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2014年7月

店に立つ

店に立っているとお客様とお話しさせていただく機会も多く、「谷口君!」と呼んでいただき談笑しながら楽しみながら仕事をさせていただいております。
 
スーツを買いに来られるお客様には2通りの方がいらっしゃいます。
 
一つはビジネス使い、もう一つは遊び着ようとして。
 
最近、なぜか遊び用のスーツのオーダーが増えています。
 
遊び着ようのスーツは「セミスポーツスーツ」「カントリースーツ」に該当するのかな?と思いつつオーダーを受けさせていただいております。
 
もともとスーツにはタウン、カントリ―、リゾート、フォーマルに分類されていました。
 
タウンとは主に都市部のビジネスマンが着るスーツ、カントリーは郊外、スポーツ観戦用のスーツとして分類わけされていました。
 
タウンとカントリーの中間が「セミスポーツスーツ」です。麻、フラノ地のスーツがこれに該当します。
 
中間ですのでビジネス、遊び着にも使っていただけます。
 
ビジネス使いですとどうしてもノッチの腰ポケットフタ有、水牛ボタンのオーソドックスなスーツになります。
 
しかし遊び着用のスーツはルールがある程度緩和されるため、決めるべき場所が多く、本音を言ってしまえば接客は大変です。
 
やれ、ボタンの位置は、ポケットの形は、仕立ては軽めがいいなどいろいろな要望がでてきます。
 
遊び着ようのスーツを作りに来る方というのはディテールを決める時間にさらに気さくな方が多く話が弾み、本当に時間がかかります。(笑)
 
私もついつい仕事中ということを忘れコーヒーを飲みながら、お茶菓子を食べながら、お話をさせていただきます。そこがスーツ屋の店主の楽しみでもあります。
 
出来上がった時のお客様の喜ぶ顔を見ると、苦労の甲斐があったと納品の楽しみもひとしおです。
 
私もお客様にチャレンジ精神をくすぐられ、現在ベージュのピークのスーツを作成中です。
 
あとダブルのスーツで金属ボタンでロロ・ピアーナの「wish」で作成しようかなと考えています。

「スーツを着て、飯を喰いに行きなさい」

今日はしばらく続いた英国生地の話題から離れて。
 
私が業界に入る際に先輩方に「スーツの着こなしを学ぶにどうしたらいいでしょうか?」と質問した際の返答に「スーツを着て、飯を喰いに行きなさい」とのお言葉がありました。
 
スーツの合わせに関しては雑誌などを読んでいるとある程度の知識はつきますが結局のところは、感性によるところが大きいです。
 
さらに「最低でもランチで5000円以上のところに行け!感性を磨け!」と。
 
私が「そんな金ないですよ!」っといったら「金がないなら喫茶店なら1000円ぐらいだろ!」「感性のない奴は売れる販売員にはなれない!」と厳しい指摘が。
 
私は今でもその言葉を守り、週に一回の贅沢と勉強代と思い、神戸店に出勤の際には向かいの「オリエンタルホテル」で食事をしてから就業します。
 
やはり「オリエンタルホテル」といったところにはカッコいい人たちがいるんです。
 
今でこそ私はアパレルの人間ですが田舎育ち故に高校生の頃は休みの日にも制服の、私服をほぼ持たない人間でした。今でも恥ずかしながらスーツ、ジャケット以外の服は持っていません。
 
着る服がない故にスーツで大学に通い、それがスーツ屋になるきっかけになったようにも思えます。
 
服に無頓着なゆえに感性という点ではアパレルに入るまでは他の人と比べ非常に劣っていたと思います。
 
スーツというとどうしてもビジネス用の用品として見られがちですが、畏まった席以外にも恋人、奥様とのデート、お仲間同士の集まりなどスーツの出番は多々あります。
 
実践において、ビジネスなら黒の内羽根のストレートチップ、デートの際はタッセルスリッポンなどの使い分けを覚えていくこともできます。
 
とくに日本においては服装において、「質素」なことがよしとされる風潮があります。
 
昭和天皇は乃木希典校長の教えに従い学習院時代につぎはぎのある学生服で登校された。
 
司馬遼太郎「坂の上の雲」の主人公である、秋山好古は非常に質素な服を着ていた。
 
また、弟の真之は軍服の袖で鼻汁をよく拭っていた。
 
若い時の織田信長しかり
 
などと服装が質素、無頓着であればあるほど、その偉大さ、俊逸した才能を引き立たせ伝えられるというきらいがあるように感じます。
 
昭和天皇が大元帥として軍服を着用される際には、立派なものをお召しになられています。
 
実際に私も靖国神社で見たのですが、大変に良い仕立てであることがガラス越しからも伝わってきました。
 
その軍服には当時では最高の生地、仕立てが用いられたことは想像に難くありません。
 
小説家は読み物として面白くしようとするため、そうした面を書きません。
 
明治、大正、昭和前期、戦後から1960年ぐらいの政治家の服を見ていると本当に自分の体に合ったスーツ、洋服を着ています。
 
今みたいに既製品が一般的ではなかったからということを差し引いても本当に素晴らしい感性を持っていると感心せざるをえません。
 
私が考えるに当時は華族、高所得層、官僚な、政治家などの階層が色濃い世相からそれ相応の立場の方にはそれ相応の服飾文化が育つ環境があったのだと思います。
 
安倍総理、麻生さんが景気回復、デフレ脱却の見本とする大正、昭和期の政治家の高橋是清さん、「ダルマ蔵相」という渾名の通りまん丸な体をしていますが非常に体型にあった服を着ているので信頼感と安心感を与えます。
 
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(大礼服を着用した高橋是清大蔵大臣)

英国生地を取り巻く環境

昨日の続きについて。
 
これから、英国生地ブームが起こると私は予想しています。
 
インポートブランド生地の中で比較的値ごろなカノニコが円安、ユーロ高の影響で価格が上がり、割安感がなくなりつつあります。
 
インポート生地全般に言えることではありますが値上がり率はイタリア生地は顕著です。
 
英国生地というのは少数生産の小さな工場が集まり、まとめてブランド名をつけて販売するというマーチャントという形態をとることが多く、イタリア生地に比べ割高感があったのは否めません。
 
最近はその差が小さくなりつつあります。
 
また英国生地が日本では主流から外れた理由は冷暖房の発達によりオールシーズン着れる生地が好まれたからと考えています。
 
英国は地理的関係で緯度が高く日本に比べ、寒冷のため、肉厚で打ち込みの良い生地が多くオールシーズンには適していなかったことが理由だと思います。
 
最近は節電の影響からクールビズ、ウォームビズとなり夏はスーツが売れなくなっていますが、秋冬は割と肉厚のものが人気になりつつあります。
 
英国生地の人気はこれから火が付きそうですね。

馴染ませる

英国生地の魅力はなんていても革靴のようにながい年月、着用していただき体に馴染むのを楽しむところあります。
 
「馴染ませる」というのは女性服にはない男性服特有の楽しみであると思います。
 
ロロ・ピアーナみたいなイタリア生地の気品のある優雅さと、逆の武骨な上品さが英国生地にはあります。
 
英国生地で何と言ってもおすすめなのは「ハリソンズ オブ エジンバラ」「ハリスツイード」です。
 
この間、親しくさせていただいているお若いお客様に『どこの生地で仕立てたら(スーツ好きの方から見て)「おっ!知ってるな」っててなる』というご質問をいただきました。
 
私は『ロロ・ピアーナ(ブルーの既製用の生地でないもの)、ハリソンズのスーツ、ハリスツイードのジャケットを持っていたら、普通の販売員はなら「若くしてこの人分かってる」ってなって身構えますね』と回答させていただきました。
 
「ロロ・ピアーナはイタリア生地の雄、ハリソンズは英国生地の雄、ハリスツイードは一着は欲しいでしょ」といった感じでしょうか。
 
残念ながら私はハリスツイードのジャケットは所有しておりません。そのかわりマギーのツイードのパンツは持っています。今年は一着欲しいなと思案しています。
 
毎年、業界内では英国生地ブームと言われていますが、いまだカノニコ、ゼニアを中心としたイタリア生地が人気で英国生地は二の次といった感じですね。
 
スーツを着倒されている方は英国生地でしか仕立てないという方も。
 
特に秋冬ものは厚みがあり、長くお付き合いする最適、今だからこそ、英国生地でという思いもあります。
 
次回はお勧めの英国生地についてより詳しく。

お客様に支えられて

私が南本町で開業したのが2011年の夏、「ファイブワン 大阪店」を買収したのが2012年の夏。
 
 
早いものでオーダースーツ業界に携わって3年、梅田の現在の場所に移って2年がたとうとしています。
 
 
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(開業時の私、まだ23歳の時です。カメラの前で顔がこわばっています。)
 
 
開業当初から少しずつ顧客様がついてきて、神戸店も買収して、二店舗体制でスケールメリット生かし「ロロ・ピアーナ」を一括仕入れで在庫を保有することも可能となりました。
 
実はロロ・ピアーナを主力商品にするプランは開業当時に私が思い描いていたものです。
 
商売をするからには「お客様を満足させる」、そのためには同価格の中で一番品質の優れたものを売るというのは私の信条です。
 
ロロ・ピアーナは好評です。「この価格でこんなにいいスーツが買えるところはないよ。高くしんといてよ!」とお客様に言われるたび、やる気がわいてきます。
 
当時は、業界の先輩方に相談したら笑われましたが、やってできないことはないと痛感しています。
 
経営を担当してから不思議なもので私が思い描いた経営理念は紆余曲折はあるもののなぜか、かなえられることが多いです。
 
 
ひとえにお客様に支えられてのこと思っています。
 
 
最近は「谷口君に対応できる?」とうれしいご指名をくださるお客様も。
 
 
 
 
 
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(常連のお客様から送られてきた一葉。)
 
常連のお客様の一人に「スーツの仕上がりがすべてを語る」といわれました。
 
まさにそのとおりいかにいい仕立てであってもお客様にとって望まれる形ではなくてはなりません。また逆もしかり。
 
上記の写真は私の提案で芯なしのピーク、1ボタンのスーツでお仕立ていただいた一着。スーツの仕上がりに大変満足され写真まで送ってきてくださいました。
 
まぁ、仕立てがいいのは工場がいいので当然ですが。(笑)
 
「谷口さんとの意思の疎通の賜物」といわれ採寸師名利につきます。
 
オーダースーツ屋というのは英国では「ビスポーク」といいます。つまり「話を聞かれながら」。
 
お客様との語らいはどんなスーツをお望みなのか、ベストなのか私たちにとっての貴重な情報の収集源です。
 
気の知れたお客様と雑談を交えながらスーツについて語り、新しい形を提案するのは楽しいものです。ついつい甘えてしまい、「お客様は特殊体系ですから」「首が短い」「お客様、それはないですわ」と失礼な発言をすることも。
 
私自身特殊体形ですので許されている面あるのかと(笑)
 
今後ともCorvoをよろしくお願いします。

検反

今日はシャツ生地の検反について。
 
検反とは生地の事前チェックのことです。
 
お客様のシャツの注文があった際、生地商社からシャツ生地が店舗にやってきます。
 
現在フェアー中ということもあって日々、生地が送られてきます。
 
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生地というのは、傷、節などがあることがあります。
 
驚かれることかもしれませんがどこのブランドの生地、スーツ地も、ほぼ必ず傷があり、裁断前の検反作業が欠かせません。
 
裁断の際に傷や、節を避けずにカットしてしまうと、出来上がったシャツに傷があるなんてことになってしまいます。
 
そこで我々がその傷や、節をチェックしてから工場に生地を送るのです。
 
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生地をテーブルに広げて、検反開始です。
 
シャツ一着分で1.6m結構な面積です。
 
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小さい節を発見しました。
 
マークを付けて工場に発送して、職人さんが確認してから裁断に入るというわけです。

ジャケット生地

Corvoにはジャケット用のヴィンテージ生地が沢山ございます。
 
前経営者がいろいろな伝手で商社からコツコツと買い揃えたもの、ファイブワン時代にメーカー製品のあまりなどの工場にあった在庫を持ってきたもの。
 
バルベラ、ドーメル、カノニコ、御幸毛織、ブランド不明なものなど、様々な生地があります。
 
どれも逸品ぞろい。寝かせておくには少々、惜しい。
 
(裏事情ですが)私がファイブワン 大阪店を買い取った時に税理士さんに言われ、全部、減損会計したので在庫上の価格は0円。
 
ですのでお買い得な価格でご提供させていただきます。
 
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(上がバルベラ、下がブランド不明、多分カノニコと思われます。)
 
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(ブランド不明、黄緑に赤のオーバ―ペン。甘い織でコートにもおすすめです。)
 
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(御幸毛織の千鳥格子。パンツにしても大丈夫そう。10着分はありそうです。)
 
値段はすべてJK仕上がり価格51000円(税別)
 
ちなみに私が個人的に仕入れてきたメタルボタンもご用意しております。(別途OP5000円)
 
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興味のある方は大阪店までお越しください

オーダーシャツを楽しむ②

鎌倉シャツの代表のNEW YORK 出店のブログを読んでいたら、「胸ポケットがついたシャツは売れなかった」と書かれていました。
 
鎌倉シャツは日本のドレスシャツメーカーのなかで大変勢いのあるメーカーさんですね。
 
そして、ポケットの無いシャツを標準仕様としたなどと、業界の人間から思い切ったことをされているようで私自身、規模は小さいながら同じアパレルの経営者として尊敬させていただいおります。
 
業界の人間なら「全数(ボタンダウン以外)をポケットのなしのシャツ」にすることがいかにリスキーなことかわかります。
 
日本のビジネスマンは「ポケットがないと不便」と言います。ポケットがあるか、ないかで売上にものすごく影響があるのです。
 
規模の大小問わず、「ルール違反は分かってはいるけど売り上げはかわいい」という、販売側のジレンマというのがあります。
 
シャツにしろスーツにしろドレスコードがあるものはやはり規律に則し、その範囲の中で遊ぶのがルールです。
 
「ム!それはドレスコード上からいえばそれはルール違反だぞ!」と分かっていてもオーダーを受けてしまうこと、それはお客様は一時的は満足されるかもしれませんが、本当にそれでいいのか?誠意があるのか?。
 
特にお客様のご職業が人前に出らられる方とわかっていればなおさら我々も強硬に反対します。
 
たとえば「ボタンダウンでクレリックでお願いします。」とお客様から私どもがオーダーを受けたとします。
 
「分かりました!」といえば必ずお買い上げいただけるでしょう。
 
しかし、「お客様、それは袴にスリッパと同じようにルール違反なんですよ。」と言ったら「じゃぁ、買うのやめた」となりかねません。
 
もし販売員が「ボタンダウンとクレリックの組み合わせはよくないですよ。」といったならそれは非常に良識のある販売員の方です。
 
オーダーシャツを注文する際にもそういった良識のある販売さんを「こいつはうるさい販売員だ!客の好きなようにさせろ!」と思わず「お客様にベストな提案をしようとしている。感心!感心!」と温かい眼差しでみてください。
 
いい店というの好事家からビギナーからすべての方に楽しんでいただける店だと思います。
 
ビギナーさんは分からないことがあれば販売員さんに意見を聞きながらデザインを決めると間違いのないものが仕上がると思います。

気分転換

私事ですが、私物の「オーダーシャツ」が出来上がりました。
 
工場が繁忙期で込み合っていたこともあり、あくまでサンプル品ですのでお客様のシャツ優先で縫っていたので、大分納期がかかりました。
 
またまた、私事ですが最近カメラにはまり、お客様に写真の撮り方を教わり、写真をこれまで以上にアップできればと思っております。
 
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私が選んだ衿型は「Kワイド」です。
 
裏前立、ポケットなし、カフスはシングルカフスの大丸、背プリーツの一般的なビジネス用のシャツの仕様です。
 
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まだ洗濯前なので糊付けされて分かりずらいのですが、カラーが直線ではなく少しカーブを描くラインなのがわかるでしょうか?
 
また、ラペルの端からい1mmの位置に施されたコバステッチのピッチは1mmピッチです。
 
コバステッチは生地のパッカリングを防ぐ役目がありますが、手間の掛かる仕様でほとんどのシャツには3mm程度、内側に入ったステッチが施されます。非常に丁寧な仕事であることがわかる、仕上がりです。
 
「Kワイド」はゴージの高い、イタリア調のスーツ、JKととても相性がいいです。
 
また、Corvoのフルオーダーシャツ衿の台芯を通常より固くしているのでノータイ時にでも衿が立ちます。
 
衿と台衿、身頃の接続部はハンドメイドを採用しています。
 
ネックのパターンにも首に沿う理由があるのですが、専門的になりすぎるので割愛します。(所謂、前首という補正を入れています。興味のある方は私に直接、お聞きください。)
 
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型線の縫目も1mm以下のピッチ、目測で0.5mm程度かなとおもわれます。非常に綺麗です。
 
私どもの店の商品ですので、自画自賛になりますが、縫製に非常に凝っています。(笑)
 
この間、上着を脱いでbarで飲んでいるときに当店以外の商品のシャツを着ていたのですが、バーテンダーに「いつものシャツと違う。いつものシャツは高そう。」といわれました。
 
分かる方にはやはりわかるようですね。(笑)

オーダーシャツを楽しむ①

前回、既製シャツについて紹介しましたが、日本に出回っているインポートものの高級シャツといえば3万以上になってしまいます。
 
一着3万円以上のシャツを普段使いにするにはなかなか、難しいと思います。
 
1~2万円前後で楽しめる既製シャツといえばあまりありませんね。(日本ブランドには中間価格帯の製品の展開が少ないと感じるのは私だけでしょうか?)
 
Corvoではフルオーダーシャツを13000円(税別)~取り扱っています。
 
オーダーシャツを本当に楽しみたいのなら少なくともフルオーダーに限ります。
 
よく言われるオーダーシャツの嫌われる理由として衿型がダサい、アームホールが太いなどが挙げられます。
 
名こそ、オーダーシャツとして巷に出回っているものはパターンオーダーシャツなのです。
 
パターンオーダーシャツは着丈、袖丈は調整し、ボディーサイズ、ネックサイズ、カフス周りを出来合いのものから組み合わせ作られます。
 
この仕組みは非常によくできた仕組みです。ほとんどの場合ゲージを用意しているのでお客様にイメージに合ったものが作りやすく、品質、価格の面で優れています。
 
しかし弊害もあります。
 
出来合いのものを組みなおすので2サイズ以上違うものは組み合わせることができない、たとえばボディーが46、首回りが49だと組合すことができないなどの制約があります。
 
ですのでお客様に妥協していただき48サイズのボディーにしてもらったりするので「オーダーなのになんか合わないぞ」と感じられることがあるのです。
 
また、出来合いの為、アームの太さ細さなどに対応できない事情もあります。
 
ならば「フルオーダーは万能か?」といわれればそうではありません。
 
ゲージがないのでお客様にイメージがしにくく、また厄介なことにシャツのゆとり量はジャケットに対し好みによる差が大きく、二度目以降より過去のオーダーに対し修正を加えていく流れが必要となります。
 
フルオーダーシャツというのは選択肢が多く、非常に自由度が高いのでしっかりと販売側はお客様のイメージをつかまなくてはなりません。
 
また、本当にオーダーシャツを楽しむのであればお客様にもそれなりのイメージを伝えるために知識が必要となります。
 
今日はここまでで次回の②続きます。
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