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生地ブランド至上主義のオーダースーツ業界

 昨今のオーダースーツ業界ではオーダースーツ自体の市場拡大、クラシコイタリアブームの影響で生地ブランドが知名度を一気に上げました。
 
 以前ならゼニアを除いて、ロロ・ピアーナ、スキャバル、カノニコなどの生地ブランドというのは一般の方にほとんど認知されていませんでした。
 
 そうした時代の流れの中で生地ブランドを前面に押し出しその価格の仕立ての安さを消費者にアピールするオーダースーツ店が多く出てきました。
 
 当然、生地ブランドを重視し価格を抑えれば仕立ての面でコストカットが行われます。接着芯といった生地を殺すような縫製が平然と高級生地に対して行われます。
 
 オーダースーツの厄介なところは縫製というのは一般の方には極めて分かりにくく、また実際に仕上がったものを着てみてみないと分からないということです。
 
 着心地はもちろん、実際にいい仕立てのスーツかどうかは我々の業界の人間なら見たら大体分かります。一般の方なら「なんとなくあの人、決まっている」のような感覚的に認知し、印象にも左右します。やはり、ゼニアなどの高級生地で縫製がたいしたことがなければ高級生地の風合いが活かされず張子の虎です。
 
 まぁ、ゼニアはいい生地ですが、個人的にゼニアは品質に対し値が高く感じます。こんなことを書くと他の業者から何か言われそうですね。
 
 Corvoは仕立てあってのオーダースーツとしてこのオーダースーツ業界に参入いたしました。来店当初、「あっちではカノニコが5万円でここは高いな!」とおっしゃっていた、お客さまも私のしつこい縫製の説明、アピールなどに根負けしたのか今ではすっかり上顧客です。(笑)いまでは「Corvoのスーツでクローゼットを埋めたい!」と言っていただけます。
 
 「仕立ての良し悪しをお客様に分かってもらうのは時間がかかる」とこの業界の参入する際、多くの業者の方に言われました。「縫製工場も工賃の安いところにしたほうがいいのでは?」と。
 
 しかし、地道にお客様に毛芯等、副資材に対すこだわりを御説明してきた結果か段々と縫製にこだわるお客様がCorvoに付いてきました。また、リピーターになられたお客様もずいぶんと増えてまいりました。
 
 「ここのスーツって着心地が違うな」「今までのスーツと全然違って作りがいいね」「そこまでこだわるなんてすごいですね!」と言っていただけるとCorvoの仕立てにこだわった、コンセプトは正しかったように思います。
 
 Corvoでは今後とも顧客様を絶対に裏切らないよう縫製の質をおとすことなく上質のスーツを提供していきます。

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