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クラシコイタリアとは?

 Corvoもそうなんですが、オーダースーツ屋は「クラシコイタリア」という言葉を好みますよね。「クラシコイタリアスタイル」なんていうパターンがおいてあることも。Corvoのオーダーシャツにも「クラシコイタリア」という型があります。正直、クラシコイタリアの使い方を間違えている気もします。
 
 四、五年前まで意図的にアパレル業界が「クラシコイタリアりブーム」を起こそうとする動きがありました。
 
 既製のスーツよりオーダースーツにその動きが大きく、ゼニア、ロロ ピアーナなどの生地ブランドが一躍有名になったきっかけのように思います。(ブームというほど体感的には感じなかったのは私だけでしょうか?)
 
 「クラシコイタリア」というのは「クラシコイタリア協会」というイタリアを代表する「エルノ」「ブリオーニ」「キートン」などの伝統的ブランドで構成された協会の商品(デザイン、縫製など)の傾向をさします。
 
 もともとは伝統的イタリアブランドの地位の確立のために「クラシコイタリア協会」は結成されました。
 
 また、「クラシコ」とは「伝統」の意味のほかにも「最上級の」「上質の」という意味合いも含まれているそうです。ですので彼らの謳う「クラシコイタリア」というのは最高品質かつ伝統的デザインのものを指します。
 
 厳密には「クラシコイタリア協会」に加盟するブランドの商品しか「クラシコイタリア」とはいえないんですが現在では日本のみならず世界的に伝統的イタリアブランドの傾向と認知されています。
 
 日本では単に伝統的ではなくイタリア調の製品を指すだけの場合もあります。また、日本では「クラシコイタリア」という場合、ナポリ調のデザインが多いです。理由は分かりませんが独特の形、ディテールが消費者に分かりやすかったかもしれません。
 
 ちなみに「クラシコイタリア」と謳っているオーダースーツ屋の型はほんとうに伝統的イタリアのデザインを理解しているのか疑問に思うことが多々あります。

在庫整理で掘り出し物を発見!!

  以前、「現物生地でオーダースーツ初回55000円キャンペーン(現在は68000円)」の生地を工場に返そうと整理していたらチャールズクレイトンsupper150の生地を見つけました。
 
  当店ではバンチ(見本帳)では扱っていないんですが以前、チャールズクレイトンを扱う問屋から頂いた卸値で定価を決めるとオーダースーツで118000円になる代物です。
 
 当店の縫製工場はオーダースーツ以外にも既製スーツの縫製も担当しているのでその際に出た余剰分なので縫製賃しかいただいていないのでお安くできるんです。
 
 何人かのお客様にお勧めしたのですが、茶色(茶色に薄いブルーのストライプ柄)ということもあり好みが別れ、売れ残っていました。すっかり忘れていました。
 
 チャールズクレイトンというの「グッチ」などを取引先に持つイギリスの最高級服地メーカーです。特に光沢のある生地に定評があります。
 
 少し夏よりのオールシーズン向けなので今からの季節ちょうどいいと思います。なによりsupper150ですので光沢(ただでさえ光沢の強い生地メーカーなのに)とぬめりがあり質感がものすごくいいです。(生地タグがないのが難点ですが。)
 
 今月の半ばぐらいには生地を返却しますので早いもの勝ちですので是非、ご興味のある方は見に来てください。ブログを見たとおっしゃっていただいたらいいことがありますよ。(笑)

大阪にはいい縫製工場が多い!

 大阪にはいいオーダースーツ、シャツ問わず縫製工場があります
 
 Corvoの担当工場も大阪にあります。工場名は非公開ですので公表はできませんが大阪に工場があり「国内最高峰」となると業者の方、詳しい方は大凡の見当はつくでしょうが。
 
 昔から船場が生地問屋の集積地となった関係上、老舗仕立屋から古くからの縫製工場がその周辺地域に集まっています。
 
 特に昔はウール地が高価だった時代からある仕立屋、工場は高級服を仕立てていた当時から現在でも高い水準の技術を維持しています。
 
 例を挙げれば「リングヂャケット」はオーダースーツよりも既製服が主力なのですが、マシンメイドのスーツの中では最高品質の仕立てでしょう。(ちなみにCorvoと同水準の縫製技術を持っています。負けていませんよ!)ちなみに、当店から少し行った淀屋橋に直営のショップがあります。
 
 雑誌で紹介されるショップは東京の店ばかりですよね。店の数も東京のほうが多いということもあるのですが、雑誌が東京に強い宣伝媒体ということもあるためかあまり大阪の店が乗ることがないように感じます。
 
 また、東京は客単価が比較的高く高価格なスーツが売れやすく高品質のものが多いという理由もあるでしょう。
 
 大阪は東京に比べ「いい店」「名店」が少ないとよく言われがちなんですが、いい仕立てのオーダースーツを作るところも探してみると意外とありますので探して見るのも楽しいかもしれませんね。

オーダースーツに合わせた靴は?

 Corvoのオーダースーツはナポリ調なので当然、合わせる靴もイタリアと思われるでしょうがなんだか最近はイタリアの靴もイギリスの靴も似たような形で大きな差がなくなっているように感じます。ですから基本的にはどちらをあわせていただいてもかまいません。
 
 靴もお国柄によってオーダースーツ同様、大きな差があります。
 
 最近は英国調のトレンドですので大々的にイタリアの靴を取り扱っている所は少ないですね。なぜだか、アメトラ調の靴を取り扱っている店は多い気がいたします。アメトラのスーツはすかっり見なくなったのに。
 
 スーツ同様、イタリアの靴は軽さを追求していますので製法もマッケイという大変歩きやすく足になじみやすいもが多いですね。また、色合いも黒のものは少なく、茶色のものが多く色合いも後染めのムラ感があるものが多く、装飾的デザインのものが多いです。
 
 英国調のものはスーツ同様、耐久性に優れたグッドイヤー製法のものが多く、色は黒いものがおおく、デザインもオーソドックスのものが多いです。
 
 両国の傾向としていえるのはイタリアはもともと細長く尖った形のもの、英国は丸っこいものが多かったのですが今は間をとったオーバルトゥという丸っこいと尖ったの間のものが多く見受けられます。

オーダーシャツのトレンド!

 オーダースーツ、オーダーシャツと既製のスーツ、シャツのトレンドって微妙に違うって知ってました?トレンドに左右されずにCorvoは頑固にクラシコイタリア、ナポリ調で今後も貫くのですが。
 
 オーダースーツ、シャツはトレンドの流れが比較的ゆっくりです。それはサンプル、ゲージ(サイズ見本)の作り変えのコストや諸々の諸事情があると個人的には考えています。あと客層の違いもあると思います。オーダー製品は基本的には高価となり年齢層が高めでオーソドックスで伝統的スタイルに需要があるからだと考えています。
 
 前置きが長くなりましたが今日は、シャツのトレンドについて紹介させていただきます。
 
 今現在、言われているのは英国調への回帰です。オーダースーツ、シャツ問わず英国調を意識したものが増えています。
 
 英国調のシャツによく見られるのはクレリックという仕様です。襟と袖を白色の別布をあしらったものです。もともとは修道士が襟と袖が汚れると張り替えていた服の名残なのです。現在でも張り替えて長持ちさせようとするのを「貧乏人のシャツ」として嫌う人もいるそうです。
 
 また、カフス釦を付けるためのダブルカフスという仕様も多く見られます。
 
 襟も開き気味のワイドが流行っています。これもよくブリティシュのシャツに見られる仕様です。
 
 柄もロンドンストライプという細い間隔のストライプのものが多いですね。クレリックに一番、合う柄です。
 
 スーツとシャツにも相性があります。イタリア調のスーツにはイタリア調のシャツが似合います。英国調には英国調のシャツが似合います。今後意識されてオーダーされてはいかがでしょうか?。

オーダースーツはジャケットよりパンツの採寸の方が難しい

 オーダースーツはジャケットよりパンツの採寸の方が難しいです。
 
 最近は細身の「パンツで」と注文される方が多く、私の感覚とお客様の感覚を一致させるので一苦労です。御希望は遠慮せず、お申し付けください。
 
 パンツにたいする最低限のゆとりは渡り(股の付け根)から十五センチ下で生地が四センチ前後つかめぐらいと言われていますが、電車の中のスーツ姿の方を見ているとそれ以下のようです。
 
 また、脚を長く見せたいというお客様が多くいらっしゃいます。脚を長く見せるためには後股上をあげると長く見えます。また、裾をフレア、短めにすると長く見えます。
 
 後股上を上げると着丈の短めのジャケットは合いにくくなります。股上を下げ、後股上をそのままにすると着丈の短めのジャケットでも合いやすくなります。
 
 オーダースーツはジャケットとパンツとの相性もありますので疑問に思われることは何で、も相談ください。

オーダースーツの楽しみ(釦選び)

 オーダースーツを作る際、みなさま意外と悩まれる釦なんですが、通常のオーダースーツ店の場合、プラスチックの釦でオプションで三千円前後で水牛釦かナットボタンをつけるのが一般的でしょう。
 
 Corvoの場合、オーダースーツの存在感をより十分に生かすため水牛釦、ナットボタンはお仕立て代金の中に含まれています。「オプションですか?」とお尋ねになるお客様もいますが無料ですのでご安心ください。黙って有料のものを付けたりはいたしません。(笑)
 
 スーツの場合にメタル釦を付けるのは一般的ではないので説明は省きますが、ナットか水牛か決めかねるお客様が多いのですが、一般には水牛釦です。
 
 水牛釦は以前ブログでご紹介いたしましたように水牛の角を削りつくりだすもので天然素材ならではの経年の色合いの変化を楽しめます。
 
 色合いなんですが角の先のほうが黒く、根元の方が白っぽいです。釦に加工されると削りだした部分の色合いによって白っぽいもの黒っぽいものなどに別けています。天然物なので色合いを別けているだけなので全く同じ色合い、模様のものはありません。釦一つ一つに表情、個性があります。
 
 結構、色合いで選ぶのを迷われる方が多いのですが、普段はかれる靴の色に合わせ選ばられると収まりがよくなります。特に淡い色のスーツ地に黒の水牛釦の場合、茶靴は合わせにくくなります。しかし、濃い色のスーツ地に淡い白っぽい釦でも黒靴はよく合います。
 
 ナットボタンは椰子の実を削りだしたものです。こちらも天然物なので全く同じものはありません。
 
 どちらかというと水牛釦より軽やかな印象を与えますので夏物のスーツ、ジャッケトに使われるのが一般的でしょう。
 
 色々な雑誌を読んでいると手付けの千鳥掛けがいいとありますが実際は安定性が悪いのでお勧めいたしません。装飾的なディテールですね。Corvoはあえて安定性のあるクロス掛けにしています。
 
 ちなみにCorvoのオーダースーツは釦は手付けですので針穴の小さな釦をお勧めします。針穴小さいものだと工業ミシンでは針が通らないので手付けならではの釦です。

オーダースーツに魅せられて

 自分自身、オーダースーツに憧れて十代のころからオーダースーツを客として仕立てていました。
 
 最近はCorvoのお客様にも20代前半のお若い方々がよくいらっしゃいます。以前にシャツを購入されたお客様に「お金を貯めてオーダースーツ作りに来ました!」とか言われちゃうと、なんだかうれしいことですね。私自身、若造なんですが涙が出ちゃいますね!(笑)
 
 お金をもらう立場なのでお客様に満足していただくのは当たり前なんですが、お客様に喜んでいただけるのは店員として気持ちのいいものですね。
 
 Corvoの提携工場みたいに高価格、高品質のものを作る工場はまだいいんですが、海外の安い労働力、安い工賃に押されオーダースーツの縫製工場もオーダーシャツも海外移転がどんどん進んでいます。既製品のほとんどはで海外工場で仕立てています。オーダー製品は一品物ですので輸送コストの問題で辛うじて日本に工場が残っているのが現状です。
 
 確かな技術の持っている昔からある工場も折からのアパレルブランドの工賃の値下げ要請で品質が落ちていっていますね。
 
 十年後に消費者の方々が本当に喜べるオーダースーツができるのかの岐路にあるような気がします。その道を左右するのも我々のようなアパレルに携わる人間だと思います。

オーダースーツ10シャツ2ネクタイ1~2靴5

変なタイトルなんですが、事業計画を立てる際に業者の方に教わった一般に言われている購入平均単価の法則があります。
 
 平均購入単価を大まかな比率で言うと「オーダースーツ10シャツ2ネクタイ1~2靴5鞄5~10」になるというものです。オーダースーツの平均購入単価が十万円ならシャツは二万円ネクタイは一万~二万靴は~という法則があるそうです。
 
 靴が好きな方は「靴にはスーツの三倍は出せ!」という方もいます。確かに手入れの行き届いた高級な上質な革を使い作りのいい靴はスーツをそれだけで格上に見せます。
 
 スーツスタイルというのはバランスです。オーダースーツだけ高く、高品質なものでも、シャツのサイズが合ってなく、品質が悪ければ全体の印象は悪くなります。うまくできた法則に個人的には感じています。
 
 値段に比例して品質が決まるわけではありませんが、買い物を際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

オーダースーツの形だけではありません店員を見てください!

 オーダースーツを注文される際に気になるのはその店のハウススタイルだと思います。「ナポリは柔らかく軽い。ミラノは堅い。」などなどです。
 
 実は店の店員にも大きな違いがあります。
 
 イタリアという国は昔は都市国家でした。それが今でも共和国制をとっていて一つの国家になってるのですが、イタリア人にはその昔名残が強く「自分はローマ人」「ナポリ人」というように都市への帰属意識が高く、その性格も都市毎にばらばらです。
 
 たとえば、ナポリは日本人が意識するイタリア人にちかく女好きで陽気で愉快な人が多いですが、北部に行くほど律儀で堅い人が多くなっていきます。それはナポリは田舎であったことと北部は貴族社会であったことに由来しているとも言われています。
 
 実際にナポリ人の女好きにはイタリアによく出向く日本のデザイナーも舌を巻くほどだとか。仕事の席でも目を放すとすぐに女性に声をかけているとか。北部(ローマ、ミラノ)は日本人のイメージからかけ離れた非常にまじめな方が多いとのことです。(一概にナポリ人が女好きで享楽的とは言えませんが)
 
 オーダースーツにもその特色がよく出ていますね。ナポリはセクシーでミラノは英国調のカッチリ。
 
 また、店員にも違いがあります。日本の仕立て屋さんて皆さんスーツを着ていますよね。ミラノ、英国のテーラーも着ていますがナポリは違います。スーツは着ません。ラフな格好で接客するとのこと。しかも、メジャーなんて使いもしません。自由ですね。(笑)
 
 日本で言われるほどナポリのオーダースーツは体には合っていません。シワも多く縫製も荒いのですがなぜか全体の見栄えはいいのです。それは彼らの女性にいかにモテるかにかける感性がなせる業でしょう!
 
 日本人のようなオーダースーツを工業製品を作る感性でそれを生み出すのは難しいでしょう。しかし、日本の縫製技術は世界一ですのでこの感性を日本人が理解することができれば日本は世界のファッションリーダーとしての地位を獲得できるでしょう。それは近いうちに達成されると思いますが。
 
 ちなみに私も一時期、セーターにシャツの格好で店番をしていました。私も根からの自由人です。
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