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代表コラム

なぜ革製品は高いものと、安いものがあるのか。

「この革はエルメスと同じものを使っています」といううたい文句をよく聞きます。

それは嘘でもなくほんとでもないです。

確かに一枚の革を仕入れ同じ革を使っているでしょう。

そうした製品が極端に安価である場合は、大概、その革の使用する部位が違います。

しかし、同じ牛からとれた一枚の革のどの部分を使うことが重要です。

たとえるなら、同じ牛からとれる肉でも、ロース肉、もも肉、シャトーブリアンでは値段が違います。

同じ松坂牛のひれ肉とすね肉では同じに肉とは言えないでしょう。

(単純に肉同様、うまいか、まずいかではなく希少性で高価という場合もあります。)

背側は目がしっかり詰っており、強度も、目が揃っていて美しいとされ商業的価値が高いとされます。

脇下、脚の付け根、腹側は目が不揃いで商業価値は低いです。

おおよそ、スーツに合わせるようなフォーマルな革製品を作る場合は背側のみを使います。

一枚の革のおおよそ7割ぐらい使い、あとは廃棄します。

その中でもエルメスは最も美しいとされる腰の部分を使います。 当然、歩留まり(使える部分の割合)は悪いから高価になります。

商業価値が高いからと言って必ずそれがよいとは言えないが、革選びの際は参考にされたいです。

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