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2014年8月

今のスーツの流行

クラシコイタリア全盛のブームの頃はしきりに「クラシコイタリアのスーツは生地は柔らかく、軽いもの、肩はジャストサイズ、適度な腰の絞り、ナチュラルな風合い、仕立ては軽さを追求している」と雑誌などには紹介されていました。
 
正直、この説明をうけても「具体的にイタリア調のスーツってどんなものなの?」っとお思いになると思います。
 
実際には今、旬のラルディーニはイタリアのスーツブランドですが英国調のしっかりとした生地を使い軽い仕立てが多いです。
 
 
 
特に北イタリアは生地も英国製の物で割と英国調の仕立ての影響が強く、ロープドショルダーでかっちりとしたものが多いです。
 
 
 
ステレオタイプ的な北イタリアのスーツのイメージはこんな感じです。
 
いかにも英国ぽっさとイタリアぽっさが混じっています。
 
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(このスーツの肩はロープドになっていません。)
 
 
 
個人的にはナポリぽい雨降らし袖で重ねボタンより、北イタリアのようなまじめすぎず、遊び過ぎず、適度な抜け感のあるスーツの方が好みです。
 
 
 
なぜかJKスタイルはナポリっぽいものが好みです。
 
 
 
話はそれましたが「現在は英国調のスーツが流行」とメディアで紹介されています。
 
 
 
また、「モダンブリティッシュ」という言葉をよく耳にします。
 
 
 
「現在は過去の重厚なクラシックなブリティッシュ調ではなく現代のテイストに合わせソフトの毛芯、薄いパットを使用したものが旬。」という趣旨の説明が多く見受けられます。
 
 
 
察しのいい方でしたら「北イタリアのスーツとモダンブリティッシュの違いって何?」となると思います。
 
 
 
またハリソンズを除いた一部の生地以外は英国生地と謳いながら基本的には双単でイタリア生地と大差はありません。
 
 
 
スーツ屋の者からすれば、結局のところ英国調回帰という今の流れはキートンなどの南部イタリアのものから北イタリア調に変化しただけに過ぎずイタリアスーツの流れは終わっていない感があります。
 

神戸店の定休日について

神戸店の定休日を月、火曜日と致します。
 
火曜日来店希望の方は予約対応とさせていただきます。
 
ご不便をおかけいたしますがよろしくお願いいたします

カルロ・バルベラ 

生地商社の方が当店にやってきて「これ見てください」と生地のカードサンプルを見せてくださいました。
 
2014AWの提案でカルロバルベラの生地をもってきてくださいました。
 
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数年前、イタリア生地ブームがおこり、その中で知名度を上げた生地ブランドです。
 
なぜか取り扱う商社さんが相次いで取り扱いをやめてしまい最近は見かけなくなってしまいました。
 
湿度と温度を一定に保つ、洞窟をくりぬいた倉庫の中で糸を寝かせ糸にかかったテンションを下げてから生地を織るという独自の手法はスーツマニアにとってはあまりに有名です。
 
「ロロ・ピアーナ」「ゼニア」「ドーメル」とは違い知名度は断然下がりますが、質の面では高い評価を受けています。
 
なぜに商社さんが卸をやめてしまったのか不思議でなりません。
 
商社さんの言い訳は「ゼニアなどに比べて知名度の点で売りにくい」と皆さん言います。
 
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「これは売れる!!」と先買いしたら安くしてくださるとの提案を受け、私も巡り合わせが嬉しくって現物で仕入れることを即決してしまいました。
 
商社さんにうまく乗せられた感もありますが(笑)
 
これは、バルベラフェアーをやらねばと只今、企画中です。

シークレット

日頃より、ブログを購読の方々に特別企画。
 
先日、ブログで紹介させていただいた「トレーニョ」を大阪店限定で今、旬の6種、仕入れさせていただきました。
 
そこでブログをお読みの方だけにシークレットキャンペーンを実施します。
 
私か、スタッフに「ブログの生地見せて」とおっしゃていただいた方には特別に10000円OFFさせていただきます。 (割引率が低いと思われるかもしれませんが仕入れ値が上がっているのでこれが限界なのです。すいません。)
 
売り切れ次第となりますのでお早目に。
 
2P ¥88000→¥78000-
 
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トレーニョ

新作の生地が続々と入荷しております。
 
ユーロ高、円安の影響で生地自体の価格がだいぶ上がっています。
 
インポート生地の中で比較的安価でお求め易かったカノニコもいまや高級素材となってしまいました。
 
私が南本町でスーツ店を始めた時はカノニコでも2P、68000円でお仕立ていただけたのですが今は98000円からという高騰ぶりです。
 
私がファイブワン大阪店にやってきた時も88000円でしたから、昔みたいに「カノニコはコストパフォーマンスに優れている」とはすこし申し上げにくいです。
 
そんな環境の中でもお求め易い生地をご紹介いたします。
 
今回紹介させていただくのは「トレーニョ」です。
 
「トレーニョ」はロロ・ピアーナ社がデザイナーブランド向けに設立した生地メーカーです。
 
個人的にはロロ・ピアーナの現物生地のもをのぞいては一番コストパフォーマンスがいいと思っています。
 
あまり、オーダースーツ店では取扱が多いわけではないのでマイナーなブランドではあります。
 
アルマーニ、ヴェルサーチ・ドルチェ & ガッバーナなどに生地を卸しているので名前を知らなくてもトレーニョの生地のスーツをお持ちの方は多いかもしれません。
 
しかし生産高は多く三大紡績メーカーといわれるぐらい世界的知名度はあります。
 
生地の特徴としては光沢があり、比較的打ち込みがよいものが多くバランスに優れたものが多いです。
 
またデザイナーズブランド向けの生地メーカーであるといこともあり洗練された柄、色使いが多いのも特徴です。
 
二十代から三十代の方が好まれるようなものが多いのも特徴です。
 
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2p仕立て上がり¥88000(税別)

仕立てを変える。

仕立て屋のなかでは常識なのですが、生地の特性を考えサイズや仕立てを変えます。
 
イタリア生地、特にトレーニョ、ロロピアーナのようにしなやかで光沢のある生地というのは動くたびにできる皺の光の動き(ドレープ性)を生かすために少しゆとりを通常より入れます。
 
ゆとりを大きくすると「ダボッとしないのか」と思う方もいるかもしれませんが、ドレープ性があるので非常にドレッシーになります。
 
夏用の芯なしジャケットでは湿気を吸って縫い目を中心に生地に凹凸が出るので接着芯を張ったりします。接着芯は生地の風合いを若干固くするためにお客様と相談の上、貼るか決めさせていただいております。
 
英国生地、ハリソンズなどのように固い生地は胸のホールド感を出すためにタイトにします。
 
ちなみに私の経験から英国生地の平織りのものはタイトにすると裂けるように破れてしまうことがあるので、私はバストにゆとりは少しにしてお尻周りは大きめに取ります。

似合う、似合わない

スーツを選ぶ際に似合う、似合わないをほとんどの方は意識される方と思います。
 
 
スーツ地なら紺、グレー、黒を基本に濃淡はあれども、無地、ストライプ、チェックなど柄についても選択肢は広くありません。
 
 
一般に言われる細身の方に似合うスーツ地というのは淡い色味で英国生地のようにかっちりしたもの、ストライプは間隔のせまいもの、チェックなら格子は小さいものといわれています。
 
 
また一般に恰幅のいい方に似合うものといえば濃い色味でイタリア生地のような光沢がありしなやかなもの、スライプなら間隔が広いもの、チェックなら格子の広いものといわれています。
 
 
私は体重が100kgを超えていますが平気でベージュのスーツや、ライトグレーのスーツを着ます。
 
 
白い麻のスーツを恰幅のいい方がご注文されたものでしたがより貫禄がでて雰囲気がでていました。
 
また、元英国首相チャーチルはチョークストライプの重いフランネル生地を着た写真が有名です。
 
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(対独戦時のプロパガンダ写真、このとき着用されているスーツはヘンリープール社製)
 
マシンガンを持った、大変物騒な写真ではありますが、すごくお似合いですね。
 
 
結局のところ似合う、似合わないは合わせ方、着る方の気持ちの問題と思います。

秋冬物のトレンド

この時期、お盆前にすっかり、現在お受けさせていただくオーダーは秋冬物に切り替りました。
 
 
現在の納期は一か月弱となっています。
 
Corvoではお早めにお納めさせていただける、尚且つお得なこの機会にご注文よろしくお願いいたします。
 
今季(2014AW)のトレンドは2014SSに引き続きチェック柄のでが好調です。
 
逆に普段売れ行きのチョークストライプのグレー、紺の生地が売れないという今までにない人気ぶりです。
 
特にCorvoではロロ・ピアーナのシャドーチェック、遠目では無地に見える非常にドレッシーな柄のものがご好評でした。
 
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納品の際、気に入られ、色違いでご購入なんて方が多数いらっしゃいました。私がスーツ店に働いて柄物でこんなに色違いで買われる方がいらっしゃるのは初めてです。
 
私も例にもれず色違いで上記の柄で色違いで3着、購入しています。
 
チェックは抵抗のあるお客様も遠目で無地に見えるように抑え目でありながらドレッシーであることから、ご満足頂いております。
 
チェック柄というのはジャケット生地に豊富なんですね。
 
先の2013AWによく出たウィンドペンは少し下火に感じます。みなさん、お買い上げいただきお手持ちになられたからという感で今季に仕立てられても問題ありません。
 
ジャケット生地の場合はパンツの膝がぬけることがありますので私どもフィッターとよくご相談してからお買い上げいただいております。
 
ちなみ、チェックというのは裁断がストライプ、無地に比べに手間がかかり、Corvoの提携工場を含め多くのテラードファクトリーの納期遅れの原因となりました。誠に勝手なお願いですが、チェックのご注文を検討のお客様はお早めにご注文いただけると大変助かります。
 
生地感としてはイギリス調のハリのある生地が多く出るようになっています。全体の3割ぐらいかなっといった感じです。
 
今の時期、さすがにフランネルをお買い上げいただくお客様はいませんが、フランネル素材も今後、多く出るでしょう。
 
また、パンツのデザインですが感度の早い方はすでにテパードの利いた、裾に向かって細くなっていく形からストンと落ちるストレートという形が主流になっています。
 
タックもノータックから2タックが基本となっています。
 
以前ブログにも書きましたが現在の2タックはノータックにタック分量を少なくとった細身のものが当世風です。
 
ジャケットの前ボタンを閉じれば股下から裾まで細いシルエットのままです。
 
ノータックになれた方々もタックがあった方がドレッシーですので初めは抵抗があるかもしれませんがぜひ挑戦してください。
 
スーツ全体がエレガントかつドレッシーなものが好まれる傾向にあるように感じます。

良心

パラパラと新作の秋冬の生地バンチが入ってきました。盆休み明けにはすべてそろいそうです。
 
大阪、神戸はまだまだうだるように暑いですが、後、ひと月半もすればスーツを着て、仕事に行くのが楽しみな季節になります。
 
9月は混み合うことが予想されますので、お得なフェアーもやっていますので秋冬物をお考えの方はお早目にご来店いただけますようお願い致します。
 
ちなみにCorvoのお盆休みはお知らせにも書いているように11~15日です。
 
 
 
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宣伝はここまでとし、今日は昔、私が先輩方に言われた「老舗は客を選ぶ」という意味について。(お客様のことを客と書いてしまい申し訳ありません。)
 
お店というのは、その店の味があります。
 
残念ながら巷のオーダースーツ店はその味を前面に出さずに、「なんでもできますよ!」というスタンスであることがほとんどです。
 
消費者の方々もその店の味を理解しているのかといえば、そうではないことがほとんどだと思います。
 
販売側による責任が大きいと、販売側の一人である私自身反省すべき点だと思います。
 
Corvoのスーツは型紙を一から作成しますのでなんでもできると言えばできるのですが、やはり得意としているのは北イタリア調の形、縫製です。
 
ディテール面の特殊仕様には対応できるが基本は北イタリア調。
 
イタリア調のスーツか、英国調のスーツか、どちらがいいのかと聞かれたら「うどんかそば、どっちがおいしいの?」と同じような質問です。
 
「あのうどん屋か、蕎麦屋どちらがうまい」のかというのは目的の違う店を同一線上で比較するものです。
 
なぜかスーツ界では「バタクか、ビームスF、ベルベ(ヴェ)ストどっちがいいかな?」「ロロピアーナかハリソンズ、ゼニア、ドーメルどっちがいい?」という議論が平気でなされます。
 
今の時代はお金さえあれば何でも買える時代になりました。
 
売る側も売れればばいいという営利の時代になりつつあるように感じます。
 
今は商売上の道徳を問われるような事件が多々発生しています。
 
「老舗は客を選ぶ」の本当の意味は、まだ情報が発達していない時代に、お客様は「うどん屋」か「蕎麦屋」か外見からではわかりずらい時代に、うどんを食べに来たお客様に対しそこが「蕎麦屋」であるのならばお引き取り願った本当にお客様が求めているものと違うのならほかの店に行っていただく商売人の良心があった時代を象徴する、言葉の現れだったのではないかと思います。

スーツのディテール

最近、スーツ業界に変化を感じることがあります。
 
昔はディテールにこだわっているスーツがいいスーツというのがなくなりつつあります。
 
「本切羽、衿ひげ、本台場、スリット」でないものは高級スーツではないみたいな変な風潮がなくなりつつあるのを感じます。
 
一昔前はこてこてにこれでもかというぐらいディテールにこだわったスーツをセレクトショップをはじめ見受けられたのですが、ここ最近はあっさりしたものが多くなっています。
 
スーツの本質というのは元を辿れば軍服から派生したものなので、如何に男性らしく、逞しく見せるかにあります。
 
ですので、本切羽でなくても胸の高さをもたせるためにアイロンワークを施し、袖を後付にししっかりとした仕立てのいい縫製であることの方が重要です。
 
Corvoのスーツも「ステッチ、本切羽、スリット」が標準仕様なので「いいスーツだろ!」といえばいいのですが、そこは正直に。(笑)
 
所謂、アイロンワークも施されていない、胸の立体感もないスーツに「本切羽」「台場」「ステッチ」があるだけで高級スーツともてはやされていた時期がありました。
 
なんだかんだで日本もスーツの成熟期に入ろうとしていると感じます。
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