代表コラム
スーパー170は耐久性がないのか?
私はスーパー170の生地を普段使い用のスーツとして使用している。
雑誌などを見ると「ビジネスユースならスーパー110まで」という文句を見る。
生地の耐久性を測るのなら、スーパー表記よりも番手と打ち込みだ。
当然、細い糸より太い糸の方が耐久性がある。
誤解されがちだが、スーパー表記はあくまでも、原毛の細さを表すもので糸の細さとは無関係だ。
スーパー200の生地でも去年の冬にガンガンきても何の問題もなかった。
しかし、細い原毛は確かに湿気に弱く、雨、汗などで毛玉ができやすい。そうした意味では耐久性がないのかも。
打ち込みは単位面積当たりの糸の密度だ。
糸の使用量が多く密度の高い生地は摩耗に強い。
なぜ、スーパー表記が高い生地が耐久性がないと認識されるようになったか。
原価を抑えるために糸の使用量を減らした生地が横行した結果だ。
例えばスーパー150の原毛を使用した糸で織り上げたのならそれは糸の本数、密度関係なく間違いなくスーパー150の生地だ。
スーパー表記はわかりやすい「売り」になる。
スーパー表記が同じでも生地の値段の高い、安いがあるのには、こうした理由がある。
こうした、スーパー表記は高いが密度が低く、糸の細い生地が体感的に耐久性がないと認識されるようになった結果、スーパーが高い生地は耐久性がないといわれるようになった。
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