大阪店
オーダースーツで夏物を作るならモヘア混
「今度、お店に行くけど夏物はすぐ傷むから冬物より安いのを頼みますよ。」とお客様に脅されています。(笑)まぁ事実、夏物は傷みが早いからあまり高いのはお勧めできませんね。オーダースーツは高い買い物ですから失敗して欲しくないですし。
夏物ってどうしても生地を薄くし通気性を高めるために平織りという織り方が多いのでしわになりやすいですね。
平織りというのは磨耗に強くく薄い生地にはいいのですが、どうしても光沢がでにくく質感が落ちます。しかも、シワになりやすいです。
質感が落ちるので繊維自体に光沢のあるモヘアという繊維を織り込んだものが夏物には多いです。
モヘアとはアンゴラヤギかアンゴラウサギの毛のことを指します。スーツ地やジャケット地の場合はアンゴラヤギのけの場合が多いです。
生地感としては麻に似ていてシャリシャリしていてハリがあり麻と違い光沢があります。
多くの場合はウールに20パーセント程度の割合で織られます。理由としてはモヘアは強度が弱く、それだけの繊維では織物に向かないからです。強度がないので長く着れるかといえば不安はあります。太ももが太い方はツーパンツにされたほうがいいです。私は一着、駄目にしました。
最近では冬物にもモヘアを利用したものが多いです。モヘアは静電気を発生させやすいので冬物にはいかがなものかなと思いますが。
既製服はどうしても在庫リスクを軽減するため「無難」な生地で仕立てる場合が多いです。既製服はどうしても「無難」な柄、素材になります。オーダースーツならではの素材に趣向を凝らしたものを仕立ててはいかがでしょうか?
薄いブルーにモヘア混のオーダースーツなんてかっこいいですよ!!!
パターンオーダースーツとフルオーダースーツの違い
Corvoではパターンオーダースーツ、シャツを採用しています。
パターンオーダースーツ、シャツ、フルオーダー、イージーオーダーなど一言にオーダースーツ、オーダーシャツと言っても色々な種類があります。
この業界のいい加減なところでフルオーダースーツと謳っていてもパターンオーダースーツに仮縫いを付けただけでフルオーダーといったりする店も多いので明確な定義はありません。特にオーダーシャツのフルオーダーという場合はほとんど実際にはイージーオーダーをさしています。
フルオーダーは、パターンを一から起こしてお客様の要望を作り手のデザインに加味していきます。
イージーオーダースーツというのは大本のパターンがありそれに寸法を合わせていきます。
パターンオーダーとイージーオーダーの明確な区分けは最近はあまりなくなっていますが、一般にはパターンオーダーは一つのパターンのサイズから袖を詰めたり丈を詰めたりしますが、実際には丈を詰めた分、ポケット位置を高くしたりするのでイージーオーダーに近いです。
最近のパターンオーダー、イージーオーダースーツには「体型補正」というものあります。人それぞれの体の癖に合わせる作業を言います。たとえばなで肩の人にはそれに合わせなで肩の補正を入れたりします。
パターンオーダーのメリットは型を一から作るのではないのでその手間が省けます。よって価格も抑えられます。また、最近では体型補正がありますのでフィット感もいいです。なによりゲージ服を着ていただき要望を聞きますので作り手とオーダー主とのイメージの齟齬が生じにくいです。
フルオーダーのメリットは自由自在にデザインを決定できますが、一から型を起こすのでクライアントと作り手のイメージの意思疎通がはかりくいです。そこで仮縫いという工程を経てよりクライアントの要望に近づけます。
オーダー製品にいえることはお客様の着丈短め、タイト目などの抽象的なオーダーは作り手には実際に何センチ詰めたらいいのか分かりくいので一度目ではなかなか要望にこたえられない場合がございます。
「プロなら一度目で仕上げろ!」とお叱りを受けそうですが、こちらの考える適正値と依頼主の適正値はなかなか一致しません。まぁ、一度目から適正サイズで仕上げない仕立て屋は論外ですが。(以前、私も失敗したことがあるので大きなことは言えませんが)
お客様のなかには他店でオーダーされて「あそこで頼んだらきつかったからここ(Corvo)に来た」という方もいらっしゃいますが、私から見たら適正サイズでしたので「同じ店でゆとりを少し出すようにオーダーされたらいかがでしょうか」とご説明させていただきました。
オーダースーツに合わせオーダーシャツにこだわりを!
オーダースーツに合わせシャツもこだわりたいですね!
「オーダースーツは額」で「シャツとネクタイは絵」などという仕立て屋もいるほどシャツとネクタイは重要な物なのです。
シャツとネクタイを上質(単に値段が高いだけではだめですよ)なものに変えたら安価なスーツでも印象をグッとあげることができます。
最近のシャツはタイトなものが多いですね。ゆとり量も胸周りで15センチ(ややタイトで17センチ、通常が20センチ)お腹周りで12センチぐらいとタイトなものを選ぶ方が増えています。
採寸する側としてはシャツは個人の感覚でゆとり寸が大きく変わるので大変です。お客様は遠慮せずにご要望をお申し付けください。
ちなみに「オーダースーツは額」というのはなかなか、面白い発想ですね。
「一番、はじめに新社会人の方が揃えるべきはシャツとネクタイだ。」という方もいらっしゃいますね。
Corvoはオーダースーツだけじゃありません!
Corvoの受注はほとんどオーダースーツなんですが、ジャケット、パンツ、単品での受注も受け付けています。
今年は、前々から押しているようにリネン地のジャッケト生地が多く入ってきています。
スーツ地、ジャケット地、パンツ地は撥水加工されたシャリ感のある生地も多く見受けられます。各生地屋さんもジャケット地、パンツ地に力をいれ今まで以上に品揃えも豊富ですね。色柄、機能性にも重点を置いている印象を受けます。
一昔前のオーダースーツは夏はリネンで仕立てることが定番でした。生地の性質上、リネンはパンツに細身の向きませんが、少し太めのパンツなら問題ありません。私も一着、リネンのオーダースーツを発注しました。完成が楽しみです。
昨年は震災の影響もあって節電と猛暑で大変でしたね。(震災の被害にあわれた方たちからしたら微々たることですが)リネン地は見た目にもこなれた印象を与え、通気性がよく、発散性もあり涼しいのでお勧めです。
リネンは強い素材なので耐久性もあり、長くお召しになれてとても経済的です。
また、ジャケットを脱いで仕事をする機会も多いと思います。シャツにもこだわりたいですよね。シャツも豊富に生地を取り揃えていますので是非、ご来店をお待ちしております。
Corvoに来るならナポリスタイルを楽しんでください
先日もお客様に「チェンジポッケトで英国調で」というスーツのオーダーを受けました。Corvoのオーダースーツはイタリア調なので芯地、副素材もそれにあわせているので中途半端のものしかできないのでお断りしました。
「そんな、商売で成り立つんか?!」と先輩方からお叱りを受けましたが型紙、提携工場を含め、イタリア調のオーダースーツに特化していますのでお許しください。
何度もブログで述べているようにオーダースーツと言っても店、ブランドごとにスタイルがあります。そのスタイルを楽しみつつ自分のテイストを加えていくオーダースーツの真の楽しみです。
ちなみに先述のお客様には「自分、正直だな気に入った!はっきり言ってくれたほうが安心できるよ!」とその後、ご注文はいただけました。(笑)
先日、「君みたいなキャラは東京でなら絶対、売れる!」と同業の重鎮の方に言われました。
ところで、お勧めの雑誌はというご質問をよく頂きます。自分自身、雑誌自体をあまり読まないのですが、同業界の人たちは「LEON」がお勧めだとのことです。
南部イタリアファッションを基本とし比較的に保守的なファッションを提案していますね。しかし、ターゲット層を二千万以上の所得者層を狙っているとのことでお値段も高めのブランドが多いですね。
オーダースーツ・シャツ専門店Corvoの進歩!!!!
Corvoではオーダースーツ・シャツ専門店としてイタリア調をテーマに品質にこだわり国内最高峰の縫製工場と提携してきました。
今後、更なるお客様の満足度を高めるために商品拡充をしていきたいと思いその一環としてオーダー革靴の取り扱いを準備中です。
ちなみ革靴に関してはイタリアの革靴によく見られる、マッケイ製法を基本とし手であとから染めるあと染めを施したものを取り扱います。
耐久性はイギリス靴のグッドイヤーには劣りますがマッケイ製法ですので軽さ、歩きやすさは抜群にいいです。また、職人の手による後染めですので一品一品、違った色むら、風合いを楽しめます。
また、使用する革は国内最高品質のカーフです。
昨日、お越しになられた職人(代表兼デザイナー)さんが言うにはフランスの最高級ブランド「ベルルッティ」に負けることはないとのこと。
Corvoのオーダースーツはシルエット、素材を含めナポリ調ですのでイタリア調のこのオーダー靴は大変よく似合います。
「まずは御自分用のサンプルを」とのことで二足注文させていただきました。楽しみです。(ちなみにスリッパとダブルモンクです。)
現物を見せてもらったのですが、正直、日本でこんなにもデザイン、品質に優れた靴をつくっているとは思いませんでした。
取り扱いには後しばらくお時間がかかりそうですがご準備ができましたらまた、後日、お知らせしていただきます。
オーダースーツ屋は雨は大敵!!!!
雨は本当にオーダースーツ屋にとっては大敵です。
暇です!不謹慎ながら、暇すぎて最近おろそかになっているブログを退屈しのぎで営業時間中に更新です。
雨にちなんで「雨降らし袖」というのをご存知でしょうか?
ナポリ調のスーツやシャツによく入っているんですが、肩の袖山の部分にギャザーが入った物を言います。
最近の雑誌を見ていると重ね釦とあわせてナポリのスーツには必ず入っているようなステレオタイプ的な見方は間違っていますのでご注意を。
しかし、ナポリ調のスーツ特有のディテールで重ね釦と合わせると一気にナポリっぽい雰囲気を楽しめます。
ちなみにこの「雨降らし」は肩袖にゆとりあるので動きやすいといわれていますが、私個人の感覚ではあまり関係のないような気がします。
ちなみにジャッケトの袖の釦は直径が1.4センチでイタリアのスーツはこの間隔を狭めて付けます。重なるあうぐらい間隔を狭めたものは重ね、キッシング釦といいます。実際にはイタリアのスーツは重ねあうか合わないかぐらいのツキツキというのが多いです。
ブログを書いていたら雨が上がってしまいましたね。誰か来るかな?(笑)
オーダーシャツ工場へ行ってまいりました!
先日、ちょっとしたご縁でシャツ工場を見学させていただきました。(Corvoで取り扱いのあるドゥ・ワンの工場ではありません。)
オーダースーツ、オーダーシャツという業界は狭いですので色々なところでつながりがあります。
生地の裁断は今は丸い歯のついたカッターでしているそうなんですが、昔は笹の葉みたいな形の諸刃の包丁みたいなもので裁断していたそうです。現物があったので試しに自分も歯切れを裁断したのですがまったく切れません。コツがあるそうです。
どうしても今のCorvoのシャツはパターンオーダーなので極稀に体型的に合わない方もいます。パターンオーダーなので生産性がいいのでコストパフォーマンスがいいとう利点はあります。
よく、イタリアのシャツのように背中や袖にギャザーの入ったものにも対応できるとのこと。Corvoのハイグレードラインとして今後、取り扱おうか検討中です。
釦も全て手付けで本当に手間がかかっています。
また、細かい対応も職人さんがしてくださりますので、デザインは自由自在です。
これだけ手間をかけているんですが、日本に工場を持つところはオーダースーツ、オーダーシャツ業界問わず、今のアパレル業界の低価格化の波に押され大変だとのこと。
イタリア調のギャザーの入ったシャツはよくCorvoのオーダースーツに合います。私も二着サンプルとしてお願いしました。ギャザーはジャケットを着ていたら分かりませんが(笑)
最高のオーダースーツを目指す!
Corvoの今、提供しているスーツはマシンメイドの中では間違いなく国内トップクラスの品です。
さらにそのクオリティーを越えようとするとフルハンドメイドスーツになるでしょう。フルハンドメイドのオーダースーツを一着仕立てようとしたら、とんでもない値段になりますよね。
しかし、オーダースーツを仕立てるからにはいずれは一着は欲しいですよね。
機械と違い、縫い目とかは汚い(汚いというと怒られそうですが)のですが、やはり着てみた時のドレープ、シルエット、パンツの履き心地はいいです。
現在、ハンドメイドのスーツを仕立てる職人は高齢化、低賃金による後継者不足、労働者の不足の問題を抱えています。
間違いなく、後十年経ったら手縫いでスーツを仕立てられる職人は日本にごくわずかとなるでしょう。
国内の、大手、個人の縫製工場を問わず本当に経営的に痛んでいます。 私のような販売に携わる者が彼らの高品質の「made in japan」の製品を売り出す新たな市場を発掘する義務があります。
大げさではありますがこの五年の間にどれだけの職人をこの国に残せるかでスーツ業界の行方がかかっています。
現在、準備段階なのですが、そんな諸々の事情でCorvoでも新進気鋭の若手の手縫い職人と提携してCorvoでもフルハンドメイドスーツを取り扱いまいます。
お値段も20万円前後~でご提供しようかと検討中です。
オーダースーツの自由度をさらに広げる!
他店ではオーダースーツって言っても工場のラインの関係上、要望がかなえられなかったりすることがたまにあります。
Corvoではそんな時には別型紙(5000円(税別))というオプションを頂いて対応しております。(簡単なものなら料金がかからない場合もあります。)
通常、パターンオーダーは決まったパターンから、寸法を修正し体の姿勢、くせに合せ補正を加えていきます。
別型紙はお客様の要望に合わせ新たに型紙をおこす作業のことを言います。
型紙を新たにおこしますのでその分の追加料金はかかりますが自由度はより広がります。
お客様の中で雑誌をお持ちになられてこんなスーツ、ジャッケトが欲しいという方もいますが、なかなか、細かいところまでパターンオーダーでは対応しきれませんので別型紙をお勧めしています。
お客様に喜んで頂くのは商売をする者にとっては当然の義務であると思いますが、要望をかなえられお客様に喜んでいただくと売り出す方の私も嬉しいものです。