2018年11月
ワイドカラー
ビジネスマンなら誰でも一度は聞いたことがあるであろうワイドカラー。
シャツの襟型の中ではスタンダードな形です。
名をワイドスプレッドカラーとも言い、レギュラーカラーよりも長めの襟羽、高めの襟腰。
襟の開き具合も、レギュラーカラーに比べると角度は大きめです。
ビジネスでは定番の襟型ですね。
かつてかのウィンザー公が愛した襟型であることから、ウィンザーカラーとも呼ばれます。
ただお店で「ウィンザーカラーが欲しい」と言っても通じないことがあるので要注意です(笑)
さて、とても安定感のあるこのワイドカラーシャツですが、ネクタイの結び方が気になるところ。
襟型によって相性のいい結び方があったりするので、迷いますよね。
ワイドカラーは基本なんでも良いんですが、ウィンザーノットはお勧めです。
上述したウィンザーカラーに合うようにと考えられた結び方ですから。
ワイドカラー×ウィンザーノット
襟の角度と絶妙なバランスのノット。
上品なVゾーンが構築できます。
一般的には、少し地味だとかつまらないなどと思われがちですが、全然そんなことありません。
シンプルで安定感もあり、かつ上品さも兼ね備える万能カラーなんです。
Corvoでも、スーツモデルにはこのワイドカラーシャツを採用しています。
HPにも多く写真を載せているので、合わせて是非ご覧下さい。
チェスターコート
19世紀、チェスターフィールド伯爵が初めて着たとされるこのチェスターコート。
正式にはチェスターフィールドコートと呼びますが、もうご存知の方は多いですよね。
スーツの上に羽織るコートには様々な種類がありますが、やはり一番かっこいいのはチェスターコートだと思うんです。
なんといってもシンプル。
ビジネスやタウンユースで着用する場合はこんな感じの仕様です。
釦が表に出ていて、カジュアルでも合わせやすく、カラーバリエーションも豊富です。
幅広く愛されていますね。
ただ、より本格的なエレガントさ漂うチェスターコートならこんな仕様になります。
前立ては比翼になっており、ボタンが隠れていますね。
スマートです。
そして上衿部分、ここがポイント。
ベルベット素材で仕立てられています。
上衿を何故ベルベットにするのか、歴史をひも解くととんでもない量の説明が必要になるので、それについてはまた改めて書こうと思います。
簡単に言うと、喪章の意味がありました。
貴族が、殺された同胞貴族に対しての喪章の意で上衿をベルベットにしたのが由来です。
要はその後、ベルベットが貴族の証として定着していったのです。
格式の高い場でも着用されています。
一口にチェスターコートと言っても、その仕様如何で姿を変える、とても魅力的なコートなんですね。
シンプルな物は奥が深いですが、チェスターコートもその一つでしょう。
お仕立ての際はそのあたりの仕様をお考えいただくと、羽織った時の感覚もまた一味違ったものになるはずです。
レディメイドでは中々目にする機会がありません、オーダーで拘るべき一着の一つですね。
冬のスーツ
だいぶ冷え込んできましたね。
街中ではダウンやコートを羽織っている方もちらほら。
といっても気づけばもう11月なので当然ですよね(笑)
ついこないだまで真夏日だったのがウソのような気がします、、
皆さんはもう冬服の準備はされてますか?
因みに近年スーツをオーダーされる方の大半が長シーズン対応の生地をご希望なので、冬場の気温対策はもっぱらコートといった感じです。
室内業務の多い方は、空調が効いてる分あまりに分厚い生地のスーツだと逆に暑いですからね。
しかし、この季節だからこそのフランネル地なども是非楽しんでいただきたいところ。
一着あればビジネス面においても気分転換になると言う方もいらっしゃいます。
例えばこちらのロロピアーナ「CASHMERE WISH - カシミヤウィッシュ-」
super170woolのcashmere混。
抜群の着心地に加え、軽く暖かい、今の季節には外せない生地です。
起毛感が好みでない方には、ウィンタータスマニアンがお勧め。
weightは重めですが、着心地はふんわりしています。
それぞれテイストがあるので、ご自身に合ったものをお選び頂けますよ。
オールシーズン、3シーズン生地の万能感は捨てがたいですが、ある程度着数が揃ってきた方はウィンターシーズン生地にも挑戦してみて下さい。
後忘れてはいけないのが、3Pスーツ。
冬のスーツはベストが楽しいですよね。
この時期にご来店頂く方にはもれなくオススメしています(笑)
これも楽しんで頂くため、、
とはいえ人それぞれ好みがありますから、自分だけの冬のスーツがあるといいですね。
これから本格的に気温も下がってきますが、寒さに負けず頑張りましょう。
スーパー170は耐久性がないのか?
私はスーパー170の生地を普段使い用のスーツとして使用している。
雑誌などを見ると「ビジネスユースならスーパー110まで」という文句を見る。
生地の耐久性を測るのなら、スーパー表記よりも番手と打ち込みだ。
当然、細い糸より太い糸の方が耐久性がある。
誤解されがちだが、スーパー表記はあくまでも、原毛の細さを表すもので糸の細さとは無関係だ。
スーパー200の生地でも去年の冬にガンガンきても何の問題もなかった。
しかし、細い原毛は確かに湿気に弱く、雨、汗などで毛玉ができやすい。そうした意味では耐久性がないのかも。
打ち込みは単位面積当たりの糸の密度だ。
糸の使用量が多く密度の高い生地は摩耗に強い。
なぜ、スーパー表記が高い生地が耐久性がないと認識されるようになったか。
原価を抑えるために糸の使用量を減らした生地が横行した結果だ。
例えばスーパー150の原毛を使用した糸で織り上げたのならそれは糸の本数、密度関係なく間違いなくスーパー150の生地だ。
スーパー表記はわかりやすい「売り」になる。
スーパー表記が同じでも生地の値段の高い、安いがあるのには、こうした理由がある。
こうした、スーパー表記は高いが密度が低く、糸の細い生地が体感的に耐久性がないと認識されるようになった結果、スーパーが高い生地は耐久性がないといわれるようになった。
仮縫いを
より細かく、満足度の高いスーツを仕上げようと思えば仮縫いという工程ははずせません。
納期が延びたり、費用が掛かったりとデメリットはありますが、お急ぎでなく予算にも余裕がある場合にはお勧めしています。
画像の様な仕上がりの途中段階です。
ここで寸法の再調整、好みの再確認、補正の微調整等を行います。
オーダー初体験の方は、この過程があると少し安心感も増しますよね。
しかし仮縫いを行わなくともお任せいただければお似合いの一着をお仕立て致します、より精度を高める場合は仮縫いといった具合でしょうか。
ここでしっかりと合わせていった後、本縫いに入るのですが、楽しみですよね。
仕上りのイメージが出来てしまっている分、わくわく感は半減するかと思いきやそんなこともなく。
「待ち遠しかった」とおっしゃる方ばかり。
我々としてもうれしい言葉です。
オーダーの際にはスタッフにご相談の上、一度経験してみて下さいね。