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代表コラム

オーダーメイドのトレンチコートの取り扱い

今季よりトレンチコートを取り扱いを始めます。ですので今回はトレンチコートのご紹介。

トレンチコートはポロコート、タイロッケコートをベースに第一次世界大戦中に塹壕の中で闘う兵士の為にバーバリーによって開発されたと言われています。

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出典;https://isshomono.com/coat/post-5747

個人的にトレンチコートは初めてスーツ用に買ったアウターなので非常に思い入れがあります。

トレンチコートには各種の意味のあるディテールがあります。

ダブル(防寒性を重視)、肩の肩章(正確にはピストルの下げひもを掛けるもの)、胸のパッチ(ライフルの銃床が当たり擦れを防ぐため、またはすべての釦を閉じた際に雨水の侵入を防ぐものとも)、ベルトのⅮ環(手榴弾をぶら下げるもの)、背のパッチ(雨水の侵入を防ぐ)。

現在では簡約化されすべてのディテールが付属するわけではありませんが。

すべてのディテールをてんこ盛りにするとミリタリー感が強くスーツのアウターとしては馴染みにくいのは事実です。

簡略化もトレンチコートの時代に合わせた進化の過程でしょう

因みに、トレンチコートにコットンの生地が多いのは、塹壕は兵士が隠れる堀みたい穴なので、雨が降ると水浸しになるため、防水加工のコットン地のギャンバジンの生地が使われました。

トレンチコートのミリタリーな実用性を兼ねたデザインは機能美が評判となり戦後、余剰品が民間に流れ、冬用のアウターとして広まりました。

ちょっと古いですがトレンチコートは、お酒と並び大人の男性の象徴にも思えます。

映画「カサブランカ」でスーツにトレンチコートを着たリックが、紙巻タバコを鉛筆持ちし、グラスを捧げ、「君の瞳に乾杯」と言うセリフはあまりに有名です。 トレンチコートのベルトはウェストがシェイプされXラインが強調され、スタイルがよく見るため女性にも人気なコートとなる所以です。

最近は似た効果を目的に、チェスターコートにもベルトが付属するものが多くなっています。

仕立て職人にお願いしようにも、トレンチコートを作れる仕立て職人はほとんどいません。

ちなみに、トレンチコートはウールで作るのが今では定番化しています。 元がポロコートなのでウール生地で仕立てても違和感はないわけです。

20191013133625.jpeg出典;https://openers.jp/Gallery/1354219?gallery_page=142

ウール生地のトレンチコートはドレッシー感が出るので、ドレススタイルがお好きな方、スーツにも好相性。 最近ではバーバリーなどにてカシミヤ100%のものも出ています。

非常にドレッシーな印象で、こうしたコートが今後さらに流行るのではと思っています。

従来のオーダーメイドのトレンチコートは既成のラインを流用する場合が多いのです。そうした工房は、コットン生地のトレンチコートをメインに作る工房ですので、ウール生地と違い、コットン生地は熱可塑性がなく、アイロンワークの技術がなく、はなからアイロンワークを施さない工房が多いのです。

そうした工房で、ウール生地のトレンチコートを仕立てると寸法は合っているのにどこか、平面的なコートが出来上がるわけです。

アイロンワークの施されていないジャケット、コートはどこかチープな印象を与えます。

ほとんどのチェーン店ではインポート生地をスポンジングせずに縫います。

生地にも下拵えがあって、インポート生地は輸送中にねじれが生じます。

また日本の気候に合わせる為に生地に蒸気をあて生地のねじれ、水分量を調整します。

この工程をしないと使用中、経年の型崩れの原因となります。

現在、サンプルを製作中ですので出来上がり次第アップします。

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