品格
品格とは、その者から感じられる厳かさの事。
人の本質というべき部分の事です。
、、、いきなりこんなこと書くとちょっと構えてしまいますよね(笑)
ただこの品格というものは、やはり結構大事だなと思うんです。
とはいえ私はまだまだ品格のある人間とは言えませんし、それを身に付けるためにはやるべき事ややらなければならない事が多すぎます(笑)
そんな中いつもお客様を見てると、やるべき事を当たり前のように自然にされている姿があります。
「品位がある」「別格だ」なんて言葉がありますが、まさに言葉通り。
しかし、品位やら別格やら、定義は曖昧ですよね。
なので一つお話しすると例えば、同じブランド物の同じ財布を持っているAさんとBさんがいるとします。
因みにAさんは財布に限らずブランド物が大好きです、流行りには目がありません。
かたやBさんはブランド物は好きですが、質をしっかり考慮して自身の拘りを大切にします。
それぞれ同じ年数使っていたとして、その使用感には違いが出てきますよね。
使い方や手入れによって良く扱われてきた財布は、使用者に少しの品を与えます。
扱いが悪ければ、傷はむき出しコバは剥がれる、使用者の格が下がります。
おそらくAさんは自身の格を下げてしまうでしょう、逆にBさんは品を増していくばかり。
みんながみんなそうではありませんが、実際に見ていると当てはまる事が多いんです。
Aさんのようなタイプは若い方に多く、情報に操作されて自分の頭で考える機会の少ない今の時代、仕方ないのかもしれません。
確かにブランド品は素晴らしいですよね、ネームバリューだけでなくそれぞれの歴史が保証する品質もありますから。
しかし、それだけに踊らされるのはあまりよろしくない気がします。
自らの本質を見極め、見合ったものを身に付け、丁寧に扱う。これが品に繋がるように思います。
後はそうですね、消耗品に対する考え方ですね。
シャツなどの消耗品にお金をしっかりかけることの出来る方はやはり品良く見えます。
どれだけ良いスーツを着ていようが、シャツや例えば靴もそうですね、関連するアイテムがみすぼらしいと全体的にみすぼらしく見えてしまいます。
だからこそ、たかが消耗品されど消耗品なのです。
といいつつ私はついつい長く使えるスーツの方にお金を掛けちゃいますが、、(笑)
ですがメンテナンスと管理は怠りません。
消耗品にまでお金が回らなければ、せめてやるべき事をやるべきですから。
そういえば学生の頃、お坊ちゃまがクラスに一人くらいはいなかったですか?
そして全体的にすごくきれいな格好ではなかったですか?
如何にもお金がかかってそうな。
今思えば彼らには、意図せずとも品がありましたよね。
我々が小さいころに経験済の分かり易い例だと思います。
そして、お坊ちゃまではないのに妙に品があったなというタイプの子もいませんでしたか?
これも大事な要素なのですが、立ち居振る舞いからなる違いです。
姿勢が良かったり、マナーをしっかり身に付けていたり、基本的な事がきっちり出来る人間というのは品よく見えるものです。
この辺りは誰でも身に付けることが出来るので、生まれや育ちを言い訳にはできません。
「自分はこういう人間だ」と認識し、自覚すれば、品格は身についていきます。
歳をとると余計な事を考えてしまうので、品格を身に付ける邪魔になってしまう事もしばしば。
中々難しいものです。
今回はテーラーから見て、一般的であろう上流階級的品格について書いてみました。
「良いスーツには相応の品格を」
何かのきっかけになれば幸いです。
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