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2019年11月

ゴージのお話

スーツ、ジャケットの顔は、ゴージ、ラペル幅、胸ポケットの位置でおおよそ決まります。

肩線とゴージが平行なものが多かったです。

ゴージとは上衿と下衿の縫い目のことです。

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お正月の「福笑い」のようにスーツはパーツの配置によって表情を変えます。

完璧なバランスの良い配置というのは時代ごとに変わり、それを取り入れスーツのトレンドは変化していきます。

また、あえて外すことでそれが店、ブランド、顧客のスーツの味となります。

ゴージの高い、低いは良くオーダーを受ける際に要望としてお聞きします。

案外、角度に注目される方は少ないです。

今季はハイブランドの提案するスーツの写真を見ているとゴージの傾斜がついたものが多いです。20191130155648.jpg

肩線と平行するスタイルはナポリのスーツに比較的多いです。

ゴージが高いものは若い印象、低いものはクラッシック。

傾斜のついたスタイルはエレガンスな印象になります。

今のエレガンスをスーツに求めるトレンドからそうしたゴージになったのでしょう。

スーパー200のスーツが完成いたいました。

実は一カ月ほど前に完成していました。

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サイズ感は仮縫い時に指示した通りピッタリです。

スーパー200の生地ということで光沢、滑らかさが段違いです。

ハンドメイドですのでマシーンメイドとはちがい職人の手仕事を感じさせられる仕様です。

縫い目に一針一針、職人の手仕事を感じさせられます。

ミシンで均一な縫い目と違い適度にゆとりを持った縫い目は芯地と生地、体に美しくフィットします。

立体感、特にパンツの脚にまとわりつく感じがフルハンメイド感を感じさせます。

「格子柄じゃなければもっとイセ込める。」 と職人さん。

格子柄は柄合わせを考慮してイセ量を制限されてしまいます。

次回は無地で仕立てようかなと思いつつ、店に持ち帰り、見ているといろいろ、違いを発見しました。

背側の首元に芯を入れ月皺がでないようにする手法は初めて見ました。

ちなみに月皺の原因は首が短い、首が後ろに沿っているなどです。

私の首を見て事前に対策をしてくれたのかな。(苦笑)

触った感じ襟芯の麻芯のような気がします。

今度職人さんに聞いてみようと思います。

ベストのラペルにも芯地をハ刺しで、張り込み、大きな襟を成型しています。

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袖釦が重ねになったのは職人さんの御愛嬌。(笑)

さすがに、サスペンダーのクリップで生地を挟むの気が引けるとサスペンダー釦で吊り込むようにしました。

憧れのオーダースーツ

歴史をすべて遡ってみれば、服というのはそもそも自分に合わせて仕立てるものでした。

 

それが文明も発展と共に、服の規格を作り、機械で作ったものを大量に売るようになり、オーダーの文化は

一部の人のものとなりました。

 

しかし今、様々な種類に分かれて発展したことにより、富裕層にしかできないと思っていたオーダースーツは、

どんな人にでも手が届くものとなりました。

 

ではオーダーの種類は何があるのか?ブランドによっても名前や認識に違いがありますが、 Corvoでの種類に

もう一つ加えた4種類についてご紹介していきます。

 

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①パターンオーダー

  早速Corvoでの取り扱いのない種類ですが、これはヌードの採寸を必要とせず、よって型紙の作成をしないことが

  他のオーダーと決定的に違うところです。

  Y体・A体・AB体などに分かれたブランド独自の既製の型紙を、CAMによって長さの微調整を行い、自動切り出し、

  機械縫いにて作ったもので、丈の詰め伸ばし(ブランドによっては胴回りも)が主な補正箇所となります。

  限定した部位の調整をするだけなので不格好なスーツになってしまう場合もあり、特殊な補正はできません。

  オーダーでは一番安価で、既製服に体型が合うが大きな丈の補正が必要な人や、

  既製の型でデザインを選びたい場合に向いています。

 

②イージーオーダー

  採寸をするようになるこの種類からCorvoはお取り扱いをしています。

  一般的にはパターンオーダーの進化系のような扱いで、採寸がない場合もあります。

  CAMの元となるデータを作ることができるCADで型紙の図面から調整をするため、補正の自由度が高く、

  肩のライン(なで肩・いかり肩)、出尻、平尻など一部の体型補正が可能となります。

  レーザーによる自動切り出し、機械縫い(工場によって自動化レベルは違う)で、

  標準くらいの体型の場合は、フィッテイングをしっかり行えば見た目にはフルオーダーに並ぶスーツが仕上がります。

 

③フルオーダー

  オーダーといえばこのフルオーダー。

  Corvoでも一番こだわっているラインであり、ブランドによってもそれぞれの特徴が存分に発揮されるラインです。

  ヌードの採寸を行い、手書きで顧客ごとに型紙を作成し、専門の職人による手裁断をするというのが

  『フルオーダー』の共通点でしょう。

  機械の制限にとらわれないので体型補正、デザインの自由度がかなり高くなり、体型が気になる場合や、

  ディテールにこだわりたい人にお勧めです。

  Corvoのこだわりは、縫いは手縫いと機械縫いを併用しており、動く箇所(曲線部)が手縫いとなっています。

  (袖付け、衿付け、ボタン付け、裏地付け、ゴージ、腰ポケット)

  袖付けは手縫い高級スーツの証であるロープドが選択可能で、また針穴の小さなボタンも手付けの証となります。

  直線部の縫製は機械縫いの方が綺麗なため、直線部やパンツは一人の職人が機械で縫い上げます。

  また、縫製段階で中間プレスを多用し立体的に仕上げます。

  職人による中間プレス(アイロンワーク)は生地は熱と蒸気を当てることで変形するという熱可塑性を利用し

  胸の高さ、袖の前振り、肩線、肩先のイセ量を確保し可動箇所にゆとりを確保することで、

  自然な立体感とフィット感を作り出します。

  良いとこ取りをすることでシャープかつ、可動部はハンドメイドで曲線線的でフィット感がありながらイセが

  ストレスなく着用できるよう、バランスに優れた仕上がりにしています。

  一般的に仮縫いをすることが多いのですが、Corvoはヌード採寸後ゲージ服にて補正するので仮縫い工程を削減。

  また、癖を見やすくしたり完成をイメージしやすくなるという点があります。

 

④フルハンドメイド

  フルオーダーの縫う工程をすべて手縫いにしたパターンで、柔らかい生地の風合いを生かす作りとなっています。

  具体的には、ハ刺し、ボタンホール、パンツ、ステッチも手縫いとなります。

  ハ刺しとは芯地と生地を糸で留めることで、これを「芯据え」とも言います。

  ジャケット一着に2000針も縫い込むという非常に手間のかかる作業です。

  ハンドで「芯据え」を行うメリットとは、手縫いによる適度な「ゆとり」により自然のラペル返りとなることです。

  しかし、手縫いは縫いが甘い分、機械縫いに比べ耐久性に劣り、直線部もがたついてしまうデメリットがあります。

  曲線的でハンドメイド感を味わえる暖かい印象のスーツを作りたい場合にお勧めです。

 

スキャバルの生地のご紹介

スキャバルは、スーツ好きなら口をそろえて「名門」と言う生地ブランドでして、ベルギーを本社としながら、英国にある多数の生地織元を傘下に置く毛織商社です。

 

質実剛健な英国生地には対照的とも思える、華やかで革新的なテキスタイルデザインが特徴です。

 

せっかく作るスーツを長く着たい。と、英国生地を選ばれる方は多くいらっしゃいます。

 

現在の織り方では、英国もイタリアもほとんど生地の違いはないといっても、やはり昔ながら英国生地に勝るものはないというイメージが強く残っています。

 

昔は、英国生地は経緯糸を双糸で、イタリア生地は経糸を双糸、緯糸を単糸で織り上げていました。

 

双糸だけで織り上げたものは重厚感のあるハリが出るのですが、これが英国生地はシワに強く、重く、堅いというイメージになっていったのです。

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コルヴォでは今季より、スキャバルの取り扱いを開始いたしました。

 

そしてこの【トルネード】というシリーズは先述した昔ながらの技法で織り上げられています。

 

目付も320gというヘビーウェイトで仕立て映えすること間違いありません。

 

実用性と目を引くデザインとを兼ね備え、生地の世界に新しい風を吹きこむスキャバルの製品を見ていると、心まで華やぐようです。

 

「スキャバル トルネード」

パソナルオーダー価格 ¥118000

フルオーダー価格 ¥148000

2019年AWのトレンドはさらに英国調へ

昨年のトレンドは継続して英国調と言われています。

今季はより英国調へと傾いているように感じます。

生地の流行で行くと生地感はイタリア、柄は英国に寄せたものが流行りというのが取れやすいかもしれません。

色味はグレーが多く、柄はグレーンチェックにオーバーペンといった格子柄が今季は良く出ます。

イタリア生地メーカーからはツイード生地の提案も多くあります。

かなり織が甘めのソフトのものが割と提案されています。

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スーツのディテールとしてはチェンジポケット、サイド尾錠といった英国由来のものを注文が増えています。

シャツにも英国調の流れがやってきています。

衿の開きはワイドからセミワイド、レギュラー、前立てあり、ダブルカフスというものが増えています。

ピンホール、タブカラーも雑誌ではよく見かけますね。

雑誌などの露出に比べ、一般には少々難しい組み合わせのようであまりオーダーは入りません。

衿と袖の生地を白の別生地にする、クレリックも再注目されています。

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私がこの業界に入った10年前はクレリックが多かったのですが最近まで全く出ませんでした。

生地もイタリア系の細番手の柔らかく光沢のあるものから、低番手の武骨なハリの生地も再注目されています。

コートに関していえば生地をたっぷり使った長め丈のものがトレンドです。

ベルトを付属させたコートが今季のトレンドです。

軽やかな仕立ては継続したトレンドです。

流行は追う必要もありませんが、避ける必要もありません。

なにか一つ取り入れるだけで、いつもと違う新しい着こなしが見つかるのでは?

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上質なコートのススメ

ただいま、コルヴォではオーダーメイドコートフェア―を開催しています。

詳細はこちらから

コートフェアにちなんでコートの話題へ

コートって防寒の意味合い以外に「ステータスシンボル」という意味合いがあります。

男性のステータスシンボルは車、腕時計、スーツといったものがあげられます。

車が発達するまではその役目をコートが担っていました。

「日本でも車社会になるまではカシミヤのコートを男はみんな、一着は持っていた。」

と60過ぎたテーラーは口をそろえて言います。

車社会になって防寒の必要性も薄れ、コートの需要は減ったと。

「休日におしゃれして、(男性は)カシミヤのコートを着て百貨店、レストランに行ったものだ。」

「昔は、500g以上の目付の重い(コート生地)のが多かった。

いまは軽くて風が吹くとバタバタする安っぽい生地が多い。」

「一着、給料の2~3か月分するコートでも良く売れた。」

と馴染みのテーラーさんはよく口にされます。

昔ながらに、上質な厚手のロングコートはいかがでしょうか。

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