大阪店
オーダースーツ業界に対する愚痴
愚痴っぽくなるのですが、この業界は業界人でさえ先入観でスーツの仕立てを語ることがままあります。仕立てにほとんど理解が及んでいないのが実情でしょう。
アパレル業界は値段があってないようなものでブランド品、百貨店で売られていたからといって品質を保証するものではありません。
業界の方でCorvoのスーツを見てパターンオーダーの場合は袖を後でつけるところがあまり多くないので、ねじれがでているところが多いとの先入観でねじれているとと指摘されたことがあります。(苦笑)Corvoの場合は後付けですので、人の手による作業ですのでごく微量のずれは出ますがねじれはでないのに。
オーダースーツ業界の方でも仕立てについてわかっていないなんて。それで「いいのか」と思うことがままあります。
一般にパターンオーダーは機械で裁断するため、特にチェックの場合、柄がずれることがあります。業界の方にもCorvoのスーツを見てズレていると指摘されました。
Corvoの場合は手裁断によって職人が丁寧に柄を合せていますので寸法の関係で多少の柄がずれることはありますがミリ単位に抑えています。
いいことばかり言っていてはいけませんね。Corvoのスーツにも弱点はあります。接着芯を使用してないので一般的なパターンオーダースーツに比べ雨が降るとシワが出やすい。また、天然素材を使用しているので稀に表地から飛び出すことがあります。
また、納期も手作業、またインポート生地の水分量の安定などで一か月前後かかってしまいます。
販売員の方でも毛芯について存知ていない方がおおいのもこの業界です。
「通常、夏物には毛芯は入っていないですよ」といわれたことがあります。さわって見てどう考えているのに毛芯が入っているのに。
この業界の問題は仕立てを理解していない経営陣が縫製賃の安い工場に仕事をまわし、仕立てにこだわったスーツがどんどん廃れていきます。
やはり仕立てにこだわるとコストはかかります。しかし、それには当然、付加価値はあります。
当然、安さを追求することも一つの別の消費者の方にとっての価値です。(我々の業界は安価なものを売るブランド、店をつい否定しがちですが、それも一つの価値と私は思っています。)
お客様も高い買い物をするのにろくに安い商品との違い、付加価値を説明もできない販売員を信用できませんよね。
また生地もブランド名だけで大した質もないブランドが蔓延っていますね。そんなにブランドにお金をかけなくてもいい生地はあるのに。
高価なものが売れない時代といいますがオーダースーツ業界に限っては売り出す側の勉強不足のように思えてなりません。業界に身を置く一人として私自身もお客様の立場にたち身の振り方を考えなくてはなりませんね。
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