コルヴォ名古屋・大阪ブログ
ロロピアーナ新作紹介
大阪店がオープンし、一週間がたちました。
ここで改めてCorvoの主力であるロロ・ピアーナについてと代表的な生地コレクションの 特徴についご紹介していきたいと思います。
ロロ・ピアーナは1924年、イタリアのピエモンテ州ベルチェッリ県クアローナで、最高級カシミヤと最高級ウールを扱う生地メーカーとして創業されました。
ベルチェッリ県の隣には数々の生地メーカーの工場が建つ高級織物産地として有名なビエラ県があり、ロロ・ピアーナも名門生地メーカーとしてその名を連ねています。
ロロ・ピアーナがここまでのメーカーとなれたのは「最高の製品のみを保証する」というポリシーがあり 「ミル」という、工場や織機を所有し、糸の原料である繊維の生産から毛糸の紡績、服地の織布といった生産を主とする毛織物工場の枠だけでなく 布地の流通、さらにオリジナルの洋服、小物の製品化まで自社で一貫して行うSPAという業態をとり、そのクオリティを維持しているからです。
オリジナルの製品は、洋服や小物をメンズだけでなくレディスやキッズ向けにもさまざまなアイテムを展開しており、 ラグジュアリーなトータルファッションブランドとして世界のハイクラスな方々から愛されています。 高い生地と言えばSuper●●'s表記、と形容してもいいほど高級生地ブランドは原毛の細さに拘り、滑らかさと艶を追及しているものですが ロロ・ピアーナの生地のなめらかで柔らかい手触りと、しっとりとした上品な艶は他のブランドからも一線を画しており スーツに詳しくない人にも、触れるだけでその高級感が伝わるでしょう。
また、ロロ・ピアーナは細番手ゆえの凝った織り方をした繊細なテキスタイルデザインも魅力です。
同系色だけで織り上げるのではなく、色糸をポイントとして入れることで深みが出、また馴染みやすさも兼ね備えます。
チェック柄が特にロロ・ピアーナらしさが出やすく、遠目からは無地に見間違えるようなマイクロチェックがおすすめです。
TASMANIAN Super150's Wool このタスマニアンは、ロロ・ピアーナの名前が世界に広まるきっかけとなった、代表作ともいえるシリーズです。
上質なSuper150'sのタスマニア産メリノウールを100%使用し、最新テクノロジーによって織り上げると 柔らかい手触りと艶に加え、耐久性、防シワ性などの実用性も兼ね備えた仕上がりになります。
さらに蒸発性があり、重さも250gと軽いため、オールシーズン着用いただけます。
柄は代表的なシリーズということでカラーバリエーションが多く、ロロ・ピアーナらしいデザインが多くあり、 もちろん定番のデザインもありますが、柔らかみのある絶妙な色味で作られています。 生地の性能、デザインから、日本のビジネスシーンに一番馴染むコレクションと言えるのではないでしょうか。
WISH Super170's Wool WISHとはオーストラリア産のスーパーファインメリノウールの中でもSuper170'sという極細の原毛を100%使用して織り上げられた ロロ・ピアーナのなかでも最上級に位置するシリーズです。
カシミヤに匹敵するとも言われる、肌に吸い付くような柔らかい風合いと、それからなるドレープ感は 着る人の格を上げ、ここぞの勝負スーツとして活躍してくれるのではないでしょうか。 WISHの生地見本が先月より新しくなったのですが、前回まで270gだったのが260gへと軽くなりよりオールシーズン向けへ。 肌触りは少しシャリ感が出たことから、糸の撚りをさらに強くしたことが分かります。
柄も元々タスマニアンと比べると落ち着いた色柄が多かったのですが、新作はより色糸を使った生地が増え ロロピアーナらしさが顕著になったように感じます。
前作より耐久性が上がり、柄の馴染みやすさも含め通常のビジネスシーンに合うようにもなりました。
Wool & Cashmere FLANNELS 最高気温を出すかという季節にご紹介するのは気が引けるのですが、冬の生地にも変化がありました。
いかにも冬用の生地、という起毛したフランネル生地となっているこのシリーズ ウールの丈夫さ、暖かさという要素を軸にして、 カシミヤの配合は5%ではありますが、特徴のぬめり感のあるしなやかさも表現された生地となります。
柔らかくもしっかりした生地ですから、仕立て上げればドレープが美しく出て、品よく優しい印象になります。 デザインは冬用と言っても暗い色のみに落ち着かず、ロロ・ピアーナらしく多色混ぜ込んだり、ポイントの色使いで重くなり過ぎないようになっています。
今回の新作は紫の色糸を使ったデザインがあり、遊び心を持ちつつも優雅で高貴な大人の男性を演出してくれます。
大阪店リニューアルオープンのお知らせ
大阪店リニューアルオープンのお知らせ 8/1より、ヒルトンプラザイースト4FにてCorvo大阪店をリニューアルオープンしております。
また、ご購入いただいたお客様にはささやかながらプレゼントをご用意いたしました。
お知らせページ( http://www.sartoriacorvo.com/contents/2019/07/post-97.php )
営業時間は11:00~20:00、年中無休へ変更となっております。
お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りくださいませ。
パターンオーダーとフルオーダーの違い。
なかなかわかりにくい違いで仮縫いがあるかどうか、などの誤解を生んでいます。
パターンオーダーはキャドシステムというソフトを使いベースの型紙に修正を加えます。
フルオーダーもベースの型紙は、マスターゲージと呼ばれるものを使っています。
マスターゲージに修正を加えるという点でパターンオーダーとの差異はありません。
ざっくり言ってしまうと型紙を起こすときパソコン上で行うかの違いです。 ではなぜ、フルオーダーは一般に良いとされるのか?
それは対応範囲の差です。 人の手で型紙を引いた方が体型補正などの調整は、きれいに上がります。 キャドシステムはどうしても定められた項目の補正内容を打ち込み、機械的に補正をおこなうので複雑な補正だと違和感が出ることがあります。
(それでも精度は十年前に比べ断然上がっています。)
キャドシステムも指示さえしっかり出すことができれば、フルオーダーに引けのとらない皺のない、スーツが上がります。
ちなみに一般に胸、腰ポケット位置、前肩、後ろ首などの補正は内容まで指示を聞いてくれるパターンオーダー工房はないようです。
指示を出せるかどうかは採寸師の腕によるところが大きいのですが、、
ハウスモデルに自信を持っている店舗、ブランドはパターンオーダーを採用します。 またはそのブランドの形が好きだという方はパターンオーダーの方がハウスモデルのシルェットの再現率は高いです。
どうしてもフルオーダーは顧客の体に合わせるので、シルェットはブランドの提案するハウスモデルからは離れていきます。
補正を入れなければ再現率は高いです。ですので、フルオーダーのお店でもハウスモデルの再現率を高めたい場合にはあえて補正を入れない場合もあります。
最近のスーツはなで肩気味ですので、ブランド品、セレクトショップのオーダーメイドスーツでも背中に逆ハの字のシワ、月皺が出ていることが多いですね。 補正をいれ、皺を極良くなくすことにこだわるフルオーダーも、顧客の要望に臨機応変に対応すべきですね。
スーツのシルエット
自分に合った、スーツのシルエット選びってなかなか難しいですよね。
フォーマル度が高く、ビジネスシーンに向く、信頼を得るスーツの形は「ブリオーニ」の型が典型です。
割とテーラーでもブリオーニの型を参考にしている職人は多いです。
英国スーツみたいに固すぎず、畏まった感じが適度で平均的でベースにするには良いからです。
コルヴォも創業時はブリオーニの型を参考にしたものを使用していました。(現在は使っておりません。)
南伊(南イタリア)系のスーツはどちらかといえばカジュアルな形です。
フォーマル度の高いスーツの具体的な特徴は、
① 長い着丈
② 広い肩幅
③ フロントカット(一番下のボタンから裾の開き)が閉じ気味。
④高いVゾーン
⑤緩い腰の絞り
となります。
割と③のフロントカットは重要でスーツの印象を左右します。
政治家、固い職種、営業職の方は割とこうした形を好みます。
カジュアルに着たい方はこの逆にすればカジュアルなスーツになります。
(出典https://www.brioni.com/jpから)
ディテールとしては
① ピークドラペル
② チェンジポケット
③アメフラシ袖
を追加していけばカジュアルな印象になります。
ご自身の好み、これから自分自身に合ったスタイルを見つけたい方は参考にされてはいかがでしょうか?
夏の暑さを凌ぐ、麻素材(リネン)
最近、注目度が増している麻。
まだカジュアルな世界での流行のようです。
ちなみに麻にも種類があり亜麻のものはリネンとも呼ばれます。
1970年代まで麻は夏のビジネススーツとしても一般的でした。 カンカン帽に開襟シャツに生成りのスーツ。映画などで見たことあるでしょう。
現在では麻のスーツはビジネスの場では独特のシワ感があり、色落ちしやすいこともあり、生成り、白といった色味が多く、敬遠されがちです。
空調設備の整てっていない昔は少しでも涼しくということで麻も許容されていたのでしょう。
麻は、通気性、吸湿性に優れ、気化熱によって涼気を得られます 。
機能性に対しても、見た目は強い光沢があり、透け感と、独特の光沢で清涼感があります。
洗濯すればするほど柔らかく馴染み、白くなるという経年変化の魅力があります。
専門な話ですが一般的に夏物生地は通気性を確保するために、平織りで薄いので、光沢、質感、強度が落ちます。素材自体に光沢があり、強靭な繊維の麻は重宝されます。
麻の魅力とウールのメリットを兼ねた混毛生地も多くありますので、ぜひお試しを。
(麻とコットンの混毛生地のシャツ)
四月に入りジャケットも
こんにちは。
気づけばもう四月ですね。
新社会人の方々は仕事が始まってもう二週間になるところでしょう。
新たに何かを始める方が多い時期でもあります。
また新年号も発表され、五月より「令和」となりますね。
平成生まれとしてはなんだか不思議な感覚です。
慣れ親しんだ「平成」という年号が薄れていくようで、、
しかし個人的に「令和」という響きは好きです。
どういった時代になっていくのか、どういう時代にすべきなのか、個人としてはどう生きるべきなのか、一度考えてみるのもいいかもしれません。
時代の節目というのはある意味で自分を見つめなおすいい機会でしょう。
スーツも新調したいところですね(笑)
さて、四月に入りだいぶ暖かくなってきました。
まだ油断できない日もありますが、、
アウターはそろそろ出番が亡くなりますね。
軽めの装いの準備をしなければなりません。
もうすでに準備されてる方も多いかと思います、ご来店頂くお客様からもパンツのみであったりジャケットであったりといった注文を頂くここ最近です。
ジャケットに関してはオフで着用できるカジュアルなものからビジネスシーンに適したものまで幅広く。
どちらかと言えばオフで着用できるジャケットの注文が多いように思います。
奥様と食事に行く際には特に大活躍ですね。
私服で何を着ればいいかいまいち分らないといった方にもジャケットはお勧めです。
仕立ての段階で個人に見合った一着になりますから、ハズすことがありません。
これからの季節であれば、中にリネンシャツを着てより軽さを出してもいいでしょう。
物足りなければネッカチーフを巻いてみたり。
ジャケットの色柄を軸にコーディネートするだけですから、もちろんアドバイスもさせて頂きます。
せっかくなのでオシャレは楽しみたいですよね。
平成最後に自分らしい一着を仕立ててみてはいかがでしょうか。