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代表コラム

なぜ革製品は高いものと、安いものがあるのか。

「この革はエルメスと同じものを使っています」といううたい文句をよく聞きます。

それは嘘でもなくほんとでもないです。

確かに一枚の革を仕入れ同じ革を使っているでしょう。

そうした製品が極端に安価である場合は、大概、その革の使用する部位が違います。

しかし、同じ牛からとれた一枚の革のどの部分を使うことが重要です。

たとえるなら、同じ牛からとれる肉でも、ロース肉、もも肉、シャトーブリアンでは値段が違います。

同じ松坂牛のひれ肉とすね肉では同じに肉とは言えないでしょう。

(単純に肉同様、うまいか、まずいかではなく希少性で高価という場合もあります。)

背側は目がしっかり詰っており、強度も、目が揃っていて美しいとされ商業的価値が高いとされます。

脇下、脚の付け根、腹側は目が不揃いで商業価値は低いです。

おおよそ、スーツに合わせるようなフォーマルな革製品を作る場合は背側のみを使います。

一枚の革のおおよそ7割ぐらい使い、あとは廃棄します。

その中でもエルメスは最も美しいとされる腰の部分を使います。 当然、歩留まり(使える部分の割合)は悪いから高価になります。

商業価値が高いからと言って必ずそれがよいとは言えないが、革選びの際は参考にされたいです。

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カフスボタン

カフスと腕時計は 「男に唯一、許されたアクセサリー」 と言われる。

最近は指輪、バングルやブレスレットを着ける方も多い。

本来許されるのはカフス、腕時計のみだ。

それゆえに指輪、バングルやブレスレットは「男がと」、賛否がある。

もともとはスーツは貴族の富の象徴であった。 絵画に見るような釦の多くついた貴族服は富の象徴であった。

貴族たちは自らの富を示すために釦も貴金属に宝石、象嵌をあしらったものを好んだ。

現在のスーツで金属釦は一般的ではない。

釦に代わって、腕時計にもそうした文化が残っている。

もっぱら、現代では自らの富というより、社会性を示す意味合いが強い。

おめかしをした女性が、男性がデートにスエットスーツで現れたら怒るように、男社会では雑なスーツスタイルで相手に接することは失礼に値する。

(男性が女性に腕時計に大枚を払うのを不思議がられるが、男にはそうした事情があるのです。)

現在はカフスは腕時計に比べ蔑ろにされがちだ。 ダブルカフスは中世のシャツには芯がなく折り返し、二重にして強度を持たせる実用的な意味合いがあった。

カフスボタンはその留め具として生まれたが、やがて釦、同様に豪華さが競われるようになった。

腕時計が一般的になったのは第一次世界大戦後だ。

本来のカフスの社会的地位を示す、ステイタスシンボルとしての役目が腕時計にとってかわられた。

特にクラス意識の高い英国、特に上流階級ではシングルカフスのシャツはフォーマルではないとみなされる。

英国では紳士の嗜みとして、高価なカフスボタンは、祖父から父へ、父から子へと受け継がれる。

スーツに拘るのなら、カフスにも拘りたい。

 

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ハイエンドへの挑戦

ハイエンドへの挑戦 アパレル企業の経営者に限らず、自社、自ブランドの向上を目指し経営にあたっているものと思う。

『いち早く「憧れを持たれるブランド」にするには何が必要?』 とアパレル業界の経営者に質問したら、

「商品」 「顧客サービス」 「販売網」 「PR・マーケティング戦略」 「資金調達力」 「人材」 「社会的な信用」

多くの回答があると思う。 Corvoは零細企業だ。現実には大手を同じやり方をしても負けは見えている。

大手に比べ、環境的に劣るのは自覚している。

「商品」「顧客サービス」「人材」 は規模によらずに、大手と勝負できる。 特に重要なのは「商品開発力」と思う。

特にハイエンドの「最高品質の商品」を取り扱うというのはそれだけで、ブランドにとって特別な価値を持つ。

そうした構想は創業当時からあった。

「Corvoはスーツを中心とした最高品質の商品の集合体」を目指している。

今季から取り扱いの始まる、革製品も委託製造で、国内の信頼できる職人に製造にこだわった。

「ハイエンド商品」の開発に注力する。でも今までの商品は値上げの予定はないので安心してください(笑)

ゼニスの総手縫いのスーツ。 販売予定定価は75万~。

クロコダイルの総手縫いのダレスバッグ。 販売予定価格200万~300万。

を発表予定だ。

 

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2018年秋冬のトレンド

クラシック回帰、英国調が基調だ。

スーツをトレンドに合わせて、スーツを買い替えるのは現実的ではない。

それにトレンドのアイテムのみでコーディネートするとセルフイメージを失い面白くない。

トレンドをうまく組み入れるのはアイテム一つ組み入れる程度の方が良いと思う。

おおよその今のトレンドのアイテムを記す

スーツ…柄はチェック、チョークストライプ、肉厚で英国生地を使ったもの。ただし仕立ては軽め。チェンジポケット、パンツも股上深め、サイド尾錠などのクラシックな仕様。

コート…カシミヤ、ウールのチェスターコート、トレンチコート

シャツ…襟の開きは小さくなりつつある。カッターウェイから現在のトレンドはワイドカラー、レギュラーカラー。ラウンドカラーとクレリックの組み合わせ。ピンホールシャツ。

ネクタイ…レジメンタルタイ、プリントタイ

バッグ…重厚なブリーフケース、口金式のダレスバッグ

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スーパー170は耐久性がないのか?

私はスーパー170の生地を普段使い用のスーツとして使用している。

雑誌などを見ると「ビジネスユースならスーパー110まで」という文句を見る。

生地の耐久性を測るのなら、スーパー表記よりも番手と打ち込みだ。

当然、細い糸より太い糸の方が耐久性がある。

誤解されがちだが、スーパー表記はあくまでも、原毛の細さを表すもので糸の細さとは無関係だ。

スーパー200の生地でも去年の冬にガンガンきても何の問題もなかった。

しかし、細い原毛は確かに湿気に弱く、雨、汗などで毛玉ができやすい。そうした意味では耐久性がないのかも。

 

打ち込みは単位面積当たりの糸の密度だ。

糸の使用量が多く密度の高い生地は摩耗に強い。

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なぜ、スーパー表記が高い生地が耐久性がないと認識されるようになったか。

原価を抑えるために糸の使用量を減らした生地が横行した結果だ。

例えばスーパー150の原毛を使用した糸で織り上げたのならそれは糸の本数、密度関係なく間違いなくスーパー150の生地だ。

スーパー表記はわかりやすい「売り」になる。

スーパー表記が同じでも生地の値段の高い、安いがあるのには、こうした理由がある。

こうした、スーパー表記は高いが密度が低く、糸の細い生地が体感的に耐久性がないと認識されるようになった結果、スーパーが高い生地は耐久性がないといわれるようになった。

カシミヤについて

10月になっても名古屋は最高気温が30度前後もあってコートの準備がまだという方も多いのでは?

スーツに合わせるコートといえばチェスターコートが王道だ。 コルヴォでもオーダーを受け付けている。

今月内に注文いただいたらおおよそ12月中旬には仕上がるので検討中の方はお早めに。

チェスターコート用の生地として一般に有名なのはカシミヤ、ウールだ。

珍しい物ではビキューナ、キャメル、チンチラなどがある。 今日はコートの中で最もポピュラーなカシミヤについてご紹介する。

カシミヤはカシミヤヤギからとれる原毛を使用している。 首下の原毛が希少とされる、一級品として扱われる。

また、白度と言って原毛が白ければ白いほど高価となる。

白いカシミヤはホワイトカシミヤと言って希少性が高い。

特にベビーカシミヤと言って生後6か月後のカシミヤ山羊から採取さる原毛用いたものは希少で肌触りがよく、最高級とされる。

カシミヤ混またはカシミヤ製として格安で出回っているコートのカシミヤは成体の白度の低いものだ。

やはり上質なカシミヤのオーダーコートとなれば15万はしてくる。

また今季はちょっとゆったりした、着丈の長い(膝下ぐらいまで)のものが流行だ。

私事だが、私も今季のコートのオーダーを入れていなかった。

ロロピアーナのゼニスにベビーカシミヤの白があったので今季、自分用に注文した。

私の身長170㎝に着丈115㎝(膝下半分ぐらい)にダブルでプリーツありの贅沢なデザインにした。 通常コートの場合生地は2.5mだが、このコートは3mを必要とする。

同じ仕様のコートなら、コルヴォの定価で50万する。これでもラグジュアリーブランドなら300万近くするので良心的だと思っている。(笑)

ラグジュアリー感がすごく漂うコートになると楽しみだ。(笑)

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女性受けするスーツ

高級スーツを買うと奥様に何かといわれる方もおおいのでは。

男が着飾るというのは女性を意識した行為である。

イタリア人、特にラテン系のナポリは女性を口説くために命を懸ける。着飾るというのその一環なのだ。

ナポリのスーツは派手な色が多い。

英国では女性を立てるために男性は着飾る。

なので英国のスーツは、主張の少ないオーソドックスなスーツだ。

英国では女性が着飾る場では男は引き立て役なのだ。

裏を返せば男性がスーツにこだわらないという事は女性を軽んじていることになる。

女性に人気のオーダーメイドスーツ2018104171939.jpg旦那に浮気心を頂いてほしくないのは世の奥様方のおもいだ。

奥様のためにも男性はお洒落に気を使うべきだ。

そうすれば高級スーツ買っても文句を言われることはない。(と思う)

腕時計

久しぶりに腕時計をはめてみた。

2018919144016.JPG初めて買ったアンティーク時計。

思入れのある腕時計。

雑に扱ったので硝子ケースが傷だらけ。時計ファンに怒られそう。(笑)

ワイシャツについて

ワイシャツとはホワイトシャツの略で、日本で意味されるスーツに合わせるシャツ全般は海外では正式に「ドレスシャツ」と呼ぶ。

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日本では一般にスーツの優先度に比べシャツは消耗品とみなされ、落ちる。

海外ではシャツ専門の一流ブランド、専門店が存在する。シャツ専業でも商売が成り立つだけの需要があるというわけだ。スーツの需要減少が叫ばれる日本では、驚くばかりだ。

それだけにドレスシャツへのこだわりも強いのだ。

私は、スーツ(スーツスタイル)はセンスを競うものではないと考える。

一部のデザイン重視のスーツを除き、本来、スーツによって纏うべきものは「品格」「風格」「貫禄」ではなかろうか?

ラグジュアリーブランドの扱うシャツはデザイン性を重視しすぎていて通常のビジネスユースに向かない。

「シャツはジャケットに隠れるから」とサイズ感の合わないものを着る人。

シャツはオーダーをお勧めする。

やはりスーツスタイルはアイテムの総和と整合で決まると思う。 可能であれば、シャツはスーツの代金の少なくとも1割はかけるべきだろう。

「消耗品だから」とすり切れたものを着る人。

一流ブランド生地のスーツに擦り切れたシャツを着ている方は案外多い。

身綺麗な人に「品格」はついてまわる。

 

スーツばかりにこだわってみても、それはよいスーツスタイルにはならない。

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腕時計の話

今回は20代の人向けに。

私が20代のうちにやっておけばよかった後悔することがある。

20代のはやいうちに、「腕時計」を買うべきだった。

私は車移動で基本、店舗で業務を行うので時間を確認することに困ったことがない。

時間を確認するという、機能のみで語るなら私に腕時計は必要なかった。

度々、人に「いいスーツ着ているなら時計をつけろ」といわれても気にしなかった。

「襤褸を纏えど心は錦」という言葉もあるが、今ではそれは「錦を纏える人」が言う言葉であると思う。

男がビジネスの場でコミニケーションツールとなるのは「ゴルフ」「酒」という。

今は家庭を大事にする中堅層(40代~50代)が多く、ゴルフが今後コミニケーションツールの場としての優先度は落ちると思う。

私はお酒を飲まない。飲めないことはないが、どちらかといえば甘いジュースが好きだ。

主観だが高所得者ほど喫煙者が多いと感じる。健康面もあって賛否が分かれるが、間違いなく愛煙は人脈形成には役に立つ。(最近は愛煙家は肩身が狭い、迫害された者同士妙な連帯感を感じる。)

 

201862123857.jpgスーツや、革靴に無頓着なアッパー層は多い。

私の感覚値ではスーツまでに気を使っているのは2~3割ぐらいだ。(スーツ屋としては残念だが、)

「ロロピアーナ」「ゼニア」、「エドワードグリーン」を知らなくても「ロレックス」「オメガ」を知らないビジネスマンはいない。

例外なく、腕時計はどの世代にも通用する「コミニケーションツール」にもなる。

例えばアッパー層の集まる場で、あなたが「オメガ」の腕時計をしていたら、声をかけられずとも、印象には残るはずだ。

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commons.wikimedia.orgより

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