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コルヴォ名古屋・大阪ブログ

映画「ゴッドファーザー」の話。

 古い映画の話になるのですが言わずと知れたギャング映画の名作のみならず映画界の大名作の「ゴッドファーザー」。
 
 ギャング映画なのでやはり登場人物はみんなスーツ姿です。
 
 (ネットから拾ってきた写真です。)
 
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  かっこいいスーツがたくさん登場しますからスーツ業界に身を置くものはこの映画を見ている方が多いです。
 
 古い仕立屋はこの映画を見てスーツに魅了されて修業された方もいるそうです。
 
 当時はインターネットなどの情報網が発達していなかったので映画が大きな情報源でこの映画を参考にスーツの型を考えたりもしたそうです。また、当時はファッション雑誌などもあまりなかったのでテレビ業界の人ですらアニメで時計などを登場させる際は銀座まで赴いて情報収集したほどらしいです。一般の方にとってはファッションを学ぶのはおのずと映画に限られたそうです。
 
 また、この映画はスーツにたいするこだわりがすごいんです。イタリア人の登場人物はイタリアのスーツの形なんですね。
 
 さらにギャングとしての貫禄を持たせるために(当時の流行もあるかもしれませんが)肩も構築的なものに、襟幅は大きめにゆとりも若干大きなものにしていますね。
 
 いろいろと勉強になりますね。
 
 どう着る人物を希望通りに見せるのか、仕立屋にとっての最大のミッションですから。
 
 また、Corvoでは雑誌を持ち寄られて「こんなスーツにして下さい。」という方も多くいらっしゃいます。スーツは高い買い物ですので思う存分、わがままをお申し付け下さい。僕が工場に徹底的にわがままを言います。(笑)

スーツの夏物と冬物の定義

 春夏物、秋冬物、合い物、オールシーズンとか良く耳にしますよね。
 
 具体的にはどういったものを夏物や冬物として区分しているのかというと特に明確な区分はないんです。
 
 一応の区分けとして、ウール地で250g/m(一平方あたりの生地の重さ)前後がオールシーズンと呼ばれているようです。
 
 素材、織り方にもよりますが、これより軽いものは夏より、重いものは冬よりといわれることが多いように感じます。
 
 現在は空調設備が整っているので冬物でも270から290が一般的です。夏では230から210ぐらいです。
 
 現在は比較的軽いものが好まれるようですがクラシックな冬物ですと400gのコート地のようなものもあります。
 
  生地業者の方がbulmer(イギリス生地)の420gの生地で仕立てたツーピースのスーツを着てきて「あったかいですわ!コートなしでいけますよ!!これ。」といって見せていただいたことがありますが、なかなか渋くてかっこよかったです。チェックの紫のストライプのタイを締められていてクラッシクなんですがトレンドを抑えた印象でした。(写真撮影をお願いすればよかったです。)
 
 ちなみに日本では夏向けのスーツでは背中の裏地を抜いた「背抜き」という仕様が多いですがこれは日本独特のものらしいです。(一部、上海のテーラーはこの仕様にすることがあるそうです。)
 
 業者、スーツ好きの中にはこの「背抜き」を認めずに夏でも「総裏」にされる方もいます。自分は少しでも涼しい「背抜き」にしますが。
 

シャツに夏物、冬物があるって知ってました?

 お客様に「その生地、夏物ですよ。」といったら「え!シャツに夏物とかあるんですか?」と言われました。
 
 実はあるんです。
 
 以前からブログでご紹介させていただいている、この夏押し出そうといっていた麻以外に綿でも夏向けの生地があるんです。
 
 一つはオックスフォードという織り方で織られた生地、もう一つは強撚糸(きょうねんし)で織られた生地です。
 
 オックスフォードは通気性がいい織り方で二本の糸を束ね平織りにした織り方です。(言葉では分かりにくいのですが。)特に細い糸で織られたものをロイヤルオクスフォードといいます。
 
 汗をかいても肌にまとわりつかず、透けにくいです。
 
 よく、釦ダウン(襟先に釦のついた)のシャツに使用される生地です。
 
 強撚糸というのは二本の糸を撚って一本の糸にする際に強めに撚った糸のことを言います。
 
 少し、ザラっとしたというか麻ほどではありませんがザラザラした感触の生地感になります。
 
 また、シワにも強いです。
 
 他にもカジュアルなもので言えばシアサッカー、鹿の子などの夏生地もあります。
 
 たまにオックスフォードのシャツを冬に着ている人を見かけます。
 
 心の中で「寒くないのかな?」と思うことがあります。

Corvoという名前のワイン

 オープン記念に皆さまから頂きました。
 
 Corvoという名前のワイン。
 
 イタリアのシチリア産のワインでテーブルワインとして日本でも有名だそうです。(お酒に詳しいお客様が教えて下さいました。)
 
 なんだかCorvoにぴったりのワインですね。
 
 ワインをスーツやシャツにこぼすと取れにくいと思われがちですが意外にもほとんどの場合は処理できそうです。
 
 今はほとんどの染みが取れるそうです。ですが、できれば汚れに気付いたら早めがいいそうです。
 
 現在、Corvoではスーツの水洗いに確かな技術を持ったクリーニング屋さんと提携してシーズン後のクリーニング、お預かりを一貫してさせていただくサービスを計画中です。
 

胸ポケットの話

「スーツの胸ポケットはなぜあるのですか?」と質問を頂きました。
 
 「少年の心をしまうためですよ。私は少年の心を忘れたくありません!」と言ったら「何、言ってんすか!」と大笑いされました。
 
 もともと、スーツの原型となった古いフロックコートなど胸ポッケトはついていませんでした。
 
 一説にはモーニングコート、燕尾服が礼服として通用するようになった十九世紀ごろから胸ポッケトが上着につくようになりだしたとも聞いたこと有りますが、調べてもみたんですが正式な由来はわかりませんでした。
 
 他説には心臓を護るためのおまじない(?)としてつけられたとも聞いたこともあります。
 
 謎です。
 
 フォーマルに仕立てられたチェスターコートには現在でも胸ポッケトがない物をまれに見かけます。

これからは靴は英国調。

 2004年頃から英国調への回帰が言われていていまだに主流がイタリア調が主流ですがようやく英国調が流行り出したように感じます。
 
 この業界の流行は業者が意図的に作り出そうとする節があります。ですので不発弾がたまにあります。
 
 自分がこの業界に入る前に「茶色のスーツが今のトレンド」と言われ一着、カシミヤの織り込まれた生地で仕立てたのに誰も着てないじゃないですか!(笑)個人的には気に入って結構着ていましたが。
 
 業者同士の話、雑誌などみていると丸っこいイギリス調の革靴が流行りつつあるようです。
 
 よく「イタリア調のスーツにイギリス調の靴は変ですか?」と御質問を頂くことがあるのですが、特に問題はありません。(個人的にアメトラ調のコバが大きくはみ出た靴は合わせにくいと感じます。)
 
 基本的に日本人は甲が高く、横に広く、足が丸いので丸っこいイギリス調の靴がよく馴染みます。
 
 イタリア調の長細い靴は合いにくいです。
 
 ちなみにCorvoのスーツの縫製を担当するファクトリーの社長はクロケット&ジョンズを勧めていました。
 
 やはり自分としては作りのいい日本製がいいと思います。最近では日本製でもデザインに優れた革靴も多いので自分に合った靴を探してみるてはどうでしょうか?
 

貝釦。

 シャツやジャッケトに良く使われる、貝釦というのがあります。
 
 一般に高級ドレスシャツ、夏用ジャケットに多用されます。
 
 材料となるのは高瀬貝か白蝶貝、黒蝶貝が一般的です。
 
 高瀬貝は淡い虹色の巻き貝です。お客様に聞いた話では広島では食用される場合もあるそうです。
 
 色は白(肌色に近い)がおおいです。裏側にかすかに赤い模様が入っていることが多いです。だいぶ前になりますが、「この釦、変色している。」と店員さんに言って笑われたことがあります。
 
 比較的加工しやすいので市場に良く出回っています。最近では既製シャツでも高瀬貝釦を採用するシャツ屋も増えている気がします。
 
 白蝶貝、黒蝶貝は特に貝釦の中で高級品とされています。
 
 虹色に光り、高瀬貝より光沢が強く、透明感があるといわれています。お客様に聞いた話では沖縄では食用される場合もあるそうです。
 
 また、貝釦の中にはアワビの殻を利用したものもあるそうです。
 
 貝釦の弱点は衝撃が加わるとすぐに割れることです。とくにプレス機を利用するクリーニング店にだすと割れます。
 
 ですのでCorvoでは通常はポリエステル釦を取り付けさせていただいています。オプション(500円)で貝釦に変更可能です。
 
 ブログを書き終わったあとに恐縮ですがこの話題以前に出しましたよね?重複していたらすいません。

クロゼットに二着は欲しいシャツ!

 Corvoには可愛いお姉さんが営業にやってきます。(お世辞なしにきゃわいいです!)
 
 「谷口さんっていつも白かブルーのシャツしか着ないですね。柄シャツは着ないんですか?学生のシャツみたいですよ。」といつも言ってきます。大きなお世話です!!!!
 
 自分は図体がでかいのでいつもストライプのスーツを着ます。柄、柄のスーツとシャツを合せるのはイギリスのウィンザー公が初めに広めたといわれています。イギリス発祥のファッションなのです。イタリアファション好きの自分は白シャツと薄いブルーのシャツが好きなんです。
 
 女性は総じて柄シャツが好きです。
 
 たまには女性受けを狙わず、正統派のシャツで男性受けを狙うならブロードの白シャツがいいです。
 
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(仕立て価格、7800円)
 
 写真ではわかりにくいのですがブロードという織り方で織られた光沢のある生地です。生地に使う糸は細番手の100番手です。肌触りはもちろん、品質はかなりいいです。
 
 このシャツはビジネスはもちろん冠婚葬祭、ジャッケトスタイルまで着まわすことができます。
 
 特別価格なので利益がほとんどないので業者の方に「あまり出さないでいてください。」と言われています。でも、少しはあるってことですね。(笑)
 
 着回しを考えればクローゼットに二着は欲しいですよね。有っても絶対、無駄になることはありません。
 
 ちなみに平織りなので夏には汗をかくと透けます。

生地ブランドの話②(ロロ・ピアーナ)

イタリア生地の中でゼニアと並び、イタリア最高級生地ブランドとして世界的にも有名です。
 
 最高品質の生地を提供するために糸の原料になる最高品質の繊維を手に入れるために世界各国に農場を経営をしています。
 
 最高級品しか提供しないので値は張りますが生産から販売までを手掛けるので生地のコストパフォーマンスはかなりいいです。
 
 中には着分、二百万円なんて生地もあります。
 
 最近はセレクトショップ向けの安価(高級生地にしては)な生地を卸しているそうですが。
 
 生地感は柔らかく、光沢があり、柄としては都会的で洗練された印象です。いかにもイタリア生地らしいです。
 
 私も暇な時にはバンチブック(見本帳)をめくりながら恍惚としています。
 

採寸の話

 「谷口さん!ちゃんと測ってくださいよ!!!!!!!!」
 
 以前から付き合いのあるお客様に言われてしまいました。
 
 こんな言い方をしてはなんですが神経質な採寸はスーツ作りにさほど重要ではありません。
 
 胸廻りを正確に測ります。
 
 そして胸に合わせたゲージ服(サイズごとに作られた見本服)を着ていただきます。(日本ではスーツは肩幅に合わせろと言いますが間違いです。)
 
 そこからが大切です。
 
 お客様の体を触りながら、ゲージ服をつまみ、お好みのフィット感を伺いながらゆとり量を見ていきます。
 
 ちなみ姿勢に関してのしわの出具合を見ます。猫背なのか反身なのか。
 
 また、肩の下がり具合、上がり具合も見ます。
 
 若い方(首が後ろに反る)、首の短い方多い、首の後ろにでる突きシワもみます。(怒り肩が原因で出る場合もあります。他のシワの出具合と見極めながら見ていきます。)
 
 全体のバランスを見て着丈を決めていきます。
 
 パンツはちなみにお尻廻りにあわせます。ウェストで合わせる方がほとんどだと思いますが、尻廻りに合わせて裾巾、膝巾が美しく見える巾が決まっています。(Corvoのパンツはややタイトです。お客様の要望で調節します。)
 
 お尻の出っ張り具合をお客様のお尻を手で触りながら確認します。辛抱下さい。
 
 若い方は太もも張っていてお尻に食い込むことが多いです。最近はボクサーパンツを履いていて気付かない方が多いです。そんな時は合わせ鏡でしっかりと確認してもらいます。
 
 当然、お客様の要望を伺いつつパンツをつまみながらゆとり量を見ていきます。最近は機能性を全く考えていない窮屈なパンツが多いです。機能性を考え運動量を考えゆとりを入れていきます。
 
 採寸では縦のライン(袖、着丈、股下)は正確に測らせていただきます。横のラインは体型、全体のバランス、お客様の好みで大きくサイズが変わります。なのでゲージ服を着ていただいてから見させていただいています。けして、いい加減に採寸しているわけではないのでご安心を(笑)
 
 ナポリのサルトリアにはメジャーを全く使わず、目測と触った感触のみで仕上げる職人もいるそうです。
 
 オーダースーツの基本は体のサイズに合わせることですが、サイズに合わせるのではなく「体型に似合うスーツを作る」と考えた方がいいかもしれません。
 
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