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コルヴォ名古屋・大阪ブログ

光沢

 光沢のある生地は三、四年ぐらい前にずいぶん流行りましたね。
 
 「光沢のある生地=いい生地」のような感じにさえ見受けられました。オーダースーツ店も光沢のある生地を挙って仕入れていましたね。
 
 生地に光沢を出すやり方は様々なんですが一つは圧力を加えることです。
 
 学生時代に制服のお尻や肘がテカテカになった方は多いでしょう。(笑)あれはウールにある毛羽立ちが体重や擦れで寝てしまい光が反射するようになるのが原因です。原理は同じです。
 
 それを解消するには毛羽立ちを起こせばいいのです。スチームアイロンをかけ、ブラシでウールの目と反対にごしごしすればてりは収まります。
 
 このやり方はきわめて強い光沢になります。
 
 もう一つのやり方は生地を紙で挟んで電気を流し一晩寝かすやり方です。
 
 原理は何度か業者の方から教わったのですがよく分かりませんでした。このやり方は金属のような鈍い光沢になります。
 
 話を聞いていると各オーダースーツ店では光沢のある生地をとのオーダーは今も多いそうですが、最近は光沢は各生地業者も落とし気味だそうです。不景気の影響か長く使いまわせるオーソドックスのものが今はトレンドだそうです。

英国生地は耐久性がある理由

 夏はツーパンツにされる方が多いです。オーダースーツ店を経営する側からしたら単価が上がりうれしいことですが、お客様からしたら出費が嵩み嫌ですよね。
 
 お客様がツーパンツを渋られたとき、そんなときは英国生地ブランドの「JOHN FOSTER」「Savile Clifford」をお勧めしています。
 
 まず夏物は通気性を求められるため薄く、糸の打ち込み(密度)を減らします。ですからどうしても冬物のような厚手の生地に比べ擦れやすく、穴が開いたりします。 
 
 イタリア生地と英国生地は近年は明確な違いはなくなりつつありますが「JOHN FOSTER」「Savile Clifford」は昔ながらの英国生地の特性を持っています。
 
 英国生地と言うのはイタリア生地に比べ糸が太く、打ち込みがいい(密度が高い)ものが多いです。また双糸、双糸といって二本の糸を撚って一本にした双糸という糸を使っているので耐久性があります。そのぶん、堅い感触になりますが、擦れ、シワには強いです。
 
 オーダースーツを作られる際は是非、着用状況などお伝えください。一番、環境にあったものをお勧めさせていただきます。
 
 ちなみに英国生地でも「チャールズクレイトン」などは比較的、イタリア生地のような柔らかいもの多いので一概に英国生地だから丈夫だとは限りません。

ガゼットは縫製技術が低かった時代の名残

 シャツの脇からしたの裾の部分についている当て布のことをガゼットといいます。ホームベース型、三角型などいろいろな形があり、最近のシャツにはよく入っていますね。
 
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(Corvoの場合は三角です。ガゼットにオリジナル刺繍が入ります。)
 
 もともとはほつれに対する補強の意味合いがありましたが現在はシャツを出した際のアクセントとしての意味合いが強いですね。
 
 最近のオーダースーツもオーダーシャツも縫製の質が上がってクリーニングに出しても、洗濯してもほつれたりはめったにしません。
 
 昔はミシンではなく手で縫うことが多かったのでよくほつれたりしました。ですので補強が必要でした。
 
 よくハンドメイドはいいといいますが、強度の面でいえばミシン縫製の方が優れています。また、仕立て際の縫いズレなどはハンドメイドの方が出やすいです。ですのでハンドメイドのオーダースーツでもパンツの側線など縫う長さが長い場所はミシンを使います。

希少な生地は縫製しにくい

 Corvoにフェアー用のバルベラの生地が入ってきました。百貨店の各高級オーダースーツサロンに卸す物を特別にCorvoに卸していただいたものです。
 
フェアー情報 http://sartoriacorvo.com/?p=804
 
 実はこうした希少な生地というのは、繊維が細く14.5㎛(super180に相当)という極めて細い繊維ですので肌触りがいいのいいのですがミシンの針の通る圧力でシワが出てしまいます。技術を持った縫製工場は紙を挟んだりとかいろいろな手法でそれを回避します。
 
 オーダースーツというのはそうした希少生地になればなるほど技術の良し悪しによって仕立て栄えに大きな差が出ます。
 
 Corvoの縫製工場はそうした生地の縫製を得意としています。
 
 「生地ブランドのみを売りとするオーダースーツ店にこうした希少生地は預けたくない」ものということで生地屋さんが特別にCorvoに卸してくださいました。なんだかCorvoの仕立てがだんだんと業者の方々も認められ初めてきたようでうれしく思います。

カルロ バルベラについて

 CorvoにCARLO BARBERA(カルロ バルベラ)の生地が入荷しました。
 
 バルベラというのは生地の品質としてはLolo Pianaに比肩する最高級生地ブランドです。バルベラの生地を扱っているのは限られているのでその知名度は品質に対して極めて低いです。
 
 高級テーラー、百貨店のオーダースーツサロンには限られていますが取り扱いはあるのですがsupper180クラスの取り扱いとなると日本ではおそらくCorvoのみでしょう。そもそも、supper180クラスの生地が市場に出回ること自体、稀です。
 
 生地屋さんのご厚意でCorvoにゴールデンウィーク期間のフェアーに合わせ入荷させていただくこととなりました。
 
 バルベラとはイタリアの生地生産地のビエラ地区の中で最も川上に位置し伝統的手法と綺麗な水を使った上質な生地作りをしています。
 
 バルベラの大きな特徴は糸を紡績した段階でそれを寝かします。岩を刳り抜いた倉庫で温度、湿度を安定させた場所で寝かすことによって紡績の段階で余計に掛かったテンションに捻じれを修正し糸本来の特性を取り戻させます。
 
 この機会に最高品質の生地で上質の仕立てでオーダースーツを作られてはいかがでしょうか?

Corvoのオーダーシャツ

Corvoのオーダーシャツの質はどれぐらいなのか、気にされるお客様が多くいらっしゃいます。
 
 生地はイタリア生地を中心に一流メーカーのものを使用しています。インポートブランド生地なので、他店のブランド生地と差はありません。
 
 他のオーダースーツ店、ブランドのオーダーシャツとの違いは仕立てにあります。
 
 芯地はイタリアのシャツの縫製と同じように柔らかく肌になじむようフラシ芯にしています。
 
 また、裁断面が肌に直接、触れぬよう本縫いになっています。
 
 襟、袖口も人体をなぞるように曲線を描いています。
 
 スプリットヨーク、ガゼット、貝釦などディテールはもちろん施しています。
 
 もっとも大きな違いはオフセットという袖の後付です。以前もブログでご紹介しましたがオフセットの加工を日本でしているのはほとんどありません。
 
 日本国内のマシーンメイドでは一番いいお仕立てをしています。

高級ブランド生地の格安スーツのからくり

 インターネットなどで見ているとロロ・ピアーナの既製スーツが「55000円」、ゼニアのスーツが「39000円」などと格安の価格で売られていますね。お客様からも「どうしてそのようなことができるのか?」「偽物ですか?」と御質問を頂きます。
 
 ロロ・ピアーナもゼニアもオーダーで百貨店で買えば安くても150000円以上は必ずしますよね。Corvoと同じレベルの仕立てならもっとするでしょう。いくら既製といえども不思議がられるのも無理はありません。
 
 ロロ・ピアーナもCorvoでオーダースーツの仕上がり価格で88000円~198000円、お客様が御所望なら数百万っていうものまで同じ生地ブランドの中でもいくつもの価格帯のレーベルがあります。
 
 価格が価格なのでいいレーベルの生地でもなく、いい縫製はしていないのですが、彼らの使っている生地は(大半は)はロロ、ゼニアの偽物の生地ではありません。本物です。
 
 ロロ・ピアーナ、ゼニアの中でも比較的手頃の価格帯の生地を使っています。それでも安すぎますよね。
 
 彼らの生地は正規ルートの生地ではありません。海外ブランド等が既製用に大量に仕入れて余った不良在庫生地の端切れを安く仕入れているのです。
 
 またオーダー用の生地と既製服用の生地って同じレーベルでも違うも生地の質なんですよ。(業界のタブーなんですが)オーダー用の生地と既製用の生地の場合、生地ネーム(生地ブランドのタグ)の色が違うんです。あれはオーダー用と既製用を分けているだけでなく品質の違いのためです。生地ブランド至上主義の弊害でしょうか。
 
 非正規ルートですからロロの営業の方がブランド維持のためにいつも摘発で忙しくしています。中には東証一部上場の紳士服企業でも非正規品を扱っているところもありますね。
 
 自分はあまり生地ブランドには拘りません。触って、見ていい生地だと思ったらその生地で仕立てます。私がロロピアーナをお勧めするのはいい生地を作るからです。けしてブランドの知名度があるからではありません。
 
 この業界は知れば知るほど、ブランド≠質、価格≠質でもなく何を信じたらいいのか訳がわからなくなりますよね。(笑)

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ブランド≠質

 Corvoはオープンから半年のまだ生まれて間もない新興ブランドです。
 
 どうしてもCorvoのオーダースーツの質の面では遥かに高いレベルの仕立てをしていてもブランドの先行イメージで他店、他ブランドのオーダースーツと比較され「~(ブランド名)のスーツはもっといい仕立てだった」と言われご購入していただけないことがよくあります。
 
 常にそうしたとき自ブランドのオーダースーツの質をお客様にお伝えすることができなかった自分自身の力不足に忸怩たる思いを抱きます。
 
 どうしてもオーダースーツと言うのは出来上がった製品を羽織っていただかないとその着心地、シルエットが分からないものです。
 
 Corvoのスーツの価格の面からいうと68000円の物でも百貨店で安くて倍の十五万以上、海外ブランドでは三倍以上します。十万を超えるラインのものになれば既成のスーツでは取り扱っていないでしょう。オーダーならとんでもない価格になります。疑われる方もいるでしょうが、ネットでこんな嘘を書けません。(笑)
 
 また、スーツと言うのは単に工業製品ではありませんので「格好良く」てはなりません。型紙も当然、こだわっています。
 
 Corvoの型紙はイタリアの数々の最高級ブランドのスーツの型紙を日本人の体型に合うようファクトリーの職人、経営陣が考証を重ね、十年前に起こされました。十年経った今でも手を加えずとも全く古さを感じさせないシルエットです。
 
 オープン時にCorvoのブランドとしての型紙を選ぶ際、工場の中で色々の型で作ったスーツを見せていただいたのですが、そのスーツ(現在のCorvoと同じ型紙)がまさか十年前のスーツとは思いませんでした。
 
 自ブランドのスーツを自画自賛するわけではないのですが、世界的に見ても型、仕立ての面においてCorvoのスーツと言うのは遜色ありません。
 
 物と言うのはお金を出せば良いものが買えるというわけではありません。特にこのアパレル業界と言うのはその傾向が強いです。どうしてもこの業界はブランドイメージが先行しがちで本来の質の面が疎かにされがちです。
 
 名実ともにCorvoが最高級スーツブランドとして多くの方々に認知されるようブランド力を作り上げなくてはなりませんね。

イタリアとイギリスのスーツの違い(芯の止め方)

 イタリアの オーダースーツは柔らかい、イギリスのオーダースーツは堅いとよく形容されますがそれは構造の違いによって生み出されます。
 
 雑誌を見ていると毛芯が違うと書いていますが、実際には毛芯の種類というよりもどう留めるかにあります。
 
 イタリアのスーツは見頃の部分の芯はフラシます。糸で留めません。縫い上げる際は躾糸で留めますが、仕上がりの際は外します。この工程を芯据えといいます。
 
 ※見頃というのは前身の胸より下の裾の部分です。
 
 イギリスのスーツは見頃の部分の芯をしっかりと生地に糸で留めます。当然、生地に芯が張り付いているので堅いジャケットになるわけです。
 
 この芯と生地をつなぎとめる工程をハ刺といいます。
 
 日本のテーラーではこのハ刺の工程が多ければいいスーツと認識されがちで、イタリアの柔らかい生地にでさえ見頃にこの工程をします。工程が多ければいいというものでもないのに…
 
 また、ほとんどのオーダースーツ店、ブランドでは見頃にハ刺を入れる工程を省いたものをブリティッシュ調のスーツとして売っています。
 
 通常のパターンオーダーでここまでの違いを出すのは不可能でしょう。真のブリティッシュ調のスーツをもとめるならハンドメードになるわけです。
 
 
 
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(芯据え)
 
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(毛芯)

シャツの釦付け

 良いシャツの見極めの続きなんですが、いいシャツというのはボタンをつける際、根巻きといい少し高さを持たせています。こうすることによってボタンが留め易くなっています。
 
 スーツに関しても同じことが言えます。
 
 また、裏返してボタンの留め糸を見ると綺麗になっているのは手付けです。(Corvoのシャツは一部手付けです。オーダースーツはすべて手付けです。)
 
 あと、ボタンってシャツでも使う場所によって大きさが違うんですよ。
 
 襟の第一ボタン、剣ボロのボタンやボタンダウンのシャツなら襟先のボタンは小さくなっています。
 
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