大阪店
今はオーダーシャツ専門店がない!
一昔前ってオーダーシャツ専門店ってよく町にありましたよね。
私が小さい頃、父がスーツはあまり着なかったのですが、毎日シャツを着て働いていたのでよくついって言ったのを記憶しています。
店主兼職人さんがいて大きな生地を手早く裁断していたのを覚えています。子供ながらに自分の服を誂えている父が羨ましく思いました。
Corvoにもお子様連れのお客様がいらっしゃいます。いつもお子さんは退屈させてしまい申し訳なく思っています。今思えば私も父の買い物をよく邪魔したなと思いつつ。大きくなったらお客様としてCorvoへ来ていただけたらなぁと思っています。
話は脱線しましたが、最近はオーダースーツ店の一角にオーダーシャツフロアーがあるように専門店というのはなくなってしまいましたね。
職人さんも高齢化と低賃金のため後継者不足でフルオーダーでシャツを作れるところも少なくなってきましたね。
今まではシャツはどうしてもスーツの二の次という見られ方をしていましたがだんだんと注目されてきているようですね。最近はこだわりを持った専門店がメディアに取り上げられているのでネットで調べてみるのも良いかもしれませんね。
新規のオーダーシャツについて
新規で取り扱う、オーダーシャツについて少しだけご紹介させていただきます。
イタリアシャツに見られるよう柔らかく、体に馴染む、最上級の着心地を体感していただくため縫製、生地にこだわり抜いています。
生地は全てイタリア、イギリス生地をはじめとしたインポート生地のみの取り扱いとなります。常時、100種類以上の様々の素材のシャツ生地をご用意しています。
縫製に関してはお客様のサイズごとに一着ごとの裁断します。芯地にかんしても体になじみのいいフラシ芯となっています。また、袖付けはハンドワークによる後付となっていますので腕の動きやすは抜群です。
仕様に関しても肩に馴染みのいいスプリットヨークを採用しています。また、補強の意味合いもあるガッゼトも標準仕様です。
釦に関してましても、天然素材の貝釦を標準仕様です。
また、別途料金(15000円)で型紙の作成にも対応可能です。型紙のデータは大切に保管させていただきますので二回目以降は必要ありません。
オーダースーツ・シャツ専門店Corvoを今後ともよろしくお願いいたします。
研修に行ってまいりました。
昨日はお休みを頂き、大変ご迷惑をおかけいたしました。
なぜか研修、雑誌取材でお休みを頂いたときに限り、電話着信、業者の方の来客が多いのかといつも疑問に思います。
新規で始まる、新しいオーダーシャツの商品説明、採寸の留意点などきめ細かい指導を受けてきました。
研修にいったら以前、当店に来られたお客様の顔が!業者の方で以前、視察に来られた方でした。(笑)
「オーダースーツ店ができる必ずチェックする。」とのこと。言われてみれば取引の希望の電話をかけた際、住所を言わずに資料が届いたのも前々からチェックされていたからとのこと。ホームページも見られていたとのこと。お恥ずかしい。オーダースーツ業界は狭いですね(笑)
今回、取り扱うオーダーシャツは今まで縫製、生地にこだわっていますので必ずお客様に満足いただけるでしょう。また、製品に関するページも作らせて頂きますのでよろしくお願いいたします。
今季のオーダーシャツの傾向
今季は三月にしては寒く、雪が降ったこともあってか、全体的にオーダースーツ店のシャツのでが悪いとのこと。「Corvoはよくでますね」と言われました。ブログでしつこいぐらいシャツのアピールをしましたから。(笑)
昨今、本当にクールビズの風潮が高まってきましたね。オーダースーツ店にとって有り難くないお話ですが節電、猛暑などを考えた場合、致し方なく感じます。
私が今年の一月からアピールさせていただいてるリネン地(麻)のシャツが恋しくなる季節ですね。今季は特にリネン地、リネン混合のものが多くシャツ屋さんから提案されてますね。
麻は涼しいのはもちろん丈夫な素材で五年ぐらいはお使いいただけます。丁寧に扱っていただければ十年ぐらいは使えます。
どうしても綿のシャツ生地は磨耗で毛玉ができたり、擦り切れたりします。もって三年ぐらいでしょうか。リネン地は綿に比べ高いですが、耐久性を考えれば少しいつもより高めでもいいのかなと考えたりもします。商売っ気が強くて申し訳ありません。(笑)
リネンにも弱点はあります。それは水分を吸うと縮みやすく、色落ちがあるということです。
しかし、色落ちがしやすいということは白やブルーなどは洗えば洗うほど綺麗になっていくということでデニムのように経年の変化を楽しめます。
また、ポロシャツの素材の「鹿の子」という生地を使ってドレスシャツを仕立てる「ビジポロ」というのが去年から色々なブランドから提案されています。シワにも強いです。また通気性がありますが、冬は冬で暖かく夏冬、問わず使い回しがききます。Corvoでも既に何着か出ています。
リネンもビジポロも共通して言えるのはアイロンをかけなくていいというところです。夏場の暑い時期のアイロン掛けは面倒ですよね。一人暮らしの方、お忙しい方にはぴったりですね。
また、今季はリネン地でのオーダースーツの受注も何件か入ってきました。素材で涼しさを求められるのはオーダースーツ、オーダーシャツならではの強みですね。
ミルとマーチャントの違い
最近は雑誌でも生地ブランドの特集が組まれていたりしていてみなさん生地に関して詳しいですね。お客様から「~ってどうですか?」とご質問頂いたときに私が存知ておらず勉強不足で申し訳なくなることがあります。
生地ブランドが紹介されるということは一般にオーダースーツが浸透してきているということでオーダースーツ業界に携わる者として嬉しい限りです。
ところで、生地ブランドには大きく分けるとミルとマーチャントになります。
ミルと言うのは織元のことです。織元と言うのは自社で工場をもち生地を織っているところのことをさします。
マーチャントとは毛織商社のことで自社で工場を持たずに織元から仕入れた生地を仕立屋に卸す生地屋のとです。また自分たちで生地を企画するのでおしゃれな柄が多いです。
最近ではミルと並行してマーチャントとしても機能しているところもあります。
マーチャントは中間マージンがかかるから高いという指摘もあります。個人的にマーチャント系のブランドは一割、二割、生地値が高いような気もします。仕入れる生地の選定、生地のデザインはマーチャントのデザイナーが行いますのでおしゃれな柄、色が多いです。
ミルでも独自の営業部門、企画部門をもつロロ・ピアーナやカノニコは生地のデザイン性もさることながらスケールメリットが利いていてコストパフォーマンスは抜群です。
ダブルブレストを御提案
バブルの頃によく派手なストライプにゆったり目のダブルのスーツという方をお見かけしたのですが最近は見かけなくなりましたね。たまにご年配の方が着ているのお見かけしますが。
思い返せばCorvoでもジャケットでダブルの注文を受けたことはありますが、スーツではまだありません。他のオーダースーツ店でも話を伺うとダブルのスーツはあまり出ないとのこと。
正式にはダブルのジャケットのことをダブルブレストといいます。もともと、ポーランドの騎兵が風が入らないように前身頃を合わせたのが由来だとか、水兵が風が入らないようにしたのが由来だとか、諸説あり本当の由来は謎です。(笑)
風が入らないようにするために生まれたのは確かのようです。しかし、風が入らないので夏は暑いです。夏にジャケットを作られる際は通気性のいい麻で作られるといいのですが正直、コットン、ウールはお勧めできません。
しかし、ブレザーの濃紺の生地にダブルに金属釦というのは着る側としては暑いのですが、見た目に清涼感がありますね。
秋冬の話になるのですが、2012年の秋冬はダブルをスーツ、ジャッケトを問わず流行らそうとする動きがあります。
どうしてもダブルは貫禄がでて、すこし太ったように見えてしまいます。少し着丈を短くし、お腹周りのゆとりを少なくしタイト目のものが流行りそうです。
映画に出てくる役者、とくに「007」のボンド、「ゴッドファーザー」のあるパチーノがダブルのスーツを着ていても古臭さは感んじないですよね。シングルのスーツなら既製でもいいのですが(オーダースーツ店の人間がこんなことを言うと怒られそうですが)、ダブルはサイズ感がとても重要です。サイズ感で印象が大きく左右されます。オーダースーツ店で作られてみてはいかがでしょうか。
オーダースーツに対する日本とイタリアの感性
日本人とイタリア人というのはオーダースーツのみならずファッションに対して大きな隔たりがあります。
シルエットに関する違いは多くの雑誌などで取り上げられているので説明から省きますが構造についてご説明させていただきます。
イタリア人というのは襟、袖周りの芯地も柔らかい物を好みます。また、それをフラシにして接着したりしません。柔らかい芯はどうしてもシワになり、よれたりもします。体に馴染みのいいものを彼ら(特にイタリア南部)は上質なものと認識します。
また、スーツに関しても柔らかい芯を好みます。仕立屋にもよるのですが基本的には表地と土台芯を糸で縫い付ける(ハ刺しといいます)ことはしません。フラシ芯(糸で止めず振らしたままにすることが語源)です。
一方、日本人はシワやよれを極度に嫌がります。シャツの芯に関しては接着芯という、樹脂で表地と芯地を固定するものを好みます。クリーニングに出した際に生地の伸び縮みでシワは出にくくはなりますがイタリアのシャツように首の当たりなど、体に対する馴染みは落ちます。
最近は「鎌倉シャツ」など見ているとフラシ芯が好まれる傾向にはあるのですが市場の流通量をみてもフラシが10%、接着芯のものが90%ですのでまだまだ、接着芯がこの国では主流のようです。
また、日本人にオーダースーは重い、堅いのイメージがあるのは重く堅い芯地を使い、ハ刺しを施すからです。工場や仕立屋にもよるのですがイタリアのような羽織るような感覚のスーツは日本の縫製では難しいでしょう。
Corvoのオーダースーツの縫製工場も縫製はイタリアとほぼ同じですが、イタリアのスーツに比べると堅い芯地です。また、シャツに関してもフラシですが少し堅めにしています。これは意図的に日本のビジネススタイルに合わせています。
イタリア人は服を正確にファッションとして捉え、日本人はシワやよれを気にするあまり工業製品として捉えているところがあります。
こんなことばかり書いているといかにもオーダースーツ・シャツにかんして「イタリアはすごい」「日本はダサい」と言っている思われてしまうかもしれませんが、イタリアの縫製はシワが出たり、釦付けの糸の始末の悪さなど、本当にイタリアのスーツを見たことがあるならまず手放しで褒める事はできないでしょう。
Corvoのブランドイメージの構築
アパレル業界はブランドイメージ、コンセプトを大事にしたがります。アパレルショップの経営の面から見てもブランドイメージというのは重要なものです。
Corvoのコンセプトについて紹介させていただきます。
Corvoはクラシコイタリアの感性にあった、縫製、品質の面でも極めて高いオーダースーツを主軸とし、オーダーシャツ、今後の取り扱い予定のオーダーシューズなどの商品拡充に努めています。
例えば「バーバリー」といえばイギリスブランドの代表格ですよね。独特の格子模様にトレンチコートが頭に浮かびますよね。
「ラルフローレン」といえばポロシャツに代表されるようにアメトラブランドの代表格ですよね。「ポロの騎手」の刺繍もすぐに思い浮かびます。
また、靴のブランドといえばジョン・ロブといえばイギリス靴の最高級ブランドですよね。堅牢な作りのオーソドックスな形の革靴が思い浮かびます。
こうして色々と並べてみるとどれも伝統的スタイル、トレンチコート、ポロシャツ、普遍的な形の革靴でどこにでもある商品でこれといった特徴はないのに強烈なブランドイメージがありますね。こうした、有名ブランドは高品質かつ伝統的、普遍的スタイルを消費者に提案しています。(中には名ばかりで高品質といえないものもありますが。)
こうしたブランドにいえることは往々にして普遍的スタイルを崩さないところにあります。バーバリーならば伝統的英国スタイル。ラルフローレンならアメトラ。普遍的な形ですのでいつの時代からも増減はあるものの安定した需要を確保しています。それが長きに渡り強固にブランドイメージとして消費者に定着しています。それがその国の代表的スタイルを先導する地位までになっています。
オーダースーツも時代ごとによって多少なりとも変化はありますが、イタリアンクラシコスーツという大まかなシルエットはほとんど変化しません。数百年の間にさまざまな変化を重ね完成された形はその時代ごとに各個人、仕立屋の感性が加味されたとしても本質は変わらないものです。
Corvoのオーダースーツは縫製の面では、国内最高峰の工場で仕立てているので国内最高品質です。日本の縫製技術は世界トップクラスなので世界レベルで見ても遜色ありません。疑われる方も多いでしょうが日本の縫製レベルというのは世界的に見ても既に最高水準に達しているのです。
日本人は謙虚なのかそのことをあまり、対外的アピールしていませんね。常々、私の頭にあるのは日本のものづくりの精神とファッションセンスに関しては一日の長があるイタリア(イギリスでもかまいませんが)の感性を独自に取り入れることができたなら日本は世界的にアパレル業界を席巻する立場になるでしょう。それは近い将来実現されるでしょう。
また、Corvoのオーダースーツの形は特にこれといった特徴はありません。こんなことを堂々と謳うブランドは他にはないでしょう。オーダースーツですので形は個人の要望にはある程度は応えられるのですが、基本は普遍的イタリアクラシコスーツを踏襲した形になっています。
現在、私がCorvoの経営に関して一存で決めているのですが、今後ともジャパンメイドの製品にクラシコイタリアの感性を加えた高品質のものを提供するブランドを構築できるよう精進していきたいと考えています。
オーダースーツのおすすめの店とは?また名店とは?
お客様に「(オーダースーツの)おすすめの店ってない?」「いい店ない?」っとよく聞かれます。当然、Corvoは名店とよばれるよう、自信を持って自分の売り出すスーツをお勧めいたしますが、値段に重きを置いた格安のスーツ(20000円前後のような)、ブリティッシュ調のスーツ、堅めのスーツというオーダーを受けたら必ずしもお勧めとはいえません。
同じ縫製工場でオーダースーツをお作りしてもシルエット、値段もランド、オーダースーツ店ごとにばらばらです。
一見、スーツって人間の顔と同じように目、鼻、口のように、同じパーツで構成されているのにそれぞれに個性があります。襟巾の広さ、ポケットの位置、フロントの開き具合などさまざまな要因があります。
当然、人間にもイタリア人ぽい顔、イギリス人ぽい顔、日本人ぽい顔があるようにスーツにもそうした顔があります。(Corvoのスーツはイタリア人顔です。)
また、私のような採寸師はそれを理解し、さらにお客様の体型にもっともバランスよくかつ着心地よくお客様に満足いただけるものを作り上げなくてはなりません。
また、値段も大きな隔たりがあります。Corvoのように手作業を多用し毛芯、襟芯、釦、副資材までこだわってしまうと20000円前後では到底、お仕立てすることは不可能です。それでも68000~円は百貨店やセレクトショップ、ブランドショップに比べたら半額から四分の一ぐらいの値段ですが。
「ラーメン」を食べたい人にミシュランの三ツ星レストランを紹介しても「ラーメン」を食べたい人にとってはそのレストランはいい店とはいえませんよね。結局のところ、おすすめの店とは自分の求める感性、値段が合うお店のような気がいたします。
肩パットとスーツの印象
いまどきのスーツってパットが薄いものが多いですよね。
バブルの時期に厚いパットのオーバーサイズのジャケットが流行ったからでしょうか、パットが厚いものは現在は好まれないようです。また、最近までクラシコイタリアの影響をオーダースーツ業界が受けていたのももう一つの理由でしょう。
ちなみに各国の肩パットを分類するとイギリスのスーツのパットは比較的厚めです。イタリアでも北部(ミラノなど)の仕立屋のオーダースーツも比較的厚めです。イタリア南部のナポリは薄いもの、もしくはないものが多いです。アメリカはなしのナチュラルショルダーのものが多いです。ナポリに近いです。
イギリス調の形で作られたらパットが厚くても古いという印象はないです。むしろ、パットが薄ければブリティッシュ調のスーツの男性的シルエットが崩れてしまいます。一概にパットの厚さだけではオーダースーツの型の、良し悪しにはなりませんがここでパットによる印象の違いを紹介します。
パットの厚さ選ぶ基準としてはより力強く見せたいのであれば厚め、軽やかな印象を与えたいのならなしか薄めのように選ぶといいでしょう。
また体型からした基準ですと撫で肩の肩は厚めの物を入れるといいでしょう。いかり肩の方は薄目がいいでしょう。
最終的には上記のようにご自身がどんな印象を与えたいかにもよりますが。
Corvoではご指定がない場合は2ミリのも使わせていただいていますが、なし、2ミリ、5ミリ、10ミリの中からお選びいただけます。オーダースーツの楽しみはどんな印象を相手に与えるか考えて作られるとよりスーツの楽しみが増しますよね。