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最良のスーツ

最良スーツの選び方③(縫製)

最良のスーツ①で述べたように、普段使いするならマシンメイドと手縫いの組み合わせた縫製の方が耐久性の面で優れている。

 

2014年の屋号変更の際、提携先の縫製工場を変えた。その際、重視したのは縫製技術と細かな補正が効くことだ。

 

多くの縫製工場がCADシステムといって機械で裁断する。Corvoの提携先の縫製工場は手裁断だ。

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正直に言うと、CADはコンピューターに通したデータ通り誤差もなく裁断する。ミスも絶対に起こらない。手裁断は誤差も時折ミスも発生する。(手裁断の裁断誤差は3mm以上だと出荷されない。)

 

なぜ、デメリットを理解しつつCorvoは手裁断に拘ったのか、それは対応力だ。人間はなで肩、怒り肩、ハト胸、猫背などの体形上の特徴がある。そうしたスーツを着た際、美しく見えない身体の不具合をカバーするには手裁断で型紙に補正を入れるのが一番なのだ。また、要望さえあればほとんどのことはできる。

 

フルハンドの縫製はどうしても縫製が甘く、普段使いでは裏地がはがれた、パンツの側線が裂けたなどの不具合が起こる。店に持っていけば大概は無料で直してくれる。我慢をできるだけの愛着をもてるかだ。スーパーカーもこの点は似ている。

Corvoの定義する「最良のスーツ」は仕事での使用、普段使いが前提だ。

Corvoのスーツは要所ごとにハンドとマシンが組み合わされている。

スーツの顔となる、前身は胸に沿うようにアイロンワークで立体的にする。袖付けは、腕の動きを左右する重要な個所だ。熟練の職人の手によって仕上げられる。

耐久性の求められるパンツの側線は必ずミシンだ。ボタンは手付で取れにくいよう根巻で縫いつける。

一見するとハンドメイドは体に沿い、温かい素朴な表情となる。ハンドとマシンを組み合わせたスーツは立体感を保ちつつも、シャープな印象となる。マシンのみで仕上げると立体感がなく角張った印象となる。

当然、価格面もハンドメイド>ハンドとマシン>マシンとなる。

技法の良い点、悪い点の取捨選択を行った縫製こそ、「最良のスーツ」の要素なのだ。(④に続く)

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