大阪店
実は外国人は黒のスーツを着ない!【大阪コルヴォ】
タイトルのままなんですが、外国人は黒のスーツを一般的には着ません。(一部のデザイナーブランドのスーツ、モッズスーツ、モードスーツを除いては)
「映画とかで着るじゃん。」といわれてしまうかもしれませんが、映画で着ていたりするのは限りなく黒に近い濃紺、チャコールグレーです。
なぜ、黒は着ないのかと聞かれると謎です。(業者さんに聞いたり、書籍で調べたりしたの分からなかったです。)
日本人が黒のスーツを着るようになったのは、日本人が明治天皇の大喪の礼の際に欧米の参列者を真似てもともと白が喪の色であったのを黒い色にしてしまったというのが始まりでそれがビジネススーツに浸透したのだと聞いたこともあります。
そもそも、ブラックスーツが戦後生まれと聞いたり、そう書かれた書籍を目にします。だとしたら辻褄が合いませんね。
日本では略式礼装として認知されているブラックスーツは海外ではマフィアか葬式のときに着るものだと認識されているそうです。欧米では日本のように葬式に関する服装がさほど厳密ではないようです。近親者以外は地味目なネクタイに地味目なスーツで参列するそうです。
日本人が黒いスーツを着るのは髪、目の色が黒くスーツ色がなじみやすかったからと聞く場合もあります。
個人的には単に日本で黒を着るようになっただけと思っています。海外の人が着ないのは単に好みの問題かなと。
誰かご存知の方がいたら是非、教えてほしいです。
オーダースーツのCorvo大阪から見る天皇陛下とスーツ
まだまだ健康状態が優れないこともあってなかなか素直に天皇陛下の誕生日を祝うことはできませんが、今日は天皇誕生日ということもあり畏れ多くも天皇陛下のスーツについて取り上げようと思います。
(画像は転載許可のあったサイトから拝借したもの)
上は濃紺、下はチャコールグレーのダブルブレストのスーツです。
天皇陛下は高齢のためか体が前へ屈伸(猫背)気味です。
首周りを見て下さい。綺麗にワイシャツとスーツの襟が密着して、しっかりと首周りに吸いついていますね。通常、陛下ほど猫背だと首周りが浮いてしまいます。これは卓越したアイロンワークとパタンナーの努力の結晶です。
下の画像のスーツの裾は陛下の姿勢にたいして綺麗に沿っています。陛下は屈伸体型なので型紙上もそれに合わせ着用時に直立姿勢で地面と平行になるように前丈、後丈を合わせています。
陛下のスーツのすごいところは何と言ってもこれを昔からお直しをされ続けご着用されていることです。お直しで十点のスーツを仕上げようと思えば通常の仕立てで三十点のスーツを仕立てる腕がなくてはならないといわれています。この陛下のスーツは間違いなく百点満点です。
ちなみに陛下が新たにお仕立てされずにお直しのスーツをお召しになられるのは昭和天皇の影響といわれているそうです。
明治天皇が自身の孫(のちの昭和天皇)が学習院に入学することからその養育を乃木希典閣下に託すべく、乃木閣下を学習院院長に指名しました。
この時、 乃木閣下に明治天皇より「無くなったわが子のように厳しく躾よ」との命があったそうです。これ以前に日露の戦役で乃木閣下の御子息は閣下の指揮のもとで戦死されています。
乃木院長は明治天皇の意の通り厳しく昭和天皇の養育に励んだそうです。勤勉と質素を旨とした教育を施しました。昭和天皇もこれに従い服もこれまでの皇族としては異例にも継接ぎだらけの服で登院されたそうです。一番、院で出の悪い子供に見えたそうです。蛇足ですが、乃木院長に車での登院をやめるように言われてそれ以降はどんな天候の中でも歩きで登院されたそうです。昭和天皇はのちに人格形成にもっとも影響を与えた人物として乃木閣下を上げられるほど慕っていたそうです。その時から常に質素を心がけ昭和天皇は服にたいしても必要以上に仕立てられなかったとのこと。
現在でもこうした乃木式の教育が皇室に息づいているとのことです。
一国民として、一刻も早く、陛下の健康状態が安定することを切に願います。
胡錦濤国家主席のスーツも体にあっていて極めていいスーツです。(政治的なことは置いといて)
大阪船場センタービル、探索。その三(いいスーツを着る意味)
呉服屋さんも江戸時代前から商業都市として発達していた関係から南船場には数多くの豪商が集まり、その豪商たち相手に数多く今でも存在します。
呉服屋さんの方が「いい着物を着た女は脱がしたくなるもんですよ。抱きたくなるもんですやろ。」とおっしゃいました。
表現はどうかと思いますが。(苦笑)確かに綺麗な着物を着た女性は大好きです。
質のいい着物は当然、着ている方を魅力的により美しくします。
「どんな生地を使おうが着物が良く見えてるうちは駄作ですよ。」とのこと。
確かに、着物に意識が言ったことはないですね。女性に目が行ってしまいます。(笑)
スーツにも同じことを言えます。スーツが良いと思われる内はまだまだ。
日本人の悪い癖で目的が本来の目的のための手段、技術になることがあります。私もそうなんですがついやれこのスーツは本バス毛芯だ、アイロンワークを使っているからいいという見方になってしまいます。本当は高度な技術、高級素材を使ったりするのはお客様の魅力を引き出すこスーツを作ることです。いいスーツは必ず着る人物を引き立てます。
日本の仕立屋さんはシワ一つないスーツを作りたがります。本来は体になじませなくてはならないのに。また、ブログで取り上げようと思います。
スーツと着物の形は違いますが目的は同じなんですね。
服飾業界にかかわるものとして常に本当の意味で目的を忘れずいなくてはならないですね。
大阪船場センタービル、探索。その二(釦の話)
繊維町ということもあり、釦、裏地、バックルなどの付属品、毛芯、接着芯などの副資材を取り扱いするお店が多いですね。
最近はスーツに昔は多用された水牛釦などの天然素材のボタンはめっきり減ったそうです。
昔は円安の関係で水牛釦はすごく高価なものだったそうです。インポート物のウール地も高くてなかなか手に入れるのは大変だったそうです。既成のスーツ一着で初任給二カ月分の時代もあったそうです。「日本もなんだかんだで金持ちな国になったなぁ」とおしゃっていました。
Corvoのスーツ、ジャケット、パンツはメタルボタンを除いてすべて天然素材のものから無料でお選びいただけます。
なぜ天然素材のボタンにこだわるのかといえば見た目の高級感もありますが経年の変化を楽しんで頂くためです。
天然のものなので時間がたつにつれ変化していきます。アフリカ水牛の角から削りだした水牛釦なら色が濃く、椰子の実から削りだしたナットボタンなら独特の色合いが生まれます。
二年、三年だけお客様のワードローブに掛けられていることを前提としたスーツには天然素材の高価なボタンをわざわざ使う企業が減ってきたのこと。
スーツを消耗品として扱う流れの現れですね。
どうしてもプラスチックや樹脂を固めたボタンは三年以上たつと劣化し白っぽく変色してきます。
昔は高価で高嶺の花のスーツを長く着ていただくことを前提としていたそうです。
Corvoのスーツは大切に扱って頂ければ五年から十年はもちます。是非、大切に扱ってください。
また、スーツは買い換えれないからせめてボタンだけ変えて雰囲気を変えようとボタンを購入されていく方も多かったとか。
中にはボタンを古いスーツから外して新しく仕立てるスーツに取り付けをお願いしに来る方もいるそうだとか。
Corvoではボタンの持ち込みを受け付けています。
当店の目と鼻の先にある船場センタービルにあるボタン屋さんから買って持っていただけたら丁寧に職人がお付けいたします。
大阪船場センタービル、探索。その一(繊維街の歴史)
本日は休みということもあり、店舗で少し片づけをした後、船場センタービルを少し歩いてみました。
店の目の前にあるのですがなかなか、赴く機会がなくて。
さすが繊維街ということもあり、多くの生地屋さんがありますね。
特にウール地などを我々のようなサルトリア、テーラーなどの仕立て屋に卸す業者のことを羅紗屋(らしゃや)といいます。
一軒のお店の店員さんにお話を聞かせていただきました。
もともと、船場周辺は戦国時代に石山本願寺を織田信長が下した後、織田政権時代、豊臣秀吉が天下をとったあと大阪を拠点とし水路を整備し商業を発達させたことにより昔からの大商業地帯だったそうです。徳川政権に移った後も交通の便、地理的に日本の中心にあったことによりますます水上交通の発達した商業都市に発達したそうです。
なぜ繊維街になったかというと不満をもった旧武士階級の人々を率い九州で西郷隆盛が明治政府に叛旗を翻し、西南戦争が発生したことによるそうです。
内乱は大規模で多くの兵士が戦場に赴くことになりました。明治政府軍の軍服を大量に供給する必要がありました。
戦場は九州です。当時は陸上輸送が発達しておらず水上交通の便のいい大阪の船場で外国からウール地を仕入れそれを軍服に縫製することになりました。戦争終結後も羅紗屋、生地屋が集まり一大繊維街が出来上がったそうです。
同じように軍靴を作るために多くの革の卸業者があるそうです。(船場周辺に革の卸があることは私も初耳です。)
いまでは大手商社の参入、スーツ需要の減少などの影響で羅紗屋、生地問屋の数もだいぶ減ってしまったそうです。
その店の方も高齢であと、五年前後で店をたたまれるとのこと。時代の流れとはいえ少し寂しいですね。
大阪駅チカのスーツ屋コルヴォ パンツ(ズボン)に関する下品な話※閲覧される際はご注意を
以前、ブログで紹介したように昔はシャツがパンツ代わりだったとご紹介させていただきました。
パンツを履かないので昔の男性たちは金〇袋が固定されていませんでした。(下品ですいません。)
しかも特に西洋人は大きいです。どうしてもパンツ(ズボン)の上にふくらみが出てきます。
テーラー、サルトリアは考えたのでしょう。袋を収めるほうのパンツを股下からひざぐらいまでを少し太くすることでこのことを解消しました。
現在はパンツの普及により袋が真ん中に納まるようになってきたのでこうした処理がなされることはあまりないです。
しかし、老舗テーラーでは現在でも触って大きさ、向きを確認したりするそうです。だいたい日本人は左だそうです。
ちなみにこの処理のことを金ぐせといいます。
金正日総書記が死去(大阪Corvoスーツに関係ない話)
今年を振り返ってのブログを掲載して間もなく、金正日総書記が死去されましたね。
良く、お客様に政治家の方々のスーツについてお尋ねされることが多かったものですから、政治家の先生たちのスーツを取り上げお話ししようと思いましたが、そんな気分では無くなってしまいました。
2011年は本当に衝撃なことが多かったように思えます。
政治的なことは一介のスーツ屋にはできることはあまりに少なく忸怩たる思いです。早急に朝鮮情勢、東アジア情勢が安定化することを切に願うばかりです。
無責任に感じるかもしれませんが私のような一介のスーツ屋は政治家の先生に頼ることしかできません。
様々のご意見、ご批判はあるでしょうが国民に選出された日本の野田佳彦総理はじめ、各大臣、議員、政治家の皆さまには今の時代の難局を越えれるようにただただこの国の舵取りをお願いするばかりです。
なるべくスーツに絡めたお話をブログで掲載するようにはしているのですが今回はスーツに関係ないお話で恐縮です。
「Corvoのスーツってなんで袖が開くようになってるんですか?」大阪コルヴォからのお話。
お客様に納品の際に「Corvoのスーツってなんで袖が開くようになってるんですか?」と質問をいただきました。
ご存知の方も多いかもしれませんがイタリアのオーダースーツの特徴ですね。
この仕様を本切羽(ほんせっぱ)、本開き(ほんびらき)とも言います。
諸説ありますが発祥としてはイタリアで、もともと、海外ではシャツは下着で上着は脱がないというルールがありました。(雑誌等では現在でもそのようなルールがあるといわれてますが、現在はそこまで厳格ではなく外国の方も上着は脱ぎます。)そのため医者の方が患者さんの診察、、手術のときに上着を汚さないように袖をまくるために作られたといわれています。
他の説では単にイタリアのサルトリアが技術を競い、こうした仕様のスーツを作り、それが波及した、などなど様々な説があります。
しかし、この仕様はオーダースーツならではのものです。この仕様を既製服に使用すると袖を詰めることができなくなるからです。(最近では高級オーダースーツに多用されて一般の方にも分か易い仕様なのかブランドの既製服でもなっている場合があります。)
イタリア人はわざと袖口からの釦を一つか二つはずして着用します。雑誌などでは左右非対称の数の釦をはずすと書いていますが実際には対象の釦をはずすそうです。ちなみに仕事中はすべてかけるそうです。
オーダースーツにこだわりのある方は「ここのスーツは本切羽ですか?」とお聞きになられます。通常、他店では三千円程度、オプションとして請求されてるみたいですがCorvoでは標準仕様で無料です。
特にこれといった意味はありませんが、オーダーらしいこだわりの仕様を楽しんでいただけたらと思います。せっかくですから仕事帰りに釦をはずされてみては?
オーダースーツのコルヴォ 感謝の気持ちが何よりの励みです
先日、納品させていただいたお客様に納品後の確認の電話を差し上げたところ「自分とこのスーツ、ばっちしですね。今までのスーツとはぜんぜん違いますね。また、頼みます。」とお褒めのお言葉をいただきました。うれしい限りです。
また、別のお客様にも「気持ち着てますよ。わざわざ、納品後に電話かけてくるとこなんて初めてですよ。」といわれました。 お電話をかけさせていただくと皆様に言われます。当然のことです。自分の売りよく出したものには責任を持つ。これができないのではお客様と長いお付き合いなんてさせていただけません。
昨日、スーツの受け取りに来られたお客様に「パンツの裾をシングルからモーニングカットにして」との指示を受けました。「了解いたしました。」。早急にお直しいたします。お手間をおかけします。
Corvoでは商品に責任を持っていますので当然、ご納得いただけるまでお直しは無料でさせていただきます。
そんなこんなで、オープンから三ヶ月と少し経ちましたが、二度目のオーダーの方もでてまいりました。うれしい限りです。
スーツを初めて仕立てると言って来てくださる方、イタリアスタイルのスーツがほしいという方、人と違ったシャツがほしいという方、いろいろのお客様が来られます。
是非、感謝の気持ちと、これからもご愛顧をお願い申し上げます。
それとスーツの購入をお考えのお客様もCorvoをご利用していただければ幸いです。
「スーツの上着をジャケットとして着ることはできる?」名古屋Corvoから補足
昨日、ブログで「スーツの上着をジャケットとして着ることはできる?」を掲載せていただきました。
補足説明をさせていただきます。
何度も繰り返しになり恐縮ですが、まず前提としていただきたいことはスーツの上着は上下セットで使うことを考え作られています。これをすることはきわめて異端なことです。
ジャケットとスーツの上着としての違いは着丈以外にもあります。
ジャッケトの襟巾はスーツの上着に比べ若干、細い傾向にあります。
そのほかにジャケットはステッチにわざとテンションを加え生地に凹凸を出したり、ポケットをアウトポケットにしたりします。スーツはそのようなことは一般的にはしません。フォーマルよりのジャケットとなります。
ジャッケトとスーツではまた使う柄、生地感も違います。大柄でフランネルなど打ち込みの甘いものなら比較的代用はしやすいでしょうが。
できるかどうかと問われれば出来るというニュアンスで捉えていただければ幸いです。
あまりお勧めはできません。よほどのファッションセンスに自信のおありの方でなければ代用は避けられたほうがいいかと申し上げます。
しかし、この難しいことをやすやすとやってのけるイタリヤの伊達男には心底、感心いたします。