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コルヴォ名古屋・大阪ブログ

行きつけの店

私が小学生の頃、アニメの「サザエさん」でかつお君が波平さん、マスオさんが行きつけの店があるのをうらやましがるという話を見たのを覚えています。
 
子供ながらに大人とは行きつけの店を持っているものだと感じました。
 
ことに私自身、スーツを本当に楽しむのならスーツをご購入されるお客様は行きつけと呼べる店を持つべきであると思います。
 
よほど経済的余裕のある方でなければスーツを購入される着数は年に多くて3着程度だと思います。
 
「Corvoから浮気をするな!」というわけではありませんが、やはり気に入ったシルエット、仕立ての店を見つけることができたら、やはりそこを行きつけにすべきであると思います。
 
また店自体がお客様に対し「このお客様は顧客であるとの意識」をより持つべきだと感じます。
 
私が考えるに、その店で金額を多く使っているからと言ってその店は行きつけの店とは言えません。
 
テーラーはオーダメイドスーツがはビスポークと言われるほど「会話」を大事にします。
 
パターンオーダーなら数あるゲージの中から、ゲージを選び、あとは寸法を取ってお会計、ですが自由度が高いテーラーはどんな型にも出来るのでお客様の趣味趣向、仕事にふさわしいの型はどういったものなのか、会話の中で汲み取り形にしていかなくてはなりません。
 
イメージがしにくいのが、まさにフルオーダースーツの最大の欠点であり、どこまでも自由がきくという利点であり欠点である部分をいかにお客様のイメージに近づけ、喜んでいただくか、テーラーの仕事というのは奥が深いものがあります。
 
テーラーを楽しむ醍醐味は店に入った瞬間にフィッターが「〇さん」と声をかけられ、「スーツを一着ほしい」と伝えると予算、生地の好みも言わずにさっと生地を出され、ライトの下で色味、光沢、質感を確認していただき生地を肩から掛け、出来上がりをイメージする。
 
よいフィッターは言わずともお客様の好み、予算を把握しているものです。(笑)
 
肩にかかった生地を鏡で見ながら店員に「この生地は細番手でドレープ性に富み」などの薀蓄を聞きつつ、棚にかかった生地を指を指し「あれも肩にかけて」といいながら生地を物色する。
 
「自転車通勤でスーツを着用」「仕事以外でスーツを着用」など使用状況に合わせフィッターも、それに合わせベストな生地、シルエットを提案する。
 
ときには購入の予定がないお客様がふらっと立ち寄られて、お茶を飲みながらスーツ談義を楽しむ。
 
時には過去に購入されたもの、他店で買われたスーツ、パンツの修理の依頼を受ける。
 
時には「こんな裏地ないの?」「こんな生地は?」などの要望にも対応させていただく。
 
信用のおける、テーラーとはお客様にとっての駆け込み寺でなくてはなりません。

セレクトファブリック

10月19日まで
 
開催店 大阪・神戸店  2P仕立て価格¥118000→¥88000円
 
 
 
 
 
Corvoでは毎シーズン、素材、色味、柄を厳選したオリジナルファブリックをご用意しております。
 
一括仕入れをしておりますので、リーズナブルにご提供させていただいております。
 
今季はカルロバルベラを主に取り揃えました。
 
カルロバルベラの生地ははあえて細番手にひける良質の原毛(super130)を中番手にすることで生地がふっくらした感じに仕上がります。
 
また、糸にする段階にかかったテンションを抜くために湿度、温度が一定の倉庫で糸を寝かせ、生地にするという独自の製法をとっています。
 
こうした製法ゆえ、「カルロ・バルベラ」の供給する生地には独特の質感があり多くのスーツファンを魅了しています。
 
 
 
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暑くないフランネル

最近は大阪も寒くなり私も夏用の布団から冬用の布団に変えようかと思案中です。
 
夏から冬への装いの中で最も一般的なのがフランネルです。
 
残念ながら「フランネルは冬にしか着れないからね。」とフランネル生地を敬遠されるお客様がいらっしゃいます。
 
以前にもブログで紹介しましたがフランネルにも二種類あって紡毛系と梳毛系があります。
 
ほんらいなら紡毛のものがフランネルと定義されていますが、現在では梳毛で作られたものをフランネルと指すことがほとんどです。
 
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(現在開催中にバルベラフェアーの生地の中にも何点かご用意しております。)
 
 
 
梳毛というのは一般に私たちが着ているつるっとした(クリアカットとも言います)スーツ地の事です。
 
それを機械で引っ掻いて起毛させて作るのが梳毛のフラノ地です。
 
ですので見た目は温かそうには見えるのですが、オールシーズンの生地から作った物でしたら、温かさでいえばオールシーズンものと同じなのです。
 
実際紡毛系になると400グラム近い目付となり真冬用としてしか使えませんし毛が抜けやすく、毛玉ができやすく扱いが難しいです。
 
こうしたものなら、夏に着るのは変ですが9月下旬から4月頭ごろまでは十分着まわせます。

デザイナーズブランドのスーツ

最近、お客様から修理の依頼ために「トムフォード」「ラルフ・ローレン」などのデザイナーズブランドのスーツをお預かりし勉強させていただきました。
 
チェンジポケットにつても意匠を凝らしています。
 
お客様にチェンジポケットの位置について指示を頂くことも特に大阪よりも神戸店のお客様から指示が多く、良い勉強とさせていただいたと私自身も感じています。
 
大きめの腰ポケットのフラップは48サイズで6cm近く、チェンジポケットのフラップも5.5cm近くあり、大きめの襟巾に非常に似合う、アクセントとなっております。
 
男性的にアクの強い、デザインとなっています。
 
これはかつてトム・フォード氏が所属していたグッチの定番のデザインになっています。
 
「ラルフ・ローレン」の場合は腰ポケットのフラップは5.5cm、チェンジポケットのフラップ3.5cmで間隔も狭く、フラップの形も角形のものが多いです。
 
コンパクトにまとめられて、非常にドレッシーな印象に仕立てられています。
 
仕立てる際には是非に参考に。めしております。

軽い仕立てはトレンド

以前ブログで紹介させていただいた「芯なし」という仕立てについて改めて紹介させていただきます。
 
夏物に「芯なし」は多く見られる仕立てですが、冬物には不向きではあるかといえばそうでもありません。
 
ツイード、フラノ、コールテン、コットン素材などの固くなりがちの生地に用いられること多いです。
 
「芯なし」は正直に申しまして総毛芯を基本とするスーツに比べ、総毛芯に比べ抜け感がありますので好みは分かれます。
 
通常のクリアカットのウール地ならば皴感が気になるというかたには生地自体にはりのあるツイード、フラノ、コールテン、コットン素材でのお仕立てをお勧めします。
 
今のイタリアのブランドのほとんどはフラノ、コールテンに限れば芯なしで売り出していることがほとんどですね。
 
最近ではセレクトショップさんも「芯なし」の物を提案していますね。
 
スーツは総毛芯が基本ですので何着かある、スーツのうちの一着としてお仕立てすることをお勧めしております。

納期予定日

スーツ、コート、ジャケット、パンツ、ベストご注文から約6週間
 
エアー取り(イタリア、イギリス本国からの在庫受注分)は約7週間
 
フルオーダーシャツ
 
ご注文から約5週間
 
納期把握につきましては細心の注意を払っておりますが、予期せぬ事情、繁忙、閑散期によって変動いたします。
 
誠に勝手ながらあくまでも目安としてご理解いただきますようお願い致します。
 
納期遅延によってご迷惑をおかけしたお客様にはお詫び申し上げます。
 
今後、納期短縮を最重要経営課題と位置づけ、取り組んでいく所存ですので、何とぞCorvoをよろしくお願い致します。
 
Corvo代表 谷口

よくある問答

若い方なら高い服を身に付ける、おしゃれな装いをする、これっていわゆる自己満足なのか?などと疑問に思ったことが少なからずあると思います。
 
 
よくある問答なので、少し退屈かもしれませんがお付き合いください。
 
 
私は以前ブログにも書いた通り、服に無頓着な人間でした。
 
 
18,19歳のとき「なんでスーツに十万も出すのか?量販店のスーツで充分だろ!スーツなんて西洋人の服だろ!俺は日本人だ!」っと公言するようなものが、今はスーツ店を経営しているのだから人生とは何があるのかわかりません。(笑)
 
「いいスーツを買え」とお客様を誘導するようでこの手のブログを書くのを避けてきましたが、今回は私自身勇気を出して書かせていただきます。
 
 
「襤褸を纏えど心は錦」は日本人の清らかさを示すいい言葉です。
 
 
しかし、かつての武士が殿様に対するさい裃をきた、葬儀の際は白装束など日本もドレスコードについては西洋よりこまかかったかもしれませんね。
 
スーツを西洋のもと、着こなしを軽んずるのは和服もスーツと同じように合う相手、TPOをおもんじるというのは西洋も日本も違いはないのですから言い訳にはなりませんね。
 
私自身、スーツを着るようになって十年弱、ようやくスーツを着る意味合いが分かってきたように感じます。
 
スーツにも相手をもてなす意味合いもあります。
 
 
スーツとは西欧の貴族服のモーニングコート、フロックコートなどから派生したものです。
 
元を辿れば貴族が王様に対するときの服なのです。
 
 
だんだんとフロックコート(モーニングコートとも)の丈が短くなり今のスーツの原型、ラウンジスーツ(今のダークスーツに近いもの)というものが生まれ、当時からしたら形は変わっています。
 
 
ちなみにラウンジスーツというのは寝間着、パジャマ、スエットに近いもので貴族が女性との食事のあと燕尾服を脱ぎ、ラウンジ(女性と別室の待合室)でくつろぐために作られたものです。
 
 
当時の貴族は、現代の合コン終わりの男同士が「あの子とどうだ?」などと語り合うためにラウンジスーツを着ていたのです。
 
 
柔も剛も持ち合わせたのがスーツというものなんですね。
 
その出を辿ればカジュアルでもビジネスでも着用される意味が分かりますね。
 
「貴族が王様に対するときの服」ということを考えればスーツは相手に敬意を示す重要なツールとなります。
 
私は服飾評論家の人間がよくいう「あの政治家はスーツはだらしないから政治家、失格だ!」「あの人は着こなしを知っている。グローバルの感覚を持った素晴らしい政治家だ!」というようなとは申しません。
 
スーツでその人の人なり、仕事の力量が測れるものではありません。
 
身なりで人を決めつけるのは愚かなことと思います。
 
しかし、ドレスコードを弁えた出で立ちは少なくとも敬意を相手に示すことはできます。
 
戦争などで顔を損傷された顔を整形するお医者さんの話で顔を奇麗に整形すると人格が自信を持ったように変化するということ聞きました。
 
コロンビア大学のマックスウェル・マルツ博士のお話です。
 
人はセルフイメージを必ず持っているものです。人はそのセルイメージに近づいた結果を出すといわれています。
 
「俺はこれぐらいの仕事をこなす。」とおもえばその良くも悪くもその仕事量に近づくというのです。
 
脳科学の世界では「自動成功システム」といい人は自分の持っているイメージに近い成果を出す機能があるといわれています。(脳科学は発展途上の世界なので一概にこれが正しいとは言い切れませんが。)
 
 
セルフイメージを高めることは非常に仕事にもプラスなのです。
 
「人は見た目は9割」などその手の本が一時ブームでしたね。
 
 
数年前に書籍などでよく、「見た目のいい人は生涯年収がそうでない人より総じて多い」といわれていたのは統計で示されています。
 
私は単純に「見た目がいい人」とは顔、スタイルを指すのでは全体のその人の出で立ちだとおもいます。
 
靴の修理屋さんが全員スーツで接客をするようになったら繁盛店になった。
 
小奇麗な出で立ちから相手に対する敬意、「おもてなしの心」がお客様を引き付けたいい例だと思います。
 
弱小サッカー選手団に高級スーツを着せたら急速に成績が良くなった。
 
相応の格好をすることでセルフイメージを向上し自信が結果につながったいい例だと思います。

フランスのシャツ

新しくシャツ生地のバンチがはいってきました。
 
トーマスメイソンの最上級ラインのゴールドラインの生地がいつもより多くラインアップされました。
 
その中に特にお勧めしたいのがフランス綾のパープルとラベンダーの生地です。
 
紫というのはフランスのシャツに割と多く使われます。
 
 
 
シャツ仕立て価格¥24600‐ 
 
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ドレスシャツといえばどうしても白、ブルーが多くなってしまいます。
 
パープルにもチャレンジしていただくためにも「こんな仕立ても如何ですか?」という思いも込めてのブログを書かせていただきます。
 
シャツにもスーツと同じくイタリア系、ブリティシュ系、アメトラ系などというように国ごとに特色があります。
 
スーツと同じくシャツもイタリアクラシコブームの流れで非常にタイトなものが増えて、今もその流れが続いています。
 
 
その逆を行くのがフランスのシャツです。
 
アームバンドで袖を調整し、少しぶかっとしたシルエットは大人の色気を醸し出します。
 
実は「スーツはイタリア、靴は英国、シャツはフランス」というほどフランスのシャツというのは高い評価を受けています。
 
固定観念的なフランスのシャツのイメージといえば表前立てでポケットがないフロント、太いアームホール、、大きめに取られた後ろ身巾、タックの入ったバックスタイル、生地はフランス綾で光沢があるもの、色味はサックスブルー、パープルなど鮮やかなもの。
 
この生地にはそんなステレオタイプ的な仕立てをお勧めします。
 
実際にはフランスのシャツも世界的にタイトなシルエットの流れで腰にダーツが入ったものなどが増えているのが実情です。
 
スーツ屋もアパレル業界の「売れる・売れない」の「流行、廃り」の市場の中に存在していますが、一本芯の入った仕立てをお勧めしたいですね。
 
スーツにも同じことが言えますが、光沢のある上質の生地というものはある程度の体と服との間にゆとりがあるとドレープがでて非常にエレガントになります。
 
ゆとりが大きいのに目付もなく、光沢のない生地ではなんだか、逆に物足りない感じがあります。言葉は悪いですがチープな印象になってしまいます。
 
トーマスメイソンの最上級ラインのゴールドライン、さらに光沢の強いフランス綾、絶妙な色味、最高の品質の生地だからこそ、敢えてオーバーサイズの仕立てをお勧めすることができるのです。

ジレ

今年はなんだか秋の訪れが早いように感じます。
 
スーツ店にとってはうれしい限りです。去年の八、九月は残暑の影響でどこのスーツ店も大変でしたが、今年は気温が下がるごとにだんだんと土日は予約が増えています。
 
英国回帰の影響で今季、今まで以上にベストの人気が出そうです。
 
最近は単品使いのベストのことを「ジレ」とも言います。
 
「ジレ」もベストはもともとは同じ意味なのですがジレというとジャケットやパンツとは違う生地でお仕立てしたものを指すことが多いようになっています。
 
フラノ、サキソニー、ツイード、ホームスパンでお仕立てしたスーツに色の違うベストを合わせるのは割と英国のカントリー調のスーツの方々の中では一般的な着こなし方です。
 
正直に申しましてビジネス色より、カジュアル色が強いので仕事に使うには職種にもよりけりですのでご注意ください。
 
いわゆる「カントリースポーツ」に分類される、日本でいう遊び着に近いものがあります。
 
しかし、普段お召しのスーツをビジネス以外でもお使いの際に洒脱感を引き出してくれるのでお勧めです。
 
個人的にはクリアカットの表面がつるつるしたものよりは素材感、立体感のあるツイード、ホームスパン、サキソニー、フラノ地が比較的合わせやすい気が致します。
 
色はグレー、キャメル、柄は千鳥格子、ヘリングボーンの物が合わせやすいと思います。
 
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Corvoの在庫生地の千鳥格子のサキソニー ベスト単品 仕立て価格25000円(税別)
 
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上級者になればグリーンにチェック柄といったものを合わせます。
 

今のスーツの流行

クラシコイタリア全盛のブームの頃はしきりに「クラシコイタリアのスーツは生地は柔らかく、軽いもの、肩はジャストサイズ、適度な腰の絞り、ナチュラルな風合い、仕立ては軽さを追求している」と雑誌などには紹介されていました。
 
正直、この説明をうけても「具体的にイタリア調のスーツってどんなものなの?」っとお思いになると思います。
 
実際には今、旬のラルディーニはイタリアのスーツブランドですが英国調のしっかりとした生地を使い軽い仕立てが多いです。
 
 
 
特に北イタリアは生地も英国製の物で割と英国調の仕立ての影響が強く、ロープドショルダーでかっちりとしたものが多いです。
 
 
 
ステレオタイプ的な北イタリアのスーツのイメージはこんな感じです。
 
いかにも英国ぽっさとイタリアぽっさが混じっています。
 
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(このスーツの肩はロープドになっていません。)
 
 
 
個人的にはナポリぽい雨降らし袖で重ねボタンより、北イタリアのようなまじめすぎず、遊び過ぎず、適度な抜け感のあるスーツの方が好みです。
 
 
 
なぜかJKスタイルはナポリっぽいものが好みです。
 
 
 
話はそれましたが「現在は英国調のスーツが流行」とメディアで紹介されています。
 
 
 
また、「モダンブリティッシュ」という言葉をよく耳にします。
 
 
 
「現在は過去の重厚なクラシックなブリティッシュ調ではなく現代のテイストに合わせソフトの毛芯、薄いパットを使用したものが旬。」という趣旨の説明が多く見受けられます。
 
 
 
察しのいい方でしたら「北イタリアのスーツとモダンブリティッシュの違いって何?」となると思います。
 
 
 
またハリソンズを除いた一部の生地以外は英国生地と謳いながら基本的には双単でイタリア生地と大差はありません。
 
 
 
スーツ屋の者からすれば、結局のところ英国調回帰という今の流れはキートンなどの南部イタリアのものから北イタリア調に変化しただけに過ぎずイタリアスーツの流れは終わっていない感があります。
 
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