2017年の新モデルの準備
少々気が早い様だが、2017年の新モデルについて。
新モデルの名前は「駿」(はやお)とした。今回は「男という性」を前面に押し出す。
「莞爾」(かんじ)のピークドラベルとダブルベストというのは、実はいうとフロックコートからきている。
テーラードの原型を踏まえたうえで、新しい組み合わせているので、違和感なく受け入れられることは当然の結果だったと考える。
フロックコートというのは日本人が初めて着た洋装と言われている。現在はその地位をモーニングコートに譲ったが、日本でも明治の初めは昼間の正装として用いられた。
現在では、結婚式の新郎用に白地の生地などで、シングルブレストのフロックコートにシングルのベストというのが主流だ。
「駿」はダブルブレストにダブルのベストというように、より原型に近いものにしたい。
ちなみにダブルブレストはポーランドの騎兵用のコート発祥と言われている。現在のジャケットに近い形になったのは英国王立海軍が海軍服として採用ものといわれている。
どちらも、風が胸元に入らないようにと、釦がはずれても右前でも、左前でも留めることができるようにと、過酷な使用環境において耐えるものとして作られた。機能を重視したデザインとはどうしてこうも美しいのかと思わせる。
発祥から、男性性のセックスアピールには都合が良い
本田宗一郎の名言
「世の中に女性がいなかったら、俺は毛はえ薬を試すことはない、服はドンコロスに穴をあけたもので十分だが、女性がいるからこそ、車も女性に注目されないといけない」
にあやかり「莞爾」「奉文」に続き「駿」はより強いセックスアピールを目的としたデザインとした。
この本田さんの名言は、車を単なる移動の道具と見ることなく、後のウォークマン、アイフォンなどの歴史的な工業製品は機能のみではなくデザインの重要性をうまくあらわしている。
まぁ、スーツなどは「冬寒くて夏は暑い服」なのに男性がそれを纏うとより魅了的に映る、そんな不可思議な力を宿している。
ちなみに「莞爾」のチーフの挿し方がスリーピークスなのはそうしたオマージュを兼ねている。
Corvoの日本国籍を鮮明にするため、羽織に対するオマージュを兼ね、サンプル品は裏地は西陣の絹地とする。
トップ加工と言って原毛の状態で染めで、裏地としても柔らかく、墨画のような陽炎が出るものにした。
期待いただきたい。
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