大阪店
今のスーツの流行
クラシコイタリア全盛のブームの頃はしきりに「クラシコイタリアのスーツは生地は柔らかく、軽いもの、肩はジャストサイズ、適度な腰の絞り、ナチュラルな風合い、仕立ては軽さを追求している」と雑誌などには紹介されていました。
正直、この説明をうけても「具体的にイタリア調のスーツってどんなものなの?」っとお思いになると思います。
実際には今、旬のラルディーニはイタリアのスーツブランドですが英国調のしっかりとした生地を使い軽い仕立てが多いです。
特に北イタリアは生地も英国製の物で割と英国調の仕立ての影響が強く、ロープドショルダーでかっちりとしたものが多いです。
ステレオタイプ的な北イタリアのスーツのイメージはこんな感じです。
いかにも英国ぽっさとイタリアぽっさが混じっています。
(このスーツの肩はロープドになっていません。)
個人的にはナポリぽい雨降らし袖で重ねボタンより、北イタリアのようなまじめすぎず、遊び過ぎず、適度な抜け感のあるスーツの方が好みです。
なぜかJKスタイルはナポリっぽいものが好みです。
話はそれましたが「現在は英国調のスーツが流行」とメディアで紹介されています。
また、「モダンブリティッシュ」という言葉をよく耳にします。
「現在は過去の重厚なクラシックなブリティッシュ調ではなく現代のテイストに合わせソフトの毛芯、薄いパットを使用したものが旬。」という趣旨の説明が多く見受けられます。
察しのいい方でしたら「北イタリアのスーツとモダンブリティッシュの違いって何?」となると思います。
またハリソンズを除いた一部の生地以外は英国生地と謳いながら基本的には双単でイタリア生地と大差はありません。
スーツ屋の者からすれば、結局のところ英国調回帰という今の流れはキートンなどの南部イタリアのものから北イタリア調に変化しただけに過ぎずイタリアスーツの流れは終わっていない感があります。
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.sartoriacorvo.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/282