大阪店
ゆとり
先日、お正月休み貯め撮りしていたものをテレビで見ていたらNHKで「鈴木健次郎」さんのことがやっていました。
鈴木健次郎さんは今、パリで独立されているテーラーです。
雑誌などでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思います。
鈴木さんのスーツはご本人が言う通り「ゆとり」があります。鈴木さんはゆとりを大事にされているそうです。
採寸師にとってゆとりの決めるのが大きな仕事となります。
最近の流行は以前の極端なタイトよりややゆったりには傾いていますが以前として細身が主流ですね。
スーツには人間の体の寸法すなわちヌード寸に対しゆとりが入ります。
このゆとりが多いか少ないかでタイト、標準、ゆったりなどの分類わけが行われます。
多くのスーツ屋さんの販売員はゆとりを正確に把握していません。
「同じサイズでスーツを買ったらきついけど、こっちのブランドなら大丈夫」という経験をされたことはないでしょうか?
人間というの必ず、前におなかが出ている、背中側が通常の体型よりも張っているなど癖があります。
たとえば三角形で周囲100cm、円で周囲100cm、真四角100cmに同じ形のゆとりを持たせたひもで囲えばひもの囲いの形は変わりますよね。
スーツも同じことが言えます。
ですので同じサイズのスーツでもきつい、大きいなどの差が出るのです。
ゆとりがないと当然ながら窮屈で動けないスーツになってしまいますが、それ以外にも大きな役割があります。
鈴木さんはこうおしゃっています。
「鈴木の服は“空気をまとう”と評判だ。構造的にゆったり作るため、動きやすいのはもちろん、体と服の間の空気の層がエレガンスを醸し出すという。着る人の動きに合わせて服がわずかに揺れる、それがその人の“雰囲気”となって表れると鈴木は考えている。真面目さ、情熱、柔和な人柄などその人の内面の魅力が引き出されたとき、究極の美が生まれるという。
最高に美しい服を生み出すために、鈴木は自身の心にも“ゆとり”を持つことを心がけている。数年前までは徹夜もいとわず、四六時中アトリエに立ち続けていたが、息子が生まれたのを機に、家族と過ごす時間を大事にするようになった。すると気持ちに“ゆとり”が生まれ、不思議なくらい美しい服が生み出せるようになったと言う。「服には作り手の心が出てしまう。ガツガツやるのも悪くはありませんが、適度な“ゆとり”を持ちながら懸命に向き合うことが大事ですね」と語る。」(NHKサイトから引用
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