コルヴォ名古屋・大阪ブログ
スーツはファッション
「男性のスーツ姿は二割増しでかっこよく見える」と女性たちは言いますよね。
スーツは男性を示すアイコンと同時にファッションとしても受け入れられるようになっています。
もともと、スーツは黒に近いチャコールグレー、ネイビーの生地で仕立てるのが基本でした。
スーツは軍服からの出自から制服としての色を濃く残していました。
そこにアンチテーゼする新興ブランドがありました。
第二次世界大戦後の1945年のローマに創業した「ブリオーニ」です。
「ブリオーニ」といえばイタリアスーツの代表ブランドです。
「ブリオーニ」は英国のスーツはフォーマル過ぎると考えていました。「孔雀のような装い」といわれるように、それまでのダーク色の多いスーツ地に対し「ベージュ」「明るいグレー、ブルー」などを大胆に取り入れスーツ業界に新しい風を吹き込みました。
ちなみに1952年史上初の男性のファッションショーを開いたのは「ブリオーニ」です。
近年のオーダースーツブームは日本でもスーツをファッションとして楽しむ文化の萌芽になればと思います。
汗対策
日に日に暖かくなり、これからの季節、汗をかくことも。
スーツにとって汗は大敵ですね。
「スーツ好き」でしたら暑くともスーツを着ていたいですよね。(笑)
通常、クリーニングは油性溶剤でのドライクリーニングとなりますので、油性の汚れ(油、皮脂など)は落ちても水溶性の汚れ(汗、尿など)は落ちません。
当店では水洗いクリーニング店の取扱店でありますが、お値段が張るとのお声をしばし頂戴することが。
街のクリーニング店でもドライクリーニングに水溶性の洗剤を混ぜた、500円程度プラスで「汗抜き」を受けているところもあります。
しかし、どんなに高級なクリーニングでも例外なく「洗う」という行為はスーツにダメージを与えます。クリーニングに出す回数は極力抑えていただくことがスーツを長持ちさせるコツです。
因みにドライクリーニングがなかった時代はチョークみたいなもので汚れた箇所を塗っていたとか。
私は特に大きな汚れがないようでしたら、夏物ならシーズン中に一回、シーズンオフに一回の計二回。冬物ならシーズンオフに一回ぐらいの頻度です。
ジャケットもさることながら、パンツは直接肌に触れるので特に汗が染み込みやすいです。
シャツの下に肌着を身に付けるかはよく議論されるところでありますが、私は汗っかきなのでシャツ一枚では汗を吸ってくれないので私は肌着を身に付ける派です。
また、昔は夏用スーツのステテコを履いてパンツに汗が移るのを防いでいました。(当時は綿素材でしたので暑かったことでしょう。)
最近ではユニクロの東レの繊維素材を使った「エアリズム」という商品で通気性、速乾性に優れた商品も出ています。一度、お試し下さい。
モデル
オーダースーツというと一括りにされてしまう感が有るので、今回はモデルについてのご紹介をさせていただきます。
エントリーモデルとしての「マスターゲージ」。
受注量が多いのは「マスターゲージ」です。
「くせ」のないスタイルで普遍的スタイルである。
豊富な仕様選択により、選択によって違った表情を楽しめるのが大きな特徴である。
主にスーツの王道を歩む「ブリオーニ」の系統を受け継いでいるのが「マスターゲージ」です。
ハイエンドモデルとしての「奉文」。
男性としてのセクシャルを前面に押し出した、「セクシー」かつ「遊び気」のあるスタイルである。
他のスーツとは一線を画す。細身で、着る人を選ぶ特徴がある。
「トム・フォード」などのセクシャルなデザイナーズブランドのスーツの系統を受け継ぐのが「奉文」です。
どちらに優劣があるというわけではありません。
「奉文」は男性用のドレスとでも言いましょうか。パーティーシーン、食事会、休日にパートナーとホテルで食事というときにも重宝します。深いVゾーンは、ジャケット感覚でチーフを挿してノータイで着用という選択も有です。
「マスターゲージ」にはビジネスシーンならどんなクラスの人と会う時でも恥じないフォーマル性が有ります。こちらは逆にノータイだと間の抜けた感が有ります。
そのかわりタイドアップした場合のフォーマル感は「奉文」に比べるべくもありません。
現物生地のご紹介
皆さんこんにちは。オーダースーツCorvo神戸の竹村です。
突然ですが、私は大阪に住んでいるんですが、当店のある旧居留地エリアは
海に近いためか少し肌寒く感じます。ただ来月には少し暖かくなりそうなので
今オーダーしているジャケットの仕上がりがすでに気になり始めワクワクしております(笑)
と、どうでもいい話はさておき、
神戸店で発見致しました特選生地をご紹介いたします。
「ドーメル」のスーパーブリオです。
ウール40%キッドモヘア60% 250g
ご存知の方もおられると思いますが、おさらいがてらキッドモヘアとは、
アンゴラ山羊から採れる毛でアダルトと合わせるとその生産量はわずか数パーセントという非常に希少な品種です。
特徴といたしまして独特の光沢、さらっとした感触、皺になりにくく、通気性に優れている。
正に日本の盛夏にスーツをお召しになる方のための生地です。
こちらの生地は1点しかございませんのでお急ぎくださいませ。
Dormeuil Super Brio ¥88,000-+tax
春夏生地 サヴィルクリフォード
皆さんこんにちは。
オーダースーツCorvo神戸の竹村です。
本年は昨年と比べ春夏もののスーツ、ジャケットをお選びになる方が非常に増えてきております。
その中でも本日はサヴィルクリフォードをご紹介致します。
あまり聞きなれない生地メーカーかと思いますが、
英国生地の聖地、ハダースフィールドに工場を構えております。
この生地の特徴としましては、ナノフィニッシュを施してあるということです。
ナノフィニッシュとは生地の繊維一本一本ごとにナノレベルの特殊加工を施すことで
非常に優れた撥水機能を持たせる、
簡単に言うと、夏場気になる汗やシミに強く、そして耐久性も高い
という正に夏物にピッタリの生地なのです。パンツのみでというお客様にもお勧めです。
ちなみにバンチ以外にもデルフィノ、バルベラなど現物生地にてご用意しているものもございます。
現物生地 Jacket Price¥51,000~
TALK2~新モデル「奉文」について 対談者 竹村直人~
「Corvo-コルヴォ-」では現在オーダーを受けているマスターゲージに合わせて今季新モデル「奉文」を投入する。
それにあたって、前回のTALK1に引き続きCorvo 神戸店 支配人 竹村 直人氏に新モデルについて語ってもらおう。
※新モデルは大阪店のみの取り扱い
通常仕立て価格に対しアップチャージ40000円
(情報は2015年3月時点のものです。)
新モデルの作成の経緯について
竹村;前回、少し触れさせていただいた新モデルの誕生には「価値の創造」という考えが含まれています。
今までの「Corvo」はコスト圧縮などの価格の面での経営努力してきました。
それは当然の企業努力であり、谷口代表はブランドには新たなる提案をすることで「価値」を生み出すこと「価値の創造」、またその義務があるといってきました。
質問;「価値」と言いますと?
竹村;コストパフォーマンスは押しなべて原価率で尺度を測ることができます。極端な例ではありますが、同じ値段の原価が10万円のものすごくかっこ悪いスーツと、原価5万円でものすごくかっこいいスーツどちらを着たいですか?
質問;後者のスーツですかね。(苦笑)
竹村:かっこよければ縫製や生地が粗悪でも売れると言っているように誤解はされたくありませんが、コストパフォーマンスだけでも意味がないのです。
質問;確かに。
竹村;いい縫製で、いい生地を使っていてもかっこ悪ければ、消費者はその商品に魅力を感じません。すなわち消費者を引き付ける魅力が「価値」と言えます。特にアパレルというのはかっこいいのか、悪いのかなどの感性でその商品の「価値」を測るところが多分にあります。
Corvoは新モデルを提案することで、ひいてはより「Corvo」ブランドの「価値=魅力」を高めようとの試みです。
質問;「Corvo」のコストパフォーマンスに、新なるモデルの魅力が合わされば、その価値、魅力は大きなものになるでしょうね。
竹村;最終判断するのは消費者の方々です。我々は消費者の方がほしいと思うような魅力ある提案をするために努力するのみです。(笑)
新モデル紹介
新モデル「奉文」
※襟はピーク・ノッチからお選びいただけます。
質問;名前がなんだか変わってますね。(笑)
竹村;谷口代表が日本のブランドだから日本人名がいいんじゃないかという「鶴の一声」でこの名に決まりました。由来については聞いても教えてくれません。(苦笑)
質問;なにか由来があれば聞いてみたいものです。型としての特徴は?
竹村;このモデルの特徴は構築的な胸の高さと、細い脇にしっかり噛んだアームホール、ウエストからすとんと落ちる蹴回し(ヒップ周り)がホールド感を与えます。
質問;細くても、なんだか男性らしい力強さ、貫録を感じさせますね。
竹村;そこがうちが特にこだわったところです。貫録をもたせようとすると重苦しい印象になります。逆にスタイリッシュに細さをアピールしようとすると軽薄な印象となってしまう。
質問;相反するものを両立させるのは難しいですね。
竹村;そこは仕立ての良さがやってのけます。(笑)
通常腰ポケットで終わるダーツが、裾まで落ちています。これは胸の高さを出す為、ナポリなどのサルト(仕立屋)がよく用いる方法なんです。ナポリはラテン系民族が多く、日本人同様、華奢な人が多いので少しでも逞しく、男性的に見せようとした工夫でしょう。
また襟のカットも曲線にすることで胸の高さを強調しています。
アームホールもそら豆型にすることで脇にしっかりと噛み、細いアームは腰と腕に空間を作り腰の絞りを強調する型となっています。
質問;すごくかっこいいスーツなので多くのお客様からオーダーが入りそうですね。
竹村;すいません。このスーツの縫製には手間がかかり、縫製委託工場の通常オーダーの兼ね合いもあり月産5着が限界なのです。さらに大阪店のみでの受注となっております。
このモデルは「Corvo」のアイコン(=象徴)となるべく、「ロロ・ピアーナ」社製の生地での仕立てしかお受けいたしておりません。また、制約が多く、腰ポケットは水平、袖付けはロープド、それ以外は一切受けておりません。
質問;このスーツにはプロの視点から見ても最高のデザイン、最高の生地しか扱わないというのは非常に贅沢に思えます。
竹村;売り手の理論ではありますが、「我々が最善と思えるものしか、お客様に提供したくない!」との強い思いがございます。
「奉文」は素材から細部の仕様までこだわったものとなっている。
まさに「最高品質のスーツを提供する」を経営理念に掲げる「Corvo」にとって「アイコン」と言える存在だ。
TALK1~「Corvo」について 対談者 竹村直人~
「Corvo」について 対談者 神戸店支配人 竹村直人~
Corvo 神戸店支配人 竹村直人 について
「阪急メンズ館」で勤務時に谷口代表に誘いを受ける形で2014年11月、「Corvo神戸店」支配人に就任した。
竹村支配人と谷口代表、Corvoとの関係はCorvoが屋号変更前、「ファイブワン」の名で運営していたときに遡る。
谷口代表は現「Corvo」の前身の「ファイブワン大阪・神戸店」の運営責任者として、運営をおこなっていた。
その当時、竹村氏はCorvo神戸店の前身の「ファイブワン 神戸店」にてフィッターとして採用され、勤務していた。
その後、販売員としてのスキルを磨くため、「阪急メンズ館」に籍を移すこととなる。
ファイブワンからCorvo として運営していた谷口代表から誘いを受け、Corvoにまた、戻る形でCorvo 神戸店の支配人に就任した。
今回は内部から、外から「Corvo」を見た竹村氏に「Corvo」についてお教えいただこう。
なぜ、百貨店勤務から「Corvo」へ?
質問;早速ですが、なぜメンズ館を退職し「Corvo」へ?
竹村氏;私はいつも百貨店の利益構造に疑問を抱いていました。「なぜこんなに高いのか?」と。
百貨店でのオーダースーツの原価率20%前後です。
「Corvo 」は50%前後、適正価格で商品を販売できる環境が「Corvo」にはあると思ったからです。
大袈裟かもしれませんが誠意のある仕事ができると感じたからです。
質問;今の立場は竹村さんにとって非常にやりがいのある環境なのですね。
竹村氏;はい!そのとおりです。
コストパフォーマンスの秘訣
質問;海外高級ブランドが数十万で売っているものを「Corvo」では十万前後のお金を払えば手に入る。なぜそれでも運営できるのですか?
竹村氏;会社というのは利益を追求する組織です。
「Corvo」も例にもれず利益追求の組織です。当然、お金がなくては運営できません。「Corvo」のスーツのコストパフォーマンスの理由は単純明快、薄利多売につきます。
質問;クールビスなどで「スーツ離れ」の今日、多くのスーツを売るというのは大変では?
竹村氏;「Corvo」は常にセール価格です。「Corvo」のスーツの価格と質の兼ね合い、すなわち「価値」を知ればおのずと、「Corvo」の顧客になっていただけます。
質問;良いものを売れば消費者は付いてくる。質すなわちそれが広告となるということですか。
竹村氏:まさにおっしゃる通りです。アパレルでは広告費が莫大にかかります。商品ごとに按分して広告比率を出すことがあります。
中には広告費比率と原価率が、広告費率が上回っているケースもあります。お金をかければいいものは作れます。代表は「原価率の高さは最高の広告」といっています。
質問;原価率を上げるだけで、お客さんが来るのでしょうか?それでは他店に真似されてしまうのでは?
竹村氏;鋭い質問ですね。実は「Corvo」の中で最も人気があり、コストパファーマンスの高い商品があります。
「ロロ・ピアーナ」社製の生地の一括仕入れ
質問;その商品とは?
竹村氏;それは「ロロ・ピアーナ」社製の生地を使ったものです。
ロロ・ピアーナの生地といえばスーツファンから絶大の支持を得た、最高級イタリア生地です。
「Corvo」では屋号変更時に、これを一括仕入しています。
一括仕入れすることで大幅にコストを圧縮します。
通常のバンチ買い(顧客のオーダーごとに一点一点仕入れる形態を指す。)に比べ4割から、高いものでは6割は安く仕入れることができます。
他社に比べこ小売価格として6割は安く販売できるのです。
質問;やはり在庫というのは店舗を運営する立場からするとリスクでは?
竹村氏;「Corvo」はありがたいことに多くの方に顧客様になっていただいております。ですので在庫の回転率は非常に高いものとなっており、トレンドに合わせて在庫を入れ替えることができます。初めはなかなか在庫を消却できず谷口代表が自分のスーツとして仕立てていたことも(苦笑)
しかし、いいものは必ず時間がたてば評価を受けます。
現在、「ロロ・ピアーナ」の生地でスーツを仕立てていただいたお客様の7割はリピーターとして「Corvo」を利用していただいております。
大阪店では売上の8割、神戸店でも7割を占める売れ筋商品となっています。
「お客様にいただいた恩恵は必ずお客様に還元する」これが「Corvo」のモットーです。
質問;そして「Corvo」では質の高い商品を売ることが可能となり、より顧客基盤は強固のものとなるということですか?
竹村;全くもってそのとおりです。顧客様から支持を失えば、その店に価値はありません。
新たな挑戦
質問;今年は「Corvo」としての挑戦が二つあるとお伺いしておりますが。
竹村;一つは「新たなる提案」。
まずは「新たなる提案」という考え生まれた背景について。アパレル業界では集客方法としてセールが横行しています。「Corvo」でもセールをしておりました。本来、値づけというのは適正価格でしているものを、セールで安くするというのはおかしなことだと常々考えていました。
質問;もともと「Corvo」ではセール価格でしたよね。
竹村;おっしゃるとおりです。(笑)本来「ブランド」とは価値を作ってこそ「ブランド」であると考えます。そこで「新たなる提案」をすることとなりました。3月中旬には新モデルの発表を控えております。
二つ目の挑戦は新店舗開拓です。組織としてスケールメリットを生かしより、顧客様に利益を還元できる体制をととのえたいと思います。
質問;本日は長い間、ありがとうございました。次回は新モデルについてお話しいただけることですが?
竹村;はい。紹介したいことが山ほどあります。ぜひ、次の機会にじっくりと。
質問;お話、楽しみにしています!