大阪店
シャツの仕立ての良し悪し
オーダースーツやオーダーシャツでもディテールばかりを取り扱う雑誌、ホームページは多くて安価のものと高価なものとの違いを明確な違いについて触れたものは少ないですね。
当然、いくらの粗利を製品(オーダースーツ・シャツ等)に乗せるかはブランド、店舗によって変わってきます。売価によっては製品の質は測れないのがお客様にとって厄介なところですね。
Corvoでも色々な縫製工場からお話があるのですが、安いところと高いところでは数倍の開きがあります。
少しでも製品の良し悪しの基準となればとシャツの仕立ての見極め方をお教えいたします。
どんな被服に言えるのですが縫い目が奇麗なものはいい縫製と言えます。どうしても安価な工賃の場合は生産性が重んじられ工程を省いたりします。ですので目につきにく剣ボロの裏側を見ればわかります。
(剣ボロ)
また、シャツというのは本来は下着ですので肌に直接触れること考慮して作られていなくてはなりません。また洗濯したときにほつれないようにしなくてはなりません。
ですので本縫いといって高価なものは裁断面が肌に触れないように脇、袖の側部はこの処理がなされています。
最近、知名度を上げてきたフラシ芯というものがあります。
フラシ芯というのは「振らした芯」というのが由来です。接着芯に対する言葉です。
芯は襟、袖に入ります。接着芯は樹脂で生地を接着して固定したものです。フラシは言葉通り接着せずふらした状態にしたものです。
最近は日本でもイタリアのような柔らかい仕立てのシャツが好まれるようになってきてフラシ芯のシャツも増えてきました。
一般に接着よりもフラシ芯の方が技術、手間を要する加工ですがシワ、型崩れをしやすいという短所があります。ですので敢えて接着芯を使用する場合もあります。(特に高齢の職人さんの仕立屋さんにこの傾向が強いです。)
次に重要なのは袖付けです。オーダースーツもオーダーシャツも安価な縫製工場は生産性を重視して袖をつけた状態でそのまま縫い上げてしまいます。ですのでハンガーにかけて正面から見ると袖がねじれています。高価なところは後付けですので、ハンガーに掛けるときちんと前に少し袖が出ます。
ディテールはあくまでも仕立ての根幹がしっかりしたうえでのこだわりだと私自身、考えています。ですが、仕立てにこだわったところは往々にしてディテールにもこだわっていますが。(笑)
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