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TALK2~新モデル「奉文」について 対談者 竹村直人~

 

「Corvo-コルヴォ-」では現在オーダーを受けているマスターゲージに合わせて今季新モデル「奉文」を投入する。

それにあたって、前回のTALK1に引き続きCorvo 神戸店 支配人 竹村 直人氏に新モデルについて語ってもらおう。

※新モデルは大阪店のみの取り扱い

通常仕立て価格に対しアップチャージ40000円

(情報は2015年3月時点のものです。)

新モデルの作成の経緯について

竹村;前回、少し触れさせていただいた新モデルの誕生には「価値の創造」という考えが含まれています。

今までの「Corvo」はコスト圧縮などの価格の面での経営努力してきました。

それは当然の企業努力であり、谷口代表はブランドには新たなる提案をすることで「価値」を生み出すこと「価値の創造」、またその義務があるといってきました。

質問;「価値」と言いますと?

竹村;コストパフォーマンスは押しなべて原価率で尺度を測ることができます。極端な例ではありますが、同じ値段の原価が10万円のものすごくかっこ悪いスーツと、原価5万円でものすごくかっこいいスーツどちらを着たいですか?

質問;後者のスーツですかね。(苦笑)

竹村:かっこよければ縫製や生地が粗悪でも売れると言っているように誤解はされたくありませんが、コストパフォーマンスだけでも意味がないのです。

質問;確かに。

竹村;いい縫製で、いい生地を使っていてもかっこ悪ければ、消費者はその商品に魅力を感じません。すなわち消費者を引き付ける魅力が「価値」と言えます。特にアパレルというのはかっこいいのか、悪いのかなどの感性でその商品の「価値」を測るところが多分にあります。

Corvoは新モデルを提案することで、ひいてはより「Corvo」ブランドの「価値=魅力」を高めようとの試みです。

質問;「Corvo」のコストパフォーマンスに、新なるモデルの魅力が合わされば、その価値、魅力は大きなものになるでしょうね。

竹村;最終判断するのは消費者の方々です。我々は消費者の方がほしいと思うような魅力ある提案をするために努力するのみです。(笑)

新モデル紹介

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新モデル「奉文」

※襟はピーク・ノッチからお選びいただけます。

 

質問;名前がなんだか変わってますね。(笑)

竹村;谷口代表が日本のブランドだから日本人名がいいんじゃないかという「鶴の一声」でこの名に決まりました。由来については聞いても教えてくれません。(苦笑)

質問;なにか由来があれば聞いてみたいものです。型としての特徴は?

竹村;このモデルの特徴は構築的な胸の高さと、細い脇にしっかり噛んだアームホール、ウエストからすとんと落ちる蹴回し(ヒップ周り)がホールド感を与えます。

質問;細くても、なんだか男性らしい力強さ、貫録を感じさせますね。

竹村;そこがうちが特にこだわったところです。貫録をもたせようとすると重苦しい印象になります。逆にスタイリッシュに細さをアピールしようとすると軽薄な印象となってしまう。

質問;相反するものを両立させるのは難しいですね。

竹村;そこは仕立ての良さがやってのけます。(笑)

通常腰ポケットで終わるダーツが、裾まで落ちています。これは胸の高さを出す為、ナポリなどのサルト(仕立屋)がよく用いる方法なんです。ナポリはラテン系民族が多く、日本人同様、華奢な人が多いので少しでも逞しく、男性的に見せようとした工夫でしょう。

また襟のカットも曲線にすることで胸の高さを強調しています。

アームホールもそら豆型にすることで脇にしっかりと噛み、細いアームは腰と腕に空間を作り腰の絞りを強調する型となっています。

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質問;すごくかっこいいスーツなので多くのお客様からオーダーが入りそうですね。

竹村;すいません。このスーツの縫製には手間がかかり、縫製委託工場の通常オーダーの兼ね合いもあり月産5着が限界なのです。さらに大阪店のみでの受注となっております。

このモデルは「Corvo」のアイコン(=象徴)となるべく、「ロロ・ピアーナ」社製の生地での仕立てしかお受けいたしておりません。また、制約が多く、腰ポケットは水平、袖付けはロープド、それ以外は一切受けておりません。

質問;このスーツにはプロの視点から見ても最高のデザイン、最高の生地しか扱わないというのは非常に贅沢に思えます。

竹村;売り手の理論ではありますが、「我々が最善と思えるものしか、お客様に提供したくない!」との強い思いがございます。

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「奉文」は素材から細部の仕様までこだわったものとなっている。

まさに「最高品質のスーツを提供する」を経営理念に掲げる「Corvo」にとって「アイコン」と言える存在だ。

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