2017年6月
軍服を源流とするスーツ
軍服を源流とするスーツは着る人物に威厳をもたせる意味合いがある。
弱そうな兵隊では外国に侮られる。またいかにも弱そうな指揮官では下の将兵がついてこない。
大胸筋が発達しているように見せると力強さが出る。だから仕立屋は襟をカーブさせ裁断し胸を少しでも高く見せようとする。
ウェストの絞りは相対的に胸の高さを出す。ジャケットは胸をいかに高く見せるかにある。
ダーツの取り方にも試行錯誤する。英米人より華奢な体格のナポリ人は前身までダーツを落とすという手法を編み出した。
テーラードジャケットは胸をいか高く見せるかにある。
パンツのクリースは整列した兵士の脚を美しく見せる。タキシードのパンツの側章もそうした意味合いのものだ。美しく整列した兵士は、規律ある軍隊とみなされ、手ごわい相手と外国にみなされる。
だから、昔の将校は自前の仕立屋で大枚をはたいて軍服を仕立てた。
昔から男女問わず人間は強い男に憧れを抱く。すすんで従おうとする。男というのはそうした装いをしなくてはならない。