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コルヴォ名古屋・大阪ブログ

誤解④

 いいスーツやいいシャツは毛玉ができにくいと思っていませんか?
 
 あるお客様が「あそこは十万のオーダースーツなのに毛玉ができた!!」とお怒りなられてCorvoにいらっしゃいました。
 
 毛玉は使用環境、頻度によってでき方に大きな差があるのですが、一般に高級生地にできやすいのです。
 
 毛玉は基本的には細い繊維で織られた生地の場合できやすいです。supper120クラスの原毛を使用した生地なら間違いなく毛玉はできやすいです。シャツも同じで細い繊維の物は毛玉ができやすいです。
 
 織り方なんですが綾織り(斜めに織り目があるもの)や、ヘリングボーン(魚の骨のような模様の物)の物はできやすいです。こちらの織り方は光沢が出やすく、シワに強いです。
 
 夏物はたいていは平織りという織り方で織られているので毛玉はできにくいです。通気性がいいのですが反面、シワに弱く光沢が出にくいです。

腕時計をするためのシャツ

 オーダースーツ、オーダーシャツのいいところはサイズ調整が自由なところです。
 
 御存知の方は多いかもしれませんが、一般に腕時計はカフス(袖口)に入らなくてはいけません。当然、オーダーなら右と左でサイズの違う袖周りでお仕立て可能です。
 
 Corvoでは腕時計をする方の袖周りをしない方にたいして一センチ前後大きくしています。厚めの時計をされる方は2センチ程度大きくする場合もあります。
 
 また、カフス周りの上から時計をする方もいらっしゃいます。革ベルトの時計の場合、汚れを防ぐのとカフスのフィット感を大事にしたいからだそうです。

誤解③

 オーダースーツ、オーダーシャツ仕立てされるお客様で他店では「サイズはいつも~」などといわれる方がいらっしゃいます。
 
 サイズ表記はあくまでも各ブランドで各自で勝手に決めていますのであまり聞いても意味がありません。(なんかJasかなんかで一応、基準があると聞いたこともありますが、あまり詳しくは知りません。)
 
 また、「いつも、腕が太くてきついので太くして」といわれる方がいますが、Corvoのゲージはセレクトショップや今流行りの細身スーツと違いゆとりがありますので実際着ていただくとぴったりの場合が多いのですが、先入観でスーツの腕周りを広げなくてはと思いオーダーすると脇がぶかぶかのスーツが出来上がります。実際、Corvoのゲージを着ていただくと詰めなくてはならない場合が多いです。
 
 また、なで肩、いかり肩はゲージ服に相対的にどうなのかであって「筋トレしているからなで肩、はと胸なんですよ。」「僕、いかり肩なんですよ」という先入観は捨てていただきたいです。あくまでもゲージ服にたいしての相対的なものですから。
 
 なんだか注文が多いようなんですが、いいスーツを作るためと思いご了承ください。

誤解その②

 襟巾が狭いと「シャープに見える」という方が多くいらっしゃいます。
 
 実際に襟巾が狭いと日本人のような顔の大きい体型ですとむしろ顔の大きさが強調されて野暮ったい印象を与えます。(芸能人のように顔が小さければシャープに見えるのですが)
 
 Corvoのスーツはサイズによってのバランスを考え襟巾は違うのですが、基本サイズの46で9.3センチあります。イタリア南部はラテン系民族が多く日本人とよく体型が似てますのでナポリ調の襟巾の広いスーツは日本人に似合います。
 
 また。最近はゴージ(上襟と下襟)のラインが高いので、これは顔が大きな人はより大きく、小さな人はより小さく見せるので、顔が大きい方は襟巾が広い方がいいです。
 
 オーダースーツなので巾は替えることはできるのですができれば、ゲージのままにしていただきたいです。

誤解その①

 オーダースーツを作る際、みなさん、よく誤解されていることがあります。スーツを仕立てる際に少しでもお役に立てればとご紹介させていただきます。
 
 パンツの丈についてなんですが、ワンクッション、ハーフクッション、ノンクッションなど好みによって長さにも色々あります。
 
 脚の短い方はよく「脚が長く見えるように長めで」とご注文されますが、実際には逆でより一層、脚が短く見えます。
 
 脚を長く見せたいのならハーフクッションがお勧めです。ハーフクッションは靴の甲にパンツの裾が軽く触れるぐらいの長さです。
 
 ノンクッションは靴の甲に裾が触れず、靴下がほんの少し覗くぐらいの長さです。脚は長くは見えるのですがカジュアルな印象を与えるので個人の印象ではビジネス向きではないと思います。ジャッケトスタイルならありなんですが。(英国調のスーツで裾幅広いものならありなんですが)
 
 最近はパンツの裾はダブルが主流です。ダブルはもともとは英国紳士が結婚式に向かう際、雨に降られ、裾が汚れないように折り返したことが発祥といわれています。なので、ダブルは少し短めのハーフクッションと相性がいいです。

日本人の技術

 なんだか、ニュースを見ていると「ものづくり立国」日本の苦境を伝えるものばかりですね。
 
 海外から安価な製品が提供されることで日本製品が負ける。時代の流れとはいえ複雑な気持ちですね。
 
 既製品は現在は海外が既に主流ですがオーダースーツの縫製工場もどんどん海外移転が進み中国、最近ではベトナム、インドに原価を切り捨てるために安い労働力を求め移転が進んでいます。安い労働力を求めるだけならいいのですが製品の品質を下げるようなことをするから困ります。
 
 オーダースーツ屋の店主の戯言と思い読んで頂きたいんですが、スーツって正直、電化製品や自動車とちがい高度な技術を必要としてないんじゃないかと思いませんか?
 
 まぁ、スーツ作りは基本的には縫う、アイロンをかけるの繰り返しです。単純と言えば単純な作業なんですが、実はこの単純な作業をこなすには職人たちの長い修業の熟練された技術がなくてはできません。説明は後日に譲るとしますが。
 
 そうした技術を消費者に伝えきれなかった、伝えることを怠った小売業者(私を含めた)にも現在の日本、「ものづくり立国」の現在の苦境の一因がある気がします。私も小売業に身を置くからにはその責任を、背負わなければならないと常々、考えています。
 
 本来、日本産業には確かな技術があると思います。それを引き出す、リーダーとなる経営者、最前線で働く技術者たち、生産者、それを売り出す(消費者に伝える)小売業が一丸になってこの苦境に立ち向かわなくてはならなくてはならないと思います。
 
 技術、職人のもつ確かな技術は一度失ったら、再び取り戻すにはその技術を培った期間だけの時間を要します。技術とは脈々と職人から職人と受け継がれた伝統です。
 
 伝統とは厄介なもので伝統は常に失われた後に往々にしてその重要性に気付くものですから始末に負えません。

脱臭!汗抜き!

 スーツ、ジャケット、パンツが臭くなるのは致し方ありませんね。
 
 人間は汗をかき、体液、垢を出します。ひどい時は汗で潮を吹くことも。パンツならオシッコこぼすことも。(Corvoのお客様の中でも、私自身もたま、本当にたまにこぼします。夏はライトグレーのスーツは危険です。)
 
 せっかくのオーダースーツがシワがよって臭っては台無しです。
 
 一般のスーツをクリーニングにだすとドライクリーニングになると思うですが、人間の汗や臭いのもととなる皮脂はドライクリーニングでは落ちません。今は水洗いするクリーニング屋も多いですが高いです。経済的ではありません。
 
 春、、秋、冬なら多少、臭ってきたら霧吹きで全体を軽く湿らせて一晩干せば臭いは取れます。(シワ予防のためにできれば着用後はこの処理をしていただきたいです。)
 
 夏ならスチームアイロンが効果的です。蒸気をあてながら軽く生地に触れる程度の距離(当てるとテリの原因となります。)を保ちながらアイロンを動かしてください。テレビショッピングのようにシワは劇的には取れませんが一晩経てばだいぶシワはなくなります。全体が湿ったら軽くタオルで叩けば臭いの元となる汗、皮脂も蒸気と一緒に取れます。
 
 また、汗が臭うのはそれを分解する微生物?が原因と言われています。熱でその微生物が死ぬからスチームアイロンはより臭いが取れるとクリーニング屋の方から教わりました。
 
 またネクタイにもこの方法が応用できます。ネクタイもスチームアイロンで同じ方法で脱臭、シワ取りができます。

背広の呼び名の由来(オーダースーツ・シャツ専門店Corvo 代表)

 出戻りで大変、恐縮なんですが、またいろいろとブログでスーツ、ジャッケトに関する知識を御披露させていこうと思いますので、またよろしくお願いいたします。
 
 スーツのことを背広って言いますよね。
 
 「背広」って呼ぶようになったかいろいろな説があるんです。一番有名な説はロンドンの高級洋服街「セヴィルロウ」がなまり「セビロ」になり「背広」という当て字を当てられた。
 
 補足としてイギリスの「セヴィルロウ」はスーツ発祥の地です。スーツを語るものは源流がここにあることを忘れてはなりません。イタリア、フランス、アメリカのスーツはすべてここから派生したものなんです。
 
 現在でもイタリア人、日本人の多くの仕立職人、縫製工場の技術者は「セヴィルロウ」に修業、技術取得に行く方も多いです。
 

恥ずかしながら帰ってまいりました! (オーダースーツ・シャツ専門店Corvo 代表)

大人の事情でまたブログがこちらに帰ってくることになりました。
 
 右往左往して大変申し訳ないです。今後ともまたよろしくお願いします。
 

国産生地の最高峰、The royal caribbean cotton(ロイヤル カリビアン コットン)

 Corvoの取り扱うシャツ生地の中でインポート生地に並んで最も品質がよいのがThe royal caribbean cotton(ロイヤル カリビアン コットン)です。
 
 このカリビアンコットンは国産生地の最高峰の生地として名高いです。日本勢も海外勢に負けないくらいいい生地を作りますよ!!
 
 コットンの宝石といわれる海島綿の種をカルフォルニアで栽培した綿を使った絹のような光沢、肌触りの生地です。カサついた手で触ると毛羽立ちそうで怖いです。(笑)
 
 以前もブログでご紹介したのですが、主な特徴としては、業者からいただいた資料の文章をそのまま転載すると。
 
 
 
 原綿について
 
1・繊維をいためないように良質の綿花だけを丁寧に手摘みで収穫しました。
 
2・繊維長は38mm以上の超長繊維綿なので、上品な光沢としなやかさがあるため自然な肌ざわり(心地よい質感と柔らかさ)が得られます。
 
 糸
 
1・紡出段階で糸1本1本を毛焼きし、余分な毛羽を除去しています。
 
2・毛焼きすることにより、本来持っている光沢が更に増します。
 
3・染色性がよく、発色性が優れているため鮮やかな美しい色調に仕上がります。
 
4・糸ムラが少なく太さが均一なため、生地表面が綺麗に仕上がります。
 
 織り
 
1.量産用の高速織機を使わず、昔ながらのシャトル織機で生地に余分なテンションを、かけず丁寧に折ることにより、生地表面をきれいに仕上げました。
 
2・型織の段階で糊付けをしない加工方法を採用することにより、生地を傷めることなく綿本来の風合いを最大限引き出しました。
 
3・縦・横の糸の打ち込み本数を大幅に増やすことにより、生地のツヤ・ハリがより増しドレープ性にも富んでいます。
 
 
 
 
 
 このカリビアンコットンは高く13000円からの仕立てで「シャツなんて消耗品!そんなに出せるか!」とおしゃっていたお客様がこの生地でお仕立てなられてカリビアンコットン以外の生地ではシャツは着れなくなったというお話も聞きます。
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