大阪店
アパレル業界の流れ
先日、広告代理店の方とお話して個人的に感じたアパレル業界の流れを御紹介させていただきます。
アパレル業と言うのは広告費が商品の原価を上まる事があるような業界です。各ブランドのブランドイメージ戦略と言うのは熾烈を極めています。しかし、それが最近は変わりつつあるように感じます。
ブランドと言うのは実力派とイメージ派に分かれるように私自身、感じています。
実力派ブランドと言うのは品質重視で生地、縫製、作りの面を重視したブランドと私が勝手に呼んでいます。
既製シャツなら「鎌倉シャツ」「AZABU THE CUSTOM SHIRT」がそれに当たると思います。ここの両ブランドは本当に質の高いシャツなのに価格がこなれていています。
オーダーシャツなら「ドゥ・ワンソーイング」でしょう。Corvoでは以前、お取り扱いしていましたが現在取り扱いを中止しています。
靴なら「リーガル」「宮城工業」「三陽山長」などが当たると思います。(リーガルはレーベルによる)
スーツなら「リングヂャケット」がそれに当たると思っています。
「が当たると思います。」と断定的な書き方でないのは各ブランドごとに経営方針の変化で突然、イメージ戦略に力を入れ始め変わったりするからです。
オーダースーツなら「Corvo」と言いたいのですがそれはお客様の判断に委ねます。(笑)Corvoは実力派を目指しています。
イメージ派というのは商品の品質よりもデザイン、ブランドイメージに重点を置いたブランドと私が呼んでいます。
なんだか具体的な名前を出すと(極めて)まずい気がするので割愛させていただきます。
一般に知名度が高いブランドは概ね、それに該当すると思います。広告費にお金を掛けているということですから。
印象としては、特にここ最近では実力派ブランドの伸長が目覚ましいですね。消費者も格安は超格安店で高めのものは品質を重視する傾向になりつつあるように感じます。
オーダーシャツが新しくなって
オーダーシャツが新しくなって、近所にお勤めの方に「どんなんかみせてくださいよ」と言われ会社に行ってきました。依頼主さん以外の社員さんも興味津々でした。早速、ご注文をお受けしました。ついでに宣伝までさせていただけましてありがとうございます。(Corvoでは一度、店舗で採寸した方であれば、近所なら出張で注文も承ります。平日のみ)
生地も今までとは違い全てインポート生地です。
「同じシャツ生地でもこんなに違うんですね」「肌触りがちがうな」「色が綺麗」と好評です!
イタリア生地がおおく、艶、色も柄も鮮やかなものが多いです。ビジネス向けからカジュアルまで多くの幅広いラインアップです。
ここのシャツの特徴は何と言っても袖の後付、オフセット加工にあります。
以前にもブログでご紹介したんですが袖付けって洋服の中では最も重要視される工程なんです。見た目の袖のねじれはもちろんのこと、肩の馴染みや、動きやすさなどに着心地に大きな影響を与えるからです。
オーダースーツもオーダーシャツも着心地を重視するなら袖は後付になります。Corvoのオーダースーも当然、後付です。
どうしても縫製工場では採算を求めるため生産性がいいようにラインが組まれ後付のような手間の掛かる工程が簡略化されます。その分、安い値段のものが市場に出るいうメリットがあるでしょうが、ときには手間の掛かったこだわりの品に目を向けては同でしょうか?
英式綿番手と共通式番手
以前ブログでもご紹介させていただいたんですが、番手の意味をご存知でしょうか?最近よく番手についてご質問を頂きます。
番手と言うのは糸の細さを表す表記のことです。
ウール(獣毛)と綿では同じ番手表記なんですが、違う方式の表記です。
綿は英式綿重番手という表記が用いられます。
1ポンドで840ヤードの糸をを一番手と定義します。番手の数が大きくなると糸が細くなります。
例で言うと
百番手は1ポンドで84000ヤードの糸と言うようになります。
共通式番手はメートル式番手もいわれ1グラムで1メートルの糸を定義します。同じく番手の数が大きくなると糸が細くなります。
同じく例で言うと
百番手は1グラムで100メートルの糸のことを言います。
生地は細い糸で織られたものは高品質とみなされる傾向にあります。(中には強度の問題などであえて太い糸を使う場合もあります。)
オーダースーツ、オーダーシャツを作られる際に少しだけ気にされてみてはいかがでしょうか。
ネットニュースを見て
ネットニュースでスーツに関する面白い記事を見たのでご紹介します。
リンク先 http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/retail/?1333854892
格安紳士服量販店の例が出ていますがスーツの仕入れ原価が12~13%(生地代と書いてありますが縫製費も含まれているでしょう)とは驚きです。
正直、もっと原価を掛けているのかと思っていました。既製品とオーダースーツでは、大量仕入れ、在庫リスクなどで単純に比較はできませんがCorvoではこの数倍かけています。
ここでも書かれているように量販店ってオーダースーツ店も含め接客に時間がかかるので薄利多売というわけにはいきません。
オーダースーツの場合では特に一人あたりのお客様に対し多くの時間を使ってしまいます。(Corvoでは予約が入ってない時は暇なのでゆっくりしていってください。)Corvoでは人件費抑制のために予約制にして抑制しています。また、効率的に時間配分もでき、お客様にもお時間も取らせなくて済む利点もあります。
また、宣伝費もすごい割合ですね。
Corvoのような価格帯のビジネスで効率的な集客方法で新規のお客様一人を集客するのに一万円~三万円かかると聞いたこともあります。
なんだかスーツ業界にもうまい宣伝、人材配置でもっと原価をかけより高品質の商品を売り出す努力が必要な気がします。
オーダーシャツ選びの楽しみ
オーダーシャツ選びってオーダースーツと違いデザイン、生地の柄の多様性で自由度があって楽しいのですが逆に結構悩まれてしまう方も多いのではないでしょうか?
カジュアル用に作るのであればルールはないのですがスーツに合わせる際には色々とルールがあります。
たとえば襟や袖を白くしたイギリス調のクレリックにアメリカ調のボタンダウンは駄目です。またスポーツシャツから派生したボタンダウンにフォーマルなダブルカフスを合わせるのも駄目です。(最近はクールビズでシャツでも装飾色の強いものもありますがデザイン無視のものが多くて厄介です。)
そのデザインがどういう意味合いをもち、どうして、どこで生まれたのかを考えなくてはなりません。そうすると相性の良し悪しが分かります。
また逆に相性がいいのは英国ファッションをイメージしたときはクレリックにダブルカフス、またクレリックにロンドンストライプの生地、イタリアファッションをイメージしたものなら襟に二つボタンがついたドゥエボットーニ、ボタンダウンに両胸に二つポケットなどです。
現在の流行をでは英国、イタリア調のオーダースーツ、オーダーシャツとなんだか二極化しているように感じます。今後、段々と英国が強くなると思いますが。
大きく二つの国のシャツの違いを言うと襟が小さいのが英国、大きく、襟が高いのがイタリアのように別けることができます。
オーダースーツ同様、オーダーシャツにもそのブランドごとのコンセプトがあります。実際に商品を見て店員さんに来て自分の感性にあうお店を探すのも楽しいですね。
ちなみにCorvoが現在取り扱っているオーダーシャツはオーダースーツに合わせイタリア調です。
明確にコンセプトを持ったところは例えば伊勢丹などはあえて選択の自由度を狭め正統で保守的なデザインを提案していますね。
昔の名残り
スーツにも昔の名残りのものって多くありますよね。
・医者がジャケットを脱がずに作業できるよう袖が開くとか。
・昔はスーツの形になる前は詰襟で襟にその名残りで釦ホールがあるとか。
・昔はその襟穴に花を挿したので襟の裏側にフラワーループがある。
などなど例を上げたらきりがないのですが伝統のスタイルを重んじるオーダースーツ店、ブランドのスーツには往々としてそうしたディテールが施されています。Corvoのオーダースーツにもそうした仕様が施されています。
シャツにもそうした仕様があるのをご存知ですか?
昔はパンツがなくシャツが下着の役割がありました。男性の下腹部をシャツの裾の部分で覆っていました。
現在のシャツがお腹の側面に切れ込みがあるのは当時の名残りです。また、予備の釦が裾の部分に付いているものは前と後ろの裾を止めていた名残りです。
Corvoでも新規で取り扱うオーダーシャツは当時のシャツ(下着としての)と同じ作りにすることも可能です。当時のように下着として使われる方はいないと思いますが。文章では説明しにくいのですが大きく前に裾が楕円状に出ています。はじめ何のためにそうなっているのか分からず、女性の営業の方で気まずい思いをしました。(笑)
この仕様がなされなくなったのは1930年代にブリーフが誕生してからだそうです。このブリーフは世界的に大ヒットしその下着メーカーの経営危機を救ったそうです。
また、当時、シャツで下腹部を覆っていただけなので下腹部は不安定でした。ですので仕立屋はオーダースーツを作る際に左右の傾きを手で触り確認しパンツを納める方を若干、大きくしたそうです。ちなみにこの処理を「金ぐせ」といいます。
ちなみに日本人はほとんど左向きだそうです。単なる俗説かもしれませんが着物が左上になるのも排泄のときに便利だったからとも聞いたことがあります。
以前ブログでシャツは「客寄せで粗利が少ない」と書いたら多くのお客様に「シャツだけの注文でも良いですか?」「利益ないのにごめんな」などといわれ余計なことを書いてしまったと反省しています。気にせずご来店ください。(笑)
前肩のスーツはいいスーツ?
珍しい質問を頂きました。
Q、ここのスーツって前肩ですか?
A、Corvoのオーダースーツは基本は前肩です。前肩でない方には前肩にはしません。
たまに雑誌などでよく「前肩のスーツは日本人の体型に合う」などと紹介されていることがあります。
そもそも前肩というのは日本人の体型が上から見たときに弧を描くのにたいし、西洋人が直線に近いことに対しての言葉です。
オーダースーツを作る際は弧になるように肩を作るのを前肩といいます。
実は前肩にするのにも実は賛否があります。
当然、前肩にすると体型に沿っているので動きやすさ、体に対する馴染みは良いです。
しかし、日本人は総じて体が小さく、肩幅がありません。直線にするより前肩にするとより小さく肩幅が見えてしまいます。
一概にどちらがいいのかとはいえません。たしかに前肩は縫製に技術を要しますがいいスーツの条件にはならにでしょう。
未だに日本のオーダースーツというのは体に沿うことに重点をおきいかによく見せるかの感性が欠如していますね。
ステッチについて
最近、よくお客様に「ステッチって入ってる?」聞かれます。
オーダースーツにステッチは今は一般に浸透しているようですね。少し前まではステッチはオプション扱いのオーダースーツ店が多かった気がします。
Corvoでは上襟、ラペル、フロント、胸ポッケト、フラップ、前立て、脇ポケットには標準で入れさせていただいています。
ご希望であれば他の位置にもステッチを入れることも可能です。
Corvoではあまり目立たないように入れるのですが、ジャケットなどの場合、カジュアル感を出すために目立たせたいなどの要望があればテンションを高めにさせていただきいれることも可能です。
同じシャツはシャツでも値段が違うのはなぜ?
シャツはシャツでもものによって値段もまちまちですよね。オーダースーツやどんなものにもいえることなのですが。
二千円前後のシャツと二万円前後のシャツというのは当然、生地から縫製まで違います。それだけ余分にお客様からお金を頂くにはそれに見合う価値がなくてはなりません。
何が違うかというとまずは生地です。
いい(高価な)生地というのは総じて細い繊維の綿で作られた糸で織られたものを指します。細い繊維は100番手、140番手などというように細い糸にすることができます。また、細い糸というのは肌に馴染みがよく肌触りが非常に滑らかになります。(よく勘違いされるのですが、強度の問題からあえて細い繊維でも太い糸を作る場合もあるので一概に100番手だから良い生地とはいえませんのでご注意ください。)
いい生地というのは本当に気持ちがいいものです。できれば下着を着ずに着ていただきたいです。Corvoでもインポートの100番手の生地でシャツを作られた方は「気持ちよすぎて他のシャツが着れなくなった!」とおしゃられていました。なんだか昔の伊藤園のお茶のCMみたいですね。(笑)
次に縫製の違いなんです。
安価なシャツではロックミシンというものが使われます。高級シャツでは伏せ縫いといい生地の裁断面が肌に当たらないように処理されています。
最近ではユニクロの三千円前後のシャツでも伏せ縫いになっていますね。ユニクロは本当に値段にたいしての品質が本当にいいですね。
手間が非常にかかるオフセット加工なんですが、シャツの運動性について一番重要な部分なんですが袖を後付にすることによって非常に着心地のいいシャツになります。日本製のシャツでオフセット加工がなされたシャツはほとんどありませんね。
また、オーダースーツでも通常の工場では後付をしないのでハンガーに下げた際は袖が捻じれているものがほとんどですね。縫製の優劣を見るには綺麗に前に袖が来るか見ると良いでしょう。(Corvoのオーダースーツは後付です。)
ドット柄のネクタイ
夏はネクタイをいないという方も多いのではないでしょうか?最近はその分、ネクタイを買われるときはいい物をと高級ネクタイが売れているそうです。
ネクタイはオーダースーツの印象を大きく左右します。また、気を使うところですね。
西欧では改まった席では細かいドット柄のネクタイをよく着用します。ドット柄のネクタイはフォーマルなネクタイとして認知されています。
また、ビジネスでドットタイは重宝されます。派手さも抑えられ、落ち着いた雰囲気のあるドット柄は相手に好印象を与えます。
ちなみに今は蝶ネクタイが流行っているという話も聞きます。
上質なネクタイが御所望の方は老舗ネクタイ専門店として有名な元町バザーがお勧めです。
元町バザー リンク先http://www.necktie.co.jp/