します。よいスーツは夏物でも五年は着れます。冬物であれば十年は着れます。
お客様によく質問をいただくので工場から毛芯のサンプルを用意していますので、是非、気になる方は見に来てください。ご説明させていただきます。
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