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2012年3月

ドレスシャツは白が王道!!

 オーダースーツ・シャツをせっかく作るのなら人と違うものをなんて思う方も多いでしょうが、時には王道に戻ってみるのはいかがでしょうか?
 
 これからの季節はクールビズの影響でジャケットを脱ぐ機会が多くシャツが人目に触れる機会も多いでしょう。
 
 もともとドレスシャツは白が基本でした。ホワイトシャツがドレスシャツと同義でワイシャツと日本で呼ばれるのは昔のドレスシャツに白いものしかなかったからです。
 
 柄の入ったシャツがスーツの下に着られるようになったのは二十世紀前半に入ってからなんです。
 
 戦前の英国の皇室は現在でもそうですが、ファッションを先導する立場でした。ファッションリーダーかつ洒落者で有名な英国皇室のウィンザー公(エドワード8世)がはじめだともいわれています。(本当にそうなのかは諸説あり謎ですが。イギリスから始まったのは確実だそうです。)
 
 生まれがイギリスであるためかイギリス人は柄シャツを好んでスーツの下に着ます。どちらかというとイタリア人はあまり着ませんね。
 
 そんなこんなでとりあえず、白いシャツは正統派なんです。(笑)
 
 まぁ、経営側から見ればクールビズはオーダースーツを売り出す立場からすれば、天敵いがいの何者でもありませんが時代がそれを望むのなら消費者にそれを提案しなくてはなりませんね。(笑)夏はシャツ、ジャケットとパンツ凌ぎましょうかね。

レジメンタル、ストライプタイのちがい!

 レジメンタル、ストライプタイって縞模様のネクタイと認識されていますが実は縞の上がり方によって区分があるんです。
 
 レジメンタルタイは自分から見て左上がりでストライプタイは右上がりという区分があります。
 
 もともと、レジメンタルは連隊(軍隊の隊の構成単位)という意味なんです。レジメンタルタイは連隊を識別するための軍旗の柄がネクタイの柄になったとも言われています。
 
 ヨーロッパ、イギリスは左上がりのレジメンタルタイが多いです。
 
 現在でもイギリスでは柄によって帰属する集団(会社、学校、サークルなど)をしめすなど、そうした名残があります。
 
 アメリカはブルックスブラザーズをはじめとするアメトラブランドから提案されるのはストライプタイが多いです。
 
  ヨーロッパと逆なのは大陸に対するアメリカ特有の反骨精神?と聞いたこともありますが謎です。
 
 Corvoのオーダースーツはイタリア調ですからレジメンタルタイを合せてくださいね。そこまで気づく方はいないと思いますが。(笑)

高級インポート生地は湿気に弱い!

 高級インポート生地は総じて湿気に弱いです。
 
 生地は水分を含むと必ずシワが出るものなんですが特に高級インポート生地はよりそれが顕著に現れます。
 
 オーダースーツって高いお金を払うと「耐久性があってシワに強い」スーツが出来上がると勘違いされているお客様がいますがそれは誤解です。
 
  髪の長い方、女性の髪も梅雨時期になるとボサボサになりますよね?当然、生地も一般に髪と同じ獣毛で織られていますので湿気を吸い伸び縮みします。そうするとシワが出るのです。
 
 インポート生地は当然ながら外国で織られています。当然、日本と湿度が違います。その関係からまたシワが出ます。
 
 Corvoのオーダースーツの場合は縫製の前に生地を日本の湿度に合わせるように縮絨という作業を施します。これは生地に含まれる水分量を日本の湿度に合わせるために蒸気で処理する工程をさします。また、生地を保管、輸送する際にでたねじれを修正する意味もあります。
 
 Corvoのオーダースーツの納期が通常のオーダースーツ店より長いのはこうした処理を手間を掛け施すためです。御理解いただけたら幸いです。
 
 また、高級生地と言うのは総じてsupper120~などの細い繊維で細い糸を紡績します。表面積も大きくなりますので湿気を吸いやすくなります。
 

ダブルカフスは実はフォーマルではない!

 最近、結婚式のためにオーダースーツ、シャツを注文されるお客様が多いです。貸衣裳ではサイズが合わないとオーダースーツをご注文の方も。
 
 少し前までは結婚式と言えば礼服のブラックスーツかダークスーツを着て出席される方が多かったですね。最近は普段のスーツをお召しになって出席される方の方が多いですね。
 
 個人的な思い出なのですがはじめてオーダースーツ屋に行ったのは父の礼服を作りに行くのに付いて行った時でした。いまはaokiに吸収合併された「トリイ」でした。
 
 オーダースーツをご注文された際によくお客様からご質問を頂くのですが「どんなシャツに合わせたらいいのか?」ということですが、特にルールはありません。
 
  しかし、出席者の方はあくまでも結婚式は新郎、新婦が主役ということを念頭において奇抜なコーディネートは避けられたほうがいいでしょう。スーツを派手目の生地にされたらシャツは白になど全体のバランスを見つつ選ばれるといいでしょう。
 
 ちなみによく「シャツの袖はダブルカフスがいいの?」と聞かれます。ダブルカフスはフォーマルな印象があるようです。しかし、本来は堅く糊づけされシングルカフスが正統です。
 
 ちなみにダブルカフスはフレンチカフスとも言います。フレンチのフレンチスタイルというのは略式という意味も含みます。
 
 しかし、結婚式にモーニングコートに合わせるシャツはダブルカフスが今は一般的ですね。
 
 ちなみにフレンチキス(日本では唇が触れ合うぐらいの接吻と解釈されていますが、本来の意味は日本人のイメージするディープキス)という言葉がありますよね。フランス人って日常的にキスをあいさつ代わりにするそうなんです。それをみたイギリス人が揶揄して「フランス式のオープンなキス」として生まれた言葉だそうです。
 
 フレンチスタイルと言うと略式のものを指すのはフランス人に対する印象が関係があるかもしれませんね。
 
 また、フォーマルウェアーにあわせるシャツの場合は昼は白蝶貝の釦、夜は黒蝶貝の釦にするのが一般的です。

個人的にお勧めの生地ブランド

 個人の主観でお勧めの生地ブランドを御紹介させていただきます。オーダースーツを作られる際に参考にしていただけら幸いです
 
 手頃でコストパフォーマンスの良い生地ブランドならCANONICO(カノニコ)、JOHN FOSTER(ジョン・フォスター)、FRATELLI TALLIA DA DELFINO(フラッテリ・タリア ディ・デルフィノ)でしょう。
 
 カノニコは以前からブログでも何度もご紹介させていただいていますが、イタリアの生地メーカーで大量生産によるメリットをいかし他ブランドに比べて圧倒的にコストパフォーマンスがいいです。またトレンドをおさえった生地も多く年齢問わず、人気です。
 
 あまり、一般に知名度はありませんが、ジョン・フォスターは英国の生地メーカーで創業から200年を迎えた英国生地メーカを代表する老舗です。品質にたいして値段が非常に手頃なので世界中のアパレルメーカーの方に定評があります。イギリス生地ですので張りと耐久性があるのでよく出歩かれる営業の方などにお勧めしています。
 
 ここも知名度はありませんが、フラッテリ・タリア ディ・デルフィノは高級生地しか生産しないイタリアの生地メーカーです。素人好みと言うよりは通好みの生地が多く、サルト、テーラーから定評があります。最近は品質の良さがようやく認知され、取り扱うサルトリアも増えてきました。また、ストライプなどにひねりを利かしたものが多く他のブランドにはないような柄の生地が多いです。また、キートンやブリオーニーなどの最高級プレタブランドに生地を提供していることで有名です。
 
 また、オーダースーツを作られ際は着用状況によってもその生地の相性がありますのでご相談していただけらと思います。

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チーフを挿そう!

 実はイタリアのスーツって胸ポケットの位置が低いんです。
 
 オーダースーツって一括りにされがちなんですが、そのブランド、店のシルエットが色濃く出るのが胸ポッケトです。
 
 バルカといって船底のように弧を描いたようなものはイタリア調、箱ポッケトっといって平面なものはアメトラ、英国調を意識しています。雑誌などでこのあたりは良く紹介されているのであえって紹介するまでもないのですが。
 
 あまり知られていないのはポケット位置なんです。イタリア人はチーフを英国人より少し多めに出すためにポッケト位置を低くします。服飾評論家の落合正勝氏がいうには英国人は2㎝、イタリア人は4㎝程度出すといいますがこの辺は個人差があると思いますが、総じてイタリア人は多めに出します。
 
 また英国人は几帳面に畳むときに角を合せたりしますが、イタリア人は総じて無造作に突っ込むようにして挿します。お国柄の違いですね。
 
 また、こなれた感じを出すために新品のチーフを軽く握る人もいるそうです。
 
 個人的にスーツにチーフを挿すとそのオーダースーツが二万円ぐらい高く見えるような気がします。(笑)
 

コットンスーツは万能選手

 LEONを読んでいても今季も昨年に引き続きコットンスーツを押し出していますね。
 
 コットンスーツと言うのはアメトラ調に合せていただき、レジメンタルタイ(縞模様のネクタイ)と麻シャツ、もしくはボタンダウンのシャツ、ローファーとの相性が抜群です。どちらかと言うとカジュアルよりのスーツです。靴にスニーカーを合せてみるのも面白いかもしれません。とはいえ、革靴を併せていただいてビジネスシーンでの着用も可能です。
 
 また、ジャッケトとして単品で、パンツ単品としてもお使いしていただけるので使い回しも利きます。
 
 コットンと言うのは伸び縮みのしないのでサイズが合いにくいので既製スーツではあまり見かけませんね。
 
 コットンスーツを昨年、私もオーダーしましたが言うほど実際、涼しくありません。とはいえ、流行に乗ってみるもまたファッションの楽しみですね。また素材を楽しむのもまたオーダースーツの楽しみですね。
 
 Corvoではシングルオーダースーツで68000円(税別)で多数の生地をご用意しています。
 

オーダースーツの体型補正とは?

 パターンオーダースーツって人間の縦横の寸法に合わせて、袖丈、着丈、ウエスト、胸周りを決めて作っていくと思われがちなんですが、最近のパターンオーダースーツは進化しています!
 
 人って採寸しているといろんな姿勢、体型をしています。猫背、はと胸であったり、なで肩であったり、平尻であったり、千差万別です。縦横の寸法を変えただけでは体に合ったスーツとは言えません。
 
 最近はコンピューター管理されたCADシステム?(違う名前だったような気もします)というものがあって肩の傾斜が強い(なで肩)人はその肩に沿うような補正を型紙に加えることができるんです。
 
 脚が張り、お尻が張った人は出尻という補正で型紙をお尻が張ったようにしパンツもお尻が張った形にします。最近はやたら出尻のお客様が多い気がいたします。(笑)
 
 なで肩の補正を例にするとたとえば背中にハの字のシワが出ていたら、なで肩などとシワの出方で採寸師が判断します。
 
 「俺はなで肩何やけど」というお客様いらっしゃいますが、基本的にはゲージ服に対してなで肩かなどの体の癖を見ます。気をつけ頂きたいのはオーダースーツは体に沿わせすぎるとかえってシルエットが美しくない、動きにくくなるときがありますのであえて補正をいれないこともあります。
 
 もし、からだの癖などで気になる点がありましたら採寸時に気兼ねなくおっしゃていただければと思います。
 

アイロンワークとは?

 Corvoのオーダースーツの特徴としてあげられるのはアイロンワークによる前身頃の胸の美しさでしょうか。
 
 通常、オーダースーツというのはプレス機で縫製が仕上がった段階で形を整えます。
 
 生地ってアイロンの熱と蒸気を加えると驚くほど生地が変形していくんです。Corvoの場合はその性質を利用して縫製段階で何度もアイロンの熱と蒸気で生地を立体的にするために何度も何度も掛けます。
 
 また、高温のアイロンでこの処理をすると早く処理はできるのですが、一時的に生地は立体的になるのですが、すぐに元の平面に戻ってしまうので低温のアイロンでゆっくりと、時間を生地を立体にしていきます。
 
 この処理は時間と手間がかかりますが、この処理をすることによって長く美しい胸のラインを形成します。
 
 また、ふくらはぎにも同様の処理を施すこともあります。特にふくらはぎの張った方は細身のパンツのような裾口を狭いものを履くと生地がふくらはぎにあたりますのでこの処理は重要になります。

スーツにはブラッシングを

 せっかく購入していただいたオーダースーツはできるだけ長く着ていただきと思います。着用状況にもよりますが、大事にしていただいたらCorvoのオーダースーツは夏物では五年は冬物では十年は着ていただけます。型も伝統的なシルエットですので時代遅れにもなりません。
 
 今日はお手入れの方法について書かせていただきます。
 
 まずは、ブラッシングです。どうしてもスーツには見えない埃、ゴミが付着します。100円ショップで売っているブラシでもかまいませんので毛並にそってやさしくブラシをかけてください。
 
 また、ポケットの中もブラシをかけてゴミを取り除きましょう。パンツの裾をダブルにしていると折り返しの部分にゴミがたまっているのでそれも取り除きましょう。
 
 次にシワなんですがシワはスーツを霧吹きで軽く湿らせていれば、しばらく置いておくと大体は消えますのでそれで対処しましょう。(正直、夏物はシワは消えにくいです。また、接着芯を使っているスーツは接着芯が剥がれてくるので水で濡らすのはやめたほうがいいです。)
 
 またスチームアイロンで蒸気をかけてやると脱臭もされるのでいいでしょう。
 
 また、クリーニングなんですができれば回数を減らしていただき、水洗いでお願いしたいです。ドライクリーニングは生地に含まれる油分を取ってしまいますのでできれば避けていただきたいです。また冬物はシーズン終わりに一回、夏物はシーズン中に一回、シーズン終わりに一回のめどでお願いします。
 
 せっかく、オーダーしていたいただいたオーダースーツを少しでも長く着れるようにお手入れの参考になれば幸いです。
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