2015年4月
スーツはファッション
「男性のスーツ姿は二割増しでかっこよく見える」と女性たちは言いますよね。
スーツは男性を示すアイコンと同時にファッションとしても受け入れられるようになっています。
もともと、スーツは黒に近いチャコールグレー、ネイビーの生地で仕立てるのが基本でした。
スーツは軍服からの出自から制服としての色を濃く残していました。
そこにアンチテーゼする新興ブランドがありました。
第二次世界大戦後の1945年のローマに創業した「ブリオーニ」です。
「ブリオーニ」といえばイタリアスーツの代表ブランドです。
「ブリオーニ」は英国のスーツはフォーマル過ぎると考えていました。「孔雀のような装い」といわれるように、それまでのダーク色の多いスーツ地に対し「ベージュ」「明るいグレー、ブルー」などを大胆に取り入れスーツ業界に新しい風を吹き込みました。
ちなみに1952年史上初の男性のファッションショーを開いたのは「ブリオーニ」です。
近年のオーダースーツブームは日本でもスーツをファッションとして楽しむ文化の萌芽になればと思います。
汗対策
日に日に暖かくなり、これからの季節、汗をかくことも。
スーツにとって汗は大敵ですね。
「スーツ好き」でしたら暑くともスーツを着ていたいですよね。(笑)
通常、クリーニングは油性溶剤でのドライクリーニングとなりますので、油性の汚れ(油、皮脂など)は落ちても水溶性の汚れ(汗、尿など)は落ちません。
当店では水洗いクリーニング店の取扱店でありますが、お値段が張るとのお声をしばし頂戴することが。
街のクリーニング店でもドライクリーニングに水溶性の洗剤を混ぜた、500円程度プラスで「汗抜き」を受けているところもあります。
しかし、どんなに高級なクリーニングでも例外なく「洗う」という行為はスーツにダメージを与えます。クリーニングに出す回数は極力抑えていただくことがスーツを長持ちさせるコツです。
因みにドライクリーニングがなかった時代はチョークみたいなもので汚れた箇所を塗っていたとか。
私は特に大きな汚れがないようでしたら、夏物ならシーズン中に一回、シーズンオフに一回の計二回。冬物ならシーズンオフに一回ぐらいの頻度です。
ジャケットもさることながら、パンツは直接肌に触れるので特に汗が染み込みやすいです。
シャツの下に肌着を身に付けるかはよく議論されるところでありますが、私は汗っかきなのでシャツ一枚では汗を吸ってくれないので私は肌着を身に付ける派です。
また、昔は夏用スーツのステテコを履いてパンツに汗が移るのを防いでいました。(当時は綿素材でしたので暑かったことでしょう。)
最近ではユニクロの東レの繊維素材を使った「エアリズム」という商品で通気性、速乾性に優れた商品も出ています。一度、お試し下さい。
モデル
オーダースーツというと一括りにされてしまう感が有るので、今回はモデルについてのご紹介をさせていただきます。
エントリーモデルとしての「マスターゲージ」。
受注量が多いのは「マスターゲージ」です。
「くせ」のないスタイルで普遍的スタイルである。
豊富な仕様選択により、選択によって違った表情を楽しめるのが大きな特徴である。
主にスーツの王道を歩む「ブリオーニ」の系統を受け継いでいるのが「マスターゲージ」です。
ハイエンドモデルとしての「奉文」。
男性としてのセクシャルを前面に押し出した、「セクシー」かつ「遊び気」のあるスタイルである。
他のスーツとは一線を画す。細身で、着る人を選ぶ特徴がある。
「トム・フォード」などのセクシャルなデザイナーズブランドのスーツの系統を受け継ぐのが「奉文」です。
どちらに優劣があるというわけではありません。
「奉文」は男性用のドレスとでも言いましょうか。パーティーシーン、食事会、休日にパートナーとホテルで食事というときにも重宝します。深いVゾーンは、ジャケット感覚でチーフを挿してノータイで着用という選択も有です。
「マスターゲージ」にはビジネスシーンならどんなクラスの人と会う時でも恥じないフォーマル性が有ります。こちらは逆にノータイだと間の抜けた感が有ります。
そのかわりタイドアップした場合のフォーマル感は「奉文」に比べるべくもありません。