コルヴォ名古屋・大阪ブログ
チェンジポケット
ジャケットの右前身頃につく上段のポケットの事です。
諸説ありますが、その名の通りchange-小銭-を入れるポケットであったことからチェンジポケットと呼ばれます。
着丈が長めのブリティッシュテイストスーツと相性が良く、オーダーする場合は悩むポイントの一つですね。
90年代の強い英国調トレンドを思い出す方もいらっしゃるのでは。
もっと強めにスラントも加えてある場合も、当時は多くあったそう。
今とは違う当時の時代性を加味したスーツのテイスト。
その時代も経験してみたかったです。
ちなみにご存知ない方は、決して余計で過度なディディールではなく、現在では押さえておきたいところなのです。
腰も高く見えますから。
スーツだけでなく、コートやジャケットでも拘れるポイントです。
いつもと変わったスーツを作りたい場合、入れてみてはいかがでしょうか?
スーツの釦
スーツを仕立てる際、中々侮れない釦。
水牛・ナット・練り・くるみ・貝・メタルなど。
素材も多く、色柄も豊富です。
例えば天然素材だと、模様はそれぞれ異なります。
天然物の良さですね。
染色性に長けるナット釦であれば、色の選択肢は幅広いです。
どの素材であれ、それぞれの特徴を生かして合わせていきたいところ。
Corvoでご用意している釦は、水牛とナット。
本水牛
ナット
スーツデザインや使用シーンに合わせてお選び頂きます。
結構迷うポイントになるので、中々決まらないこともしばしば。
基本的にビジネススーツだと、合わせる靴の色を参考にすると良いでしょう。
お仕立てが濃紺無地のスーツ、靴はブラウンで合わせる予定の場合、釦はブラウン系で統一。
最も簡単にバランスが取れます。
因みに堅めのビジネススタイルの場合は、スーツ生地の色に最も近い釦色にすると無難ですね。
また同じ釦でも、艶ありの光沢ある釦、艶消しのマットな釦、二種類あります。
高級感を出すなら艶あり、落ち着きあるスーツにするなら艶消し。
細かな違いがスーツ全体の印象にもつながります。
カフスボタン
カフスと腕時計は 「男に唯一、許されたアクセサリー」 と言われる。
最近は指輪、バングルやブレスレットを着ける方も多い。
本来許されるのはカフス、腕時計のみだ。
それゆえに指輪、バングルやブレスレットは「男がと」、賛否がある。
もともとはスーツは貴族の富の象徴であった。 絵画に見るような釦の多くついた貴族服は富の象徴であった。
貴族たちは自らの富を示すために釦も貴金属に宝石、象嵌をあしらったものを好んだ。
現在のスーツで金属釦は一般的ではない。
釦に代わって、腕時計にもそうした文化が残っている。
もっぱら、現代では自らの富というより、社会性を示す意味合いが強い。
おめかしをした女性が、男性がデートにスエットスーツで現れたら怒るように、男社会では雑なスーツスタイルで相手に接することは失礼に値する。
(男性が女性に腕時計に大枚を払うのを不思議がられるが、男にはそうした事情があるのです。)
現在はカフスは腕時計に比べ蔑ろにされがちだ。 ダブルカフスは中世のシャツには芯がなく折り返し、二重にして強度を持たせる実用的な意味合いがあった。
カフスボタンはその留め具として生まれたが、やがて釦、同様に豪華さが競われるようになった。
腕時計が一般的になったのは第一次世界大戦後だ。
本来のカフスの社会的地位を示す、ステイタスシンボルとしての役目が腕時計にとってかわられた。
特にクラス意識の高い英国、特に上流階級ではシングルカフスのシャツはフォーマルではないとみなされる。
英国では紳士の嗜みとして、高価なカフスボタンは、祖父から父へ、父から子へと受け継がれる。
スーツに拘るのなら、カフスにも拘りたい。
ダレスバッグ
「ダレスバッグですね」
ビジネススーツに合うバッグを挙げる時、その名を聞かない事はありません。
ダレスバッグとは、大容量の口金式バッグの事をさします。
縁が山形、口が大きく開き、荷物の出し入れがとてもスムーズ。
ビジネスバッグの代表的な存在でもあり、広く愛されるダンディなバッグですね。
持つだけで得られる貫禄、持つだけで感じる向上心の高まり。
所有することでステータスとなるビジネスバッグはそうありません。
ビジネスマンの憧れでもあるバッグです。
因みにダレスバッグという名前は、日本でしか通用しない呼び方なんです。
にも関わらず、由来となったのは米国のとある人物。
第52代米国国務長官 ジョン・フォスター・ダレス。
遡る事70年ほど前、戦後日米安保条約が結ばれた時期、彼は多方面に大変影響力を持った人物でした。
日本にとっても、それは例外ではありません。
日米安保条約にも深く関わり、当時の米国を代表する人物でもありました。
そんな彼は米国国務長官でありながら反原爆派であり、日本の復興に協力的で理解があったのです。
日本人の中には敬愛していた人も多かったそう。
ダレスのある来日の際、口金式のバッグを持っていたことがきっかけで、それはダレスバッグと呼ばれるようになり国内に広まっていきました。
名前が名前だけに馴染むのも早かったのでしょう。
こういった背景があったので日本での呼び名はダレスバッグになりましたが、欧米諸国ではロイヤーズ、ドクターズバッグと呼ばれます。
その名の通り、弁護士や医者の持つバッグであるイメージ。
海外出張の際には気を付けたほうが良いかもしれません。
さて、そんなダレスバッグですが実はCorvoでも取り扱いを始めます。
ビジネスバッグの源として、Corvoはダレスバッグを採用しました。
日本発祥のスーツブランドとして、職人手縫いに拘り、入念に準備をしております。
以前ブログでも書きましたが、フェミニンテイストなバッグが多く出回る現在において、ダレスはクラッシックで男臭く持ちにくいと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、是非一度見にご来店ください。
時代の流れに左右されることのない、素敵なダレスに触れて頂きたいと思います。
撮影会も行いますので、一足先にHPで発表致予定です。