大阪店
昔の名残り
スーツにも昔の名残りのものって多くありますよね。
・医者がジャケットを脱がずに作業できるよう袖が開くとか。
・昔はスーツの形になる前は詰襟で襟にその名残りで釦ホールがあるとか。
・昔はその襟穴に花を挿したので襟の裏側にフラワーループがある。
などなど例を上げたらきりがないのですが伝統のスタイルを重んじるオーダースーツ店、ブランドのスーツには往々としてそうしたディテールが施されています。Corvoのオーダースーツにもそうした仕様が施されています。
シャツにもそうした仕様があるのをご存知ですか?
昔はパンツがなくシャツが下着の役割がありました。男性の下腹部をシャツの裾の部分で覆っていました。
現在のシャツがお腹の側面に切れ込みがあるのは当時の名残りです。また、予備の釦が裾の部分に付いているものは前と後ろの裾を止めていた名残りです。
Corvoでも新規で取り扱うオーダーシャツは当時のシャツ(下着としての)と同じ作りにすることも可能です。当時のように下着として使われる方はいないと思いますが。文章では説明しにくいのですが大きく前に裾が楕円状に出ています。はじめ何のためにそうなっているのか分からず、女性の営業の方で気まずい思いをしました。(笑)
この仕様がなされなくなったのは1930年代にブリーフが誕生してからだそうです。このブリーフは世界的に大ヒットしその下着メーカーの経営危機を救ったそうです。
また、当時、シャツで下腹部を覆っていただけなので下腹部は不安定でした。ですので仕立屋はオーダースーツを作る際に左右の傾きを手で触り確認しパンツを納める方を若干、大きくしたそうです。ちなみにこの処理を「金ぐせ」といいます。
ちなみに日本人はほとんど左向きだそうです。単なる俗説かもしれませんが着物が左上になるのも排泄のときに便利だったからとも聞いたことがあります。
以前ブログでシャツは「客寄せで粗利が少ない」と書いたら多くのお客様に「シャツだけの注文でも良いですか?」「利益ないのにごめんな」などといわれ余計なことを書いてしまったと反省しています。気にせずご来店ください。(笑)
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.sartoriacorvo.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/155