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コルヴォ名古屋・大阪ブログ

イタリアっぽさをアイテムで演出

 お客様にイタリア調のオーダースーツを売る立場の人間がこんなことを言っては根も葉もありませんが型紙や生地や縫製だけではイタリアっぽさは演出できません。
 
 スーツの型や縫製より、より明確にイタリア、ブリティッシュスタイルを演出するの組み合わせ、コーディネートです。
 
 まず、イタリアとイギリスのスーツスタイルの違いはVゾーンに現れます。
 
 基本的にはイギリススタイルの場合は色鮮やかなネクタイに柄シャツのような主張したVゾーンを演出します。また、イギリス人は柄シャツの襟と袖を白くあしらったクレリックシャツをよく着ます。
 
 逆にイタリアの場合は無地のネクタイ(ソリッドタイ)に白、淡いブルーの無地のシャツを合わせ、抑え目のVゾーンを演出します。
 
 しかし、ブリオーニはイタリアを代表する最高級ブランドですが、派手目のネクタイを提案しています。あくまでも傾向として捉えてください。
 
 また、チーフもイタリアっぽさ演出するポイントです。
 
 イギリス人は淵を合わせ几帳面に折り、控えめに胸ポケットに挿し込みます。
 
 イタリア人は大胆にくしゃくしゃにして無造作に突っ込みます。まずイギリス人はそんなことはしません。(笑)当然、覗かせる分量も多めに。また、たとえ淵を合わせて折ったとしても微妙にずらしたりして崩します。
 
 雑誌を見ていると大方、私が書いたようにイタリア調、ブリティッシュ調を演出していますね。
 
 しかし、あくまでも傾向は傾向です。あまりにもこれに固執しすぎると戦前の外国人が日本人はメガネを掛け、出っ歯のようなステレオタイプのような見方になってしまいファッションの楽しみを損ないかねません。

耐久性は絶対条件か?

 生地を選ばれるとき耐久性を気にされる方がいます。
 
 たしかに生地の耐久性は営業の方、通勤ですれる頻度の高い方には必要条件ですが、ファッションという観点ではあまりにもこだわりすぎるの如何なものです。
 
 耐久性の一点で考えれば繊維の中ではウールは強い方ですが、化学繊維には勝てません。ウールは天然素材で経年劣化します。また毛ですのですれれば毛玉ができます。
 
 ましてや高級インポート生地に使用されている細い原毛ではより一層、毛玉もできやすいです。
 
 イタリア生地なんて耐久性の観点でいえばお世辞にもあるとは言えません。
 
 それなのに遥かに耐久性に優れたポリエステルの生地よりもウールの細い繊維の細番手の生地が高値で取引されているのはウールの持つ軽やかさ、自然な風合いの方が高く評価されている証拠でしょう。
 
 靴を選ぶ際もマッケイかグッドイヤーか言われます。また、グッドイヤーは底の張り替えが何度もでき耐久性がマッケイよりあるとされています。
 
 しかし、製法上の理由からグッドイヤーは重く堅牢な靴になりがちです。反対にマッケイは柔らかく足に馴染みがよく軽いという傾向があります。
 
 どちらにも長所と短所があり、一概にどちらの方がいいとはいえません。
 
 耐久性があって長く使えるのは経済的にも重要な要素ですがファションとしてそれのみに拘りすぎるとファッションの選択肢の幅を狭めてしまいますね。


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コットンスーツ

 アメリカ人は映画やドラマを見ていてもコットンスーツを着た人が多く出演しますね。いわばアメリカのスーツの象徴のようなものですね。
 
 
 
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(プリズンブレイクの写真から)
 
 写真のスーツはいかにもアメリカ調ですね。ベージュのコットンスーツにミシンステッチ、レジメンタルタイとは反対向きの縞模様のストライプタイですね。夏のスーツと言えばコットンスーツはオーセンティックなアイビースタイルですね。
 
 しかし、イタリア人も良く愛用します。イタリア人は第二次世界大戦後の進駐軍の影響で、かつて下請工場として立場であったことからアイビーズタイルをよく取り入れますね。
 
 コットンスーツの魅力はシワ感でしょう。ウールのように深みのある色ではないのですが絵具のような色合いはその特徴を引き立てます。
 
 また、上下別々に使ってもいいのがコットンスーツのいいところですね。
 
 Corvoでもコットン生地を少数ではありますがご用意しています。ぜひオーダースーツでご注文ください。
 
 日本では濃色でなければビジネススーツとしてはコットンスーツは使いにくいかもしれませんね。でも淡い色のスーツの色鮮やかさは魅力的ですね。職場にもちょっとした遊び心があっても面白いかもしれませんね。
 

オーダースーツとブローグの靴③

 オーダースーツに対してどんな靴が似合うかを提案してきましたが今回のは今後、ブレイクすると勝手に僕が思っているものです。
 
 
 
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(ジョンロブのホームページからセミブローグの靴)
 
 
 
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 ブローグとは画像のように穴飾りのことを指します。もとはカントリー用、登山靴に施されたものとも言われています。現在ではビジネス、カジュアルの様々な靴に施されています。
 
 イギリスの靴によくみられるディテールで昨今のブリティッシュの流れを汲み今後、流行すると思っています。
 
 また、アメトラの靴では外羽根のブローグの施された靴は多いですね。五十代の方ならこの靴とは比較的なじみ深いと思います。丸っこい靴に施されることが多く、その形から「おかめ靴」とも昔は呼んでいました。
 
 イタリアの靴のような軽やかさはなく重厚感、見た目の厳つさが魅力の靴です。
 
 初見はその派手な穴飾りで好き嫌いは大きく分かれますが、エレガントな足元を演出し、ジャケパンとも良くい合い、使い回しも利きます。太めのジーンズに合わせても相性がいいです。
 
 その重量感、故に細身のパンツより少し太めのパンツの方が相性がいいです。
 
 最近のオーダースーツもパンツは太くなりつつあるのはこうしたブリティッシュ調の靴の影響でしょう。

オーダースーツとストレートチップの靴②

 オーダースーツに合わせる靴でフォーマルなものはストレートチップです。
 
 
 
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(ストレートチップで内羽根の靴・今井宏樹氏作)
 
 つま先に一文字に真っ直ぐにはいったステッチをストレートチップといいます。
 
 現在は冠婚葬祭、フォーマルな席でこの内羽根式のストレートチップの靴なら通用します。(燕尾服の際はエナメルのパンプスにすべきとも言いますが、こちらで代用も可能とされる場合もあります。)当然、ビジネスシーンにも最適です。しかし、ジャパンのようなカジュアルシーンには向きません。
 
 そういった意味では白のシャツと同じように何にでも合わせられる優れモノです。オーダースーツでいえば濃紺のスーツとでもいうものでしょうか?(笑)
 
 ストレートチップは色々な形の靴に施されます。モンクストラップのものにも。
 
 
 
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(ストレートチップのダブルモンク)
 
 モンクストラップになるとカジュアルな印象になるの国賓など迎えたような厳格なフォーマルな席には向きませんが冠婚葬祭などの席では許されるようです。葬儀の際は金属の金具は不適切とされることもあります。最近は服装よりも死者を悼む気持ちを重んじられそこまでルールに拘ることもなくなりつつあるようです。
 
 つま先に蝋と水を垂らしなんども磨き上げる人もいます。これを「鏡面磨き」とも言います。イギリス人はよく丁寧に磨き上げられた黒のストレートチップの靴を好みます。
 
 ともあれ、ストレートチップは万能選手で一足は持っていたい靴ですね。

オーダースーツとスエードの靴①

 せっかくオーダースーツを作られるのなら靴にもこだわりたいですよね。
 
 
 
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(シングルモンクのスエード)
 
 
 
 靴はオーダースーツ、シャツに劣らず重要なアイテムです。
 
 以外に使い回しの利く靴があります。それはスエードの靴です。
 
 日本人はなぜかスエードの靴を秋冬ものとして春夏には敬遠しがちですね。世界的に見てスエードは秋冬に限らず通年で使い回せるアイテムとして認知されています。
 
 ビジネス使いには避けた方がいいと言われる場合もあります。確かに表革の靴よりはカジュアルの印象を与えますがルール上はビジネスシーン、スーツに合わせても大丈夫です。銀行員の方などのお堅い職業の方は避けられた方が無難かもしれません。
 
 その柔らかな印象は少し遊び心をスーツスタイルに持たせたいとき、ジャケパンとの相性は最高です。
 
 スエードの良さは手入れの簡単さもあります。ブラシで時折毛並みを揃えてやるだけでいいんです。梅雨時のような雨降りの時には大変便利です。表側の靴のように靴磨きの手間もほとんどありません。
 
 また、写真の靴の形は「シングルモンク」といいます。シングルとはバックル(甲を抑えるベルト)が一つという意味です。二つあるものは「ダブルモンク」といいます。
 
 「モンク」というのは修道士の意味です。修道士の履いていた靴にこのようなバックルが施されていたので、ベルトで甲を抑える靴は「モンクストラップ」と呼ばれるようになりました。「モンク」というのは「モンクストラップ」の略です。
 
 本来、スーツに合わせる革靴は紐靴でなくてはいけませんが、「モンク」は例外で認められています。
 
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(ダブルモンク)

ジャケット生地とスーツ生地のちがい

 お客様に時折、ジャケット生地でオーダースーツをと注文を受けたりします。
 
 ジャケット生地はスーツ生地と違い、打ち込みが弱い(生地の糸の本数の密度の薄い)ものが多く、スーツにしたらパンツの膝が抜ける場合があります。また、耐久性の面でもあまりお勧めはできません。
 
 ジャケットはパンツに比べ摩耗する箇所が少なく多くの場合は弱い生地です。
 
 カシミヤの生地が例外を除いてコートやジャケット以外に使われることがほとんどないのは摩耗を避けるためです。特に細い繊維の生地はすぐ毛玉ができ、擦り切れます。
 
 中にはスーツで仕立てることも可能な生地もありますのでその都度、御相談していただけたらと思います。
 
 スーツにしても大丈夫な生地の見分け方は斜め方向に引っ張ってよく伸びる生地はパンツにすると危険です。スーツ生地とジャケット生地で比べてみるとその伸びの違いがよくわかります。(素材にもよりますが)
 
 逆にパンツ生地でオーダースーツをお作りになることは問題ありません。
 
 
 
 余談なんですが先日、イタリアの生地とイギリスの生地とでは圧倒的にイタリアの生地の方がデザイン性があって色使いが鮮やかな理由はなんでなのかと業者仲間と話していました。
 
 「イタリア人は女を口説くために着飾るんだよ。」と言われてしまいました。(笑)
 
 昔、本田宗一郎が「この世に女がいなかったら俺は麻袋を着て過ごす。」と言っていたとの話を思い出しました。名誉工学博士を大学から送られた時も社員から「工学博士」ではなく「エロ博士」といわれた人間らしい本田さんらしい言葉ですね。
 
 (そのスケベ心からはわかりませんが)本田さんも自動車をただ乗る道具としてではなくデザイン性にも大変こだわったそうです。
 
 スーツもただ単なる仕事着ではなくデザインを楽しむ余裕も欲しいものですね。
 
 本田さんにまつわるエピソードをおひとつ。ある時、来賓客がトイレで入れ歯を落としたそうです。当時はくみ取り式で、本田さんはその入れ歯を探し当て見つけ出してお客さんに渡したそうです。お客様はさぞ、対処に苦慮したことでしょうが、経営者として語られることが多い方なんですが、なんだか接客する人間として自分も学ぶところの多い人だったようです。(笑)

トレンチコート、アルスターコート(オーダースーツに合わせるコート)

 季節外れなんですがなんだか、お客様にコートについての質問を頂いたので少しコートについてご紹介させていただきます。
 
 
 
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(トレンチコートを着た男性)
 
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(前列左のチャーチルがアルスターコートを着ています。中央のルーズベルトはステンカラー?)
 
 
 
 スーツに合わせるコートと言えば一般的にはチェスターコート、ステンカラー、トレンチコートですね。
 
 トレンチコートは以前、ブログでご紹介させていただいたように塹壕戦に向く兵装として生まれたものです。
 
以前のブログ リンク先http://sartoriacorvo.com/?p=523
 
 
 
 日本ではあまり見かけないアルスターコートは実は来季の注目の的なんです。
 
 チャーチル元首相の着ているコートとトレンチコートの形が似ていませんか?トレンチコートのもとになったのはこの「アルスターコート」なんです。
 
 アルスターコートは北アイルランドが発祥とも言われています。
 
 特徴は大きな襟です。エレガントな印象ですね。この襟の形を「アルスターカラー」という場合もあります。
 
 優れた防寒性、デザイン性で20世紀初期のイギリスで流行したそうです。日本でも昭和初期に流行したそうです。
 
 コートに関してイギリス発祥の物がおおくイタリア発祥の物はあまり聞きませんね。スーツも元はイギリス発祥なんですがスーツのような独自の発展はなかったようです。気候の関係かもしれませんね。

ストライプ(オーダースーツの生地の選び方)

 スーツやジャケットの生地といえば無地、ストライプかチェックが一般的です。
 
 一言にスーツの柄と言ってもストライプにもいくつか種類があり、チェックにも種類があり印象を大きく変えます。
 
 一般に無地は最も無難なものとして扱われます。特に海外では濃紺の無地はフォーマルなものとして扱われます。
 
 ちなみに高度成長期は日本のサラリーマンがグレーの無地のスーツを好んできていたことから「溝鼠」と海外の方から揶揄されていたそうですね。お客様に教えていただきました。
 
 ストライプは無地よりもカジュアルにはなります。時折、ビジネス使いに大丈夫かと気にされる方もいますが会社の社風にもよりますが、問題ありません。
 
 アメリカなどのエリート銀行員は好んではっきりした縦じまに縦じま同士の幅1cmほどのストライプのスーツを着ます。それから「バンカーストライプ」といったりします。相手に信頼感、知的な印象を与える柄とも言われています。
 
 現在の流行で言うとこの「バンカーストライプ」が一般的ですね。流行と言っても昔からある柄なので廃れることはなく今後もあり続ける柄です。
 
 ストライプははっきりすればするほど間隔の幅が広くなると男性的な力強い印象になります。反面、カジュアルな印象にもなり着る場面を選びます。
 
 ちなみに体型にも幅を気をつけなくてはなりません。100kgを超える人と50kgの人とでは体の横幅が違います。同じ間隔のストライプを乗せてみても印象は変わってきます。
 
 雑誌を見てこんな柄のスーツをと注文されても出来上がると印象がちがうのはそうゆうことです。

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(ボタンフライ)
 
 
 
 最近、ちょっと変わったオーダーを頂きました。「ボタンフライにできますか?」と。
 
 昔はチャックがなかった時代は写真(ジーンズに施されたものですが)のようにボタンで前を留めていました。
 
 現在でも老舗テーラー(特に英国の仕立屋に多いような印象があります)のオーダースーツなどに時折クラシックなディテールとしてスーツに施されたりします。
 
 スーツやジャケットに合わせるスラックスなどよりもジーンズがこの仕様になっていることが多いですね。
 
 今は使い勝手のいいチャックが一般的ですが、クラシックな雰囲気を楽しみたい方は尾錠、サスペンダーボタンと併せて仕立ててみるといいでしょう。こうしたディテールに拘れるのはオーダースーツならではですね。
 
 ただし、馴れてないと掛け損なったり、閉め忘れることがあるので注意が必要です。(笑)昔の日本軍の将校がシベリア出兵の際にボタンを閉め忘れいて寒さで凍傷で男性にとって一番大事なものを切断するという笑うに笑えない話もあります。
 
 
 
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(サスペンダーをした男性)
 
 
 ちなみにサスペンダーについても少し。
 
 サスペンダーは最近、注目を浴びています。その理由は英国調の流れです。サスペンダーは英国紳士のシンボルのようなものですね。
 
 もしサスペンダーをされるのなら股上、後股上を深めにし、ウェストにいつもよりゆとりを持たせるといいでしょう。
 
 肩はこるのですが、、パンツを持ち上げるサスペンダーはパンツのラインを綺麗に見せる効果がありお勧めです。
 
 サスペンダーは人前で見せてはいけないというルールがあるのでジャケットを着ていなくてはいけませんので秋冬のスーツ、パンツにお勧めです。
 
 昔はスリーピースにはサスペンダーをというルールはありましたが今はベルトでもいいようです。
 
 ベルトのバックル(金具の部分)でジャケットのお腹が膨れるのが嫌だという方はどんな時でもサスペンダーをされます。
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