憧れのオーダースーツ
歴史をすべて遡ってみれば、服というのはそもそも自分に合わせて仕立てるものでした。
それが文明も発展と共に、服の規格を作り、機械で作ったものを大量に売るようになり、オーダーの文化は
一部の人のものとなりました。
しかし今、様々な種類に分かれて発展したことにより、富裕層にしかできないと思っていたオーダースーツは、
どんな人にでも手が届くものとなりました。
ではオーダーの種類は何があるのか?ブランドによっても名前や認識に違いがありますが、 Corvoでの種類に
もう一つ加えた4種類についてご紹介していきます。
①パターンオーダー
早速Corvoでの取り扱いのない種類ですが、これはヌードの採寸を必要とせず、よって型紙の作成をしないことが
他のオーダーと決定的に違うところです。
Y体・A体・AB体などに分かれたブランド独自の既製の型紙を、CAMによって長さの微調整を行い、自動切り出し、
機械縫いにて作ったもので、丈の詰め伸ばし(ブランドによっては胴回りも)が主な補正箇所となります。
限定した部位の調整をするだけなので不格好なスーツになってしまう場合もあり、特殊な補正はできません。
オーダーでは一番安価で、既製服に体型が合うが大きな丈の補正が必要な人や、
既製の型でデザインを選びたい場合に向いています。
②イージーオーダー
採寸をするようになるこの種類からCorvoはお取り扱いをしています。
一般的にはパターンオーダーの進化系のような扱いで、採寸がない場合もあります。
CAMの元となるデータを作ることができるCADで型紙の図面から調整をするため、補正の自由度が高く、
肩のライン(なで肩・いかり肩)、出尻、平尻など一部の体型補正が可能となります。
レーザーによる自動切り出し、機械縫い(工場によって自動化レベルは違う)で、
標準くらいの体型の場合は、フィッテイングをしっかり行えば見た目にはフルオーダーに並ぶスーツが仕上がります。
③フルオーダー
オーダーといえばこのフルオーダー。
Corvoでも一番こだわっているラインであり、ブランドによってもそれぞれの特徴が存分に発揮されるラインです。
ヌードの採寸を行い、手書きで顧客ごとに型紙を作成し、専門の職人による手裁断をするというのが
『フルオーダー』の共通点でしょう。
機械の制限にとらわれないので体型補正、デザインの自由度がかなり高くなり、体型が気になる場合や、
ディテールにこだわりたい人にお勧めです。
Corvoのこだわりは、縫いは手縫いと機械縫いを併用しており、動く箇所(曲線部)が手縫いとなっています。
(袖付け、衿付け、ボタン付け、裏地付け、ゴージ、腰ポケット)
袖付けは手縫い高級スーツの証であるロープドが選択可能で、また針穴の小さなボタンも手付けの証となります。
直線部の縫製は機械縫いの方が綺麗なため、直線部やパンツは一人の職人が機械で縫い上げます。
また、縫製段階で中間プレスを多用し立体的に仕上げます。
職人による中間プレス(アイロンワーク)は生地は熱と蒸気を当てることで変形するという熱可塑性を利用し
胸の高さ、袖の前振り、肩線、肩先のイセ量を確保し可動箇所にゆとりを確保することで、
自然な立体感とフィット感を作り出します。
良いとこ取りをすることでシャープかつ、可動部はハンドメイドで曲線線的でフィット感がありながらイセが
ストレスなく着用できるよう、バランスに優れた仕上がりにしています。
一般的に仮縫いをすることが多いのですが、Corvoはヌード採寸後ゲージ服にて補正するので仮縫い工程を削減。
また、癖を見やすくしたり完成をイメージしやすくなるという点があります。
④フルハンドメイド
フルオーダーの縫う工程をすべて手縫いにしたパターンで、柔らかい生地の風合いを生かす作りとなっています。
具体的には、ハ刺し、ボタンホール、パンツ、ステッチも手縫いとなります。
ハ刺しとは芯地と生地を糸で留めることで、これを「芯据え」とも言います。
ジャケット一着に2000針も縫い込むという非常に手間のかかる作業です。
ハンドで「芯据え」を行うメリットとは、手縫いによる適度な「ゆとり」により自然のラペル返りとなることです。
しかし、手縫いは縫いが甘い分、機械縫いに比べ耐久性に劣り、直線部もがたついてしまうデメリットがあります。
曲線的でハンドメイド感を味わえる暖かい印象のスーツを作りたい場合にお勧めです。
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.sartoriacorvo.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/785