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大阪店

日本人の技術

 なんだか、ニュースを見ていると「ものづくり立国」日本の苦境を伝えるものばかりですね。
 
 海外から安価な製品が提供されることで日本製品が負ける。時代の流れとはいえ複雑な気持ちですね。
 
 既製品は現在は海外が既に主流ですがオーダースーツの縫製工場もどんどん海外移転が進み中国、最近ではベトナム、インドに原価を切り捨てるために安い労働力を求め移転が進んでいます。安い労働力を求めるだけならいいのですが製品の品質を下げるようなことをするから困ります。
 
 オーダースーツ屋の店主の戯言と思い読んで頂きたいんですが、スーツって正直、電化製品や自動車とちがい高度な技術を必要としてないんじゃないかと思いませんか?
 
 まぁ、スーツ作りは基本的には縫う、アイロンをかけるの繰り返しです。単純と言えば単純な作業なんですが、実はこの単純な作業をこなすには職人たちの長い修業の熟練された技術がなくてはできません。説明は後日に譲るとしますが。
 
 そうした技術を消費者に伝えきれなかった、伝えることを怠った小売業者(私を含めた)にも現在の日本、「ものづくり立国」の現在の苦境の一因がある気がします。私も小売業に身を置くからにはその責任を、背負わなければならないと常々、考えています。
 
 本来、日本産業には確かな技術があると思います。それを引き出す、リーダーとなる経営者、最前線で働く技術者たち、生産者、それを売り出す(消費者に伝える)小売業が一丸になってこの苦境に立ち向かわなくてはならなくてはならないと思います。
 
 技術、職人のもつ確かな技術は一度失ったら、再び取り戻すにはその技術を培った期間だけの時間を要します。技術とは脈々と職人から職人と受け継がれた伝統です。
 
 伝統とは厄介なもので伝統は常に失われた後に往々にしてその重要性に気付くものですから始末に負えません。

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