ネームバリュー、ブランドに惑わされない、スーツ生地選び
今日、依頼していた修理の靴を取りに
靴の修理屋さんとの会話で
僕が
「実は奮発してJ社(某イギリス最高峰の靴メーカー)のストレートチップを 一足買おうかなって考えてます。」 と言ったら
「やめた方がいい」
いわれてしまいました。
「J社の靴に20万出すなら、今谷口さんの履いてる靴の方が良い」
僕の靴はリーガルが展開する高級ラインの「シェットランドフォックス」のケンジントン。
5年ぐらい前に買って、7万弱。
今調べたら7万7千円。
「シルエットも、つくりもこっちの方が良いよ。ほら、土踏まずの部分もこっちの方が細いし、手が込んでるはこっち」
「J社も10年前と今の靴では別物。
大手の傘下ブランドになって収益重視でつくりは簡略化された。」
なるほどとと、
「高い靴はある一定のラインを超えるとデリケートになって使い勝手が悪い。たまに履くぶんにはいいけど」
と教えていただきました。
なるほどと納得しつつ、スーツ生地にも同じことが言えます。
スーツ生地、靴、車もなんでも評価されるブランドにはそれなりの理由はあります。
一部の人を除いて、そうしたブランドに価値を見出す人もいるでしょうが、
やはり大事なのはモノと値段とのバランス。
スーツ生地は デザイン性+品質+耐久性 の三つの大きな要素があると思っています。
最近はどこも、コロナによるスーツの需要の不足、円安から生地の値段も上がってきています。
昔は良心的だった生地ブランドも、今は「?」という生地ブランドも。
同じ生地でも2倍の値段になったものも。 またスーツ生地はある程度の値段を超えるとデリケートになり普段使いできません。
普段使いするならスーパー100~170(原毛の細さを示す指標)のライン。
普段使いするならスーパー110ぐらいまでという仕立屋、ネットの記事も見受けられますが、
今の紡績技術も上がっているので、モノにはよりますがスーパー170でも普段使いできるモノもございます。
普段使いするスーツなら10万~20万のラインのスーツがオススメ。
ちょっと奮発して30万も出せば、良いモノは買えます。
ウール以外にシルク、カシミヤ、ビキューナなどの混毛のデリケート素材になるとより一層。
パーティー用の一着、 スーツを各シーズン20着と持っているような方なら普段使い可能でしょうが、
週に二回とか使ってしまうと生地にダメージが出てしまいます。
中にはこのようなデリケート素材を使用した、120万円のスーツを購入されるお客様もいらっしゃいます。
充分説明をしたうえでご購入していただいております。
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