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大阪店

オーダースーツを取り巻く環境(イギリスにマーチャント、イタリアにミルが多い理由)

 先日、生地屋の方から教えていた薀蓄を披露させていただきます。
 
 生地屋には卸問屋、織元、企画屋など「生地屋」と一言に言っても色々とあります。
 
 特に生地の生産を行うところを織元、ミルといいます。
 
 企画、生地のデザインをしそれを織元に織らせて自ブランド、他ブランドの生地名で市場にだす、企画屋をマーチャントと言います。
 
 私のようなオーダースーツ店はそうして企画、生産された生地を市場にだす流通を担当する生地問屋さんと直接、生地の仕入れをお願いします。
 
 中にはロロ・ピアーナ、ゼニア、スキャバルのように大資本をもとに同一法人で生産、企画、流通までも担当する生地会社もあります。そうしたところは全体から見れば稀です
 
 イタリアの生地ブランドはミルが多く、イギリスはマーチャントが多いのはよく雑誌に載っていてご存知の方も多いかと思います。
 
 「なぜ、そうなったのか?」というともともと、イタリアはイギリス、フランスなどのブランド品の下請けとしての性質が非常に強かったそうです。仕事を請け負ううちに縫製工場、生地の織元などの生産の効率化、資本の集中が起こり町工場単位のものがだんだん、集積していき大規模工場へと産業体制が変化していったそうです。
 
 その結果、企画、生産、問屋との交渉を行うミルが多くなったそうです。
 
 一方、イギリスは資本投下が行われず生産効率の悪い町工場単位のものが多く、企画を行うまでの体力がなく、一括して原毛の仕入れ、生地のデザイン、問屋との交渉を行うマーチャントが多いと言うわけだそうです。

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