大阪店
ジャケット生地
Corvoにはジャケット用のヴィンテージ生地が沢山ございます。
前経営者がいろいろな伝手で商社からコツコツと買い揃えたもの、ファイブワン時代にメーカー製品のあまりなどの工場にあった在庫を持ってきたもの。
バルベラ、ドーメル、カノニコ、御幸毛織、ブランド不明なものなど、様々な生地があります。
どれも逸品ぞろい。寝かせておくには少々、惜しい。
(裏事情ですが)私がファイブワン 大阪店を買い取った時に税理士さんに言われ、全部、減損会計したので在庫上の価格は0円。
ですのでお買い得な価格でご提供させていただきます。
(上がバルベラ、下がブランド不明、多分カノニコと思われます。)
(ブランド不明、黄緑に赤のオーバ―ペン。甘い織でコートにもおすすめです。)
(御幸毛織の千鳥格子。パンツにしても大丈夫そう。10着分はありそうです。)
値段はすべてJK仕上がり価格51000円(税別)
ちなみに私が個人的に仕入れてきたメタルボタンもご用意しております。(別途OP5000円)
興味のある方は大阪店までお越しください
オーダーシャツを楽しむ②
鎌倉シャツの代表のNEW YORK 出店のブログを読んでいたら、「胸ポケットがついたシャツは売れなかった」と書かれていました。
鎌倉シャツは日本のドレスシャツメーカーのなかで大変勢いのあるメーカーさんですね。
そして、ポケットの無いシャツを標準仕様としたなどと、業界の人間から思い切ったことをされているようで私自身、規模は小さいながら同じアパレルの経営者として尊敬させていただいおります。
業界の人間なら「全数(ボタンダウン以外)をポケットのなしのシャツ」にすることがいかにリスキーなことかわかります。
日本のビジネスマンは「ポケットがないと不便」と言います。ポケットがあるか、ないかで売上にものすごく影響があるのです。
規模の大小問わず、「ルール違反は分かってはいるけど売り上げはかわいい」という、販売側のジレンマというのがあります。
シャツにしろスーツにしろドレスコードがあるものはやはり規律に則し、その範囲の中で遊ぶのがルールです。
「ム!それはドレスコード上からいえばそれはルール違反だぞ!」と分かっていてもオーダーを受けてしまうこと、それはお客様は一時的は満足されるかもしれませんが、本当にそれでいいのか?誠意があるのか?。
特にお客様のご職業が人前に出らられる方とわかっていればなおさら我々も強硬に反対します。
たとえば「ボタンダウンでクレリックでお願いします。」とお客様から私どもがオーダーを受けたとします。
「分かりました!」といえば必ずお買い上げいただけるでしょう。
しかし、「お客様、それは袴にスリッパと同じようにルール違反なんですよ。」と言ったら「じゃぁ、買うのやめた」となりかねません。
もし販売員が「ボタンダウンとクレリックの組み合わせはよくないですよ。」といったならそれは非常に良識のある販売員の方です。
オーダーシャツを注文する際にもそういった良識のある販売さんを「こいつはうるさい販売員だ!客の好きなようにさせろ!」と思わず「お客様にベストな提案をしようとしている。感心!感心!」と温かい眼差しでみてください。
いい店というの好事家からビギナーからすべての方に楽しんでいただける店だと思います。
ビギナーさんは分からないことがあれば販売員さんに意見を聞きながらデザインを決めると間違いのないものが仕上がると思います。
気分転換
私事ですが、私物の「オーダーシャツ」が出来上がりました。
工場が繁忙期で込み合っていたこともあり、あくまでサンプル品ですのでお客様のシャツ優先で縫っていたので、大分納期がかかりました。
またまた、私事ですが最近カメラにはまり、お客様に写真の撮り方を教わり、写真をこれまで以上にアップできればと思っております。
私が選んだ衿型は「Kワイド」です。
裏前立、ポケットなし、カフスはシングルカフスの大丸、背プリーツの一般的なビジネス用のシャツの仕様です。
まだ洗濯前なので糊付けされて分かりずらいのですが、カラーが直線ではなく少しカーブを描くラインなのがわかるでしょうか?
また、ラペルの端からい1mmの位置に施されたコバステッチのピッチは1mmピッチです。
コバステッチは生地のパッカリングを防ぐ役目がありますが、手間の掛かる仕様でほとんどのシャツには3mm程度、内側に入ったステッチが施されます。非常に丁寧な仕事であることがわかる、仕上がりです。
「Kワイド」はゴージの高い、イタリア調のスーツ、JKととても相性がいいです。
また、Corvoのフルオーダーシャツ衿の台芯を通常より固くしているのでノータイ時にでも衿が立ちます。
衿と台衿、身頃の接続部はハンドメイドを採用しています。
ネックのパターンにも首に沿う理由があるのですが、専門的になりすぎるので割愛します。(所謂、前首という補正を入れています。興味のある方は私に直接、お聞きください。)
型線の縫目も1mm以下のピッチ、目測で0.5mm程度かなとおもわれます。非常に綺麗です。
私どもの店の商品ですので、自画自賛になりますが、縫製に非常に凝っています。(笑)
この間、上着を脱いでbarで飲んでいるときに当店以外の商品のシャツを着ていたのですが、バーテンダーに「いつものシャツと違う。いつものシャツは高そう。」といわれました。
分かる方にはやはりわかるようですね。(笑)
オーダーシャツを楽しむ①
前回、既製シャツについて紹介しましたが、日本に出回っているインポートものの高級シャツといえば3万以上になってしまいます。
一着3万円以上のシャツを普段使いにするにはなかなか、難しいと思います。
1~2万円前後で楽しめる既製シャツといえばあまりありませんね。(日本ブランドには中間価格帯の製品の展開が少ないと感じるのは私だけでしょうか?)
Corvoではフルオーダーシャツを13000円(税別)~取り扱っています。
オーダーシャツを本当に楽しみたいのなら少なくともフルオーダーに限ります。
よく言われるオーダーシャツの嫌われる理由として衿型がダサい、アームホールが太いなどが挙げられます。
名こそ、オーダーシャツとして巷に出回っているものはパターンオーダーシャツなのです。
パターンオーダーシャツは着丈、袖丈は調整し、ボディーサイズ、ネックサイズ、カフス周りを出来合いのものから組み合わせ作られます。
この仕組みは非常によくできた仕組みです。ほとんどの場合ゲージを用意しているのでお客様にイメージに合ったものが作りやすく、品質、価格の面で優れています。
しかし弊害もあります。
出来合いのものを組みなおすので2サイズ以上違うものは組み合わせることができない、たとえばボディーが46、首回りが49だと組合すことができないなどの制約があります。
ですのでお客様に妥協していただき48サイズのボディーにしてもらったりするので「オーダーなのになんか合わないぞ」と感じられることがあるのです。
また、出来合いの為、アームの太さ細さなどに対応できない事情もあります。
ならば「フルオーダーは万能か?」といわれればそうではありません。
ゲージがないのでお客様にイメージがしにくく、また厄介なことにシャツのゆとり量はジャケットに対し好みによる差が大きく、二度目以降より過去のオーダーに対し修正を加えていく流れが必要となります。
フルオーダーシャツというのは選択肢が多く、非常に自由度が高いのでしっかりと販売側はお客様のイメージをつかまなくてはなりません。
また、本当にオーダーシャツを楽しむのであればお客様にもそれなりのイメージを伝えるために知識が必要となります。
今日はここまでで次回の②続きます。
シャツについて②
引き続きシャツについてです。
既製シャツにも独自の良さがありますが、オーダーシャツにもまた良さがあります。
落合正勝さんがオーダーシャツから既製のシャツに返られたと前回のブログに書かせていただいたのですが、それには時代背景があります。
今でこそ、オーダースーツ、シャツはお洒落なイメージですが、十年ほど前まで縫製工場、仕立て屋さんのデザインは現在よりも大きく前時代的で流行に乗った形を作っていなかったことにあります。
「大きなゆとりに太いアームホールに狭い開きの衿型」といった、形は市場から受け入れられなくなっていきました。
数年ほど前から、仕立て屋さんもネットや情報誌の発達により流行を追った型を起すようになってきました。
まるでイタリアのシャツのようなに綺麗なロールを描いた物、腰の絞りを出す腰ダーツ、立体裁断の尻すぼみのカフスなどなど。
私自身、ここ数年でオーダーシャツから「ダサい」というイメージは払拭されたと思います。
もし落合さんが存命ならまたオーダーメイドシャツに戻ったかもしれませんね。
シャツについて
最近、革靴と同じぐらい凝っているのがシャツです。
自分の店の商品紹介より別のブランドの紹介が多く、商売的にいかがなものかなと思ってしてしまいそうになりますが、書きたいことを素直に書く、スタンスで行かせていただきます
Corvoでもオーダーシャツの取り扱いがあるので一通りの縫製、デザインについては存知てはいました。
しかし先輩諸氏、常連のお客様に触発され、より知識を深めようと数か月まえから、他ブランドを知るために休日はセレクトショップ、百貨店に通い詰めました。
見るよりも着てみるべしと私が買おうとしても、合うサイズがなく実際には購入できていませんでした。(泣)誰かブログのお読みの親切な方で、ラージサイズの取り置きのある場所をご存知なら教えてください。
既製の高級シャツブランドといえばバルバ、ブリーニ、フライ、フィナモレ、ボレリとイタリアシャツが多い印象を受けます。
なぜか私が見て回ったお店にもインポートシャツといえばイタリア製品しかなかったです。
近年のタイトフィットの影響か細身のイタリアシャツが日本では好まれているようですね。
一般に既製の高級シャツと言われるブランドと10000円前後の価格帯のシャツは生地の違いを除けば、何が違うのかといえば針の運びが小さい、衿が果て付け、袖が後付け、ボタンホールが手縫い、ボタンが手付ぐらいが縫製の違いでしょう。
個人的にはシャツのボタンホールを手縫い(手穴)のは糸が切れやすく、見た目も粗く、ほつれも出やすいのであまりメリットはないと感じます。
シャツはテーラードジャケットより少ないパーツで構成されます。ほんのわずかな寸法の違いが着心地に影響します。計算しつくされた型紙はそのブランドの味ともいえ、差別化を図るための生命線ともいえるわけです。
実はオーダースーツか既製スーツかどちらに価格を除いて優劣があるのかと言われれば、体に合わせて仕立てたものがいいことには異論はないと思います。
しかしシャツに限って言えば、そうでもありません。
誤解があるとまずいので補足説明をします。
オーダーが悪いというわけではありません。前述のとおり型紙は生命線と書いたように各ブランドが趣向を凝らした型紙にはオーダーでは真似できない、シルエットを生み出す力があります。
ちなみにCorvoのお客様でもスーツ、ジャケットは当店でご用命されるのにシャツは既製の物を購入されている方が多く、いらっしゃいます。
お店の使い方は十人十色です。Corvoでは無理に押し売りは致しません!ただし、あまりにシャツの形があってないようならお勧めするかもしれません。
服飾評論家の落合正勝さんも初めは誂えでしたが、最終的には既製のボレッリに落ち着いたそうです。特に「ルチアーノ」という名前のデザインの衿型を好まれたそうです。
ボレリといえば「ナポリシャツ」といわれ、数あるシャツブランドの中で最高峰と言われています。ちなみにCorvoのスーツにもボレリの「ルチアーノ」が似合います。
特に「ロロ・ピアーナ」の「タスマニア」でお仕立ていただいたお客様にはボレッリはお勧めですね。
(同業の方がこのブログを読んでいたら「自分の店のスーツとボレリを合わせろ」、自信満々に平気でいうのは驚かれるでしょうが、Corvoのスーツは品質から見てボレリと合わせても何の遜色もありません)
「ルチアーノ」はイタリアでももっと美しい衿型と言われています。
革靴③
国産の革靴も今のトレンドですね。
インポートの革靴は少々普段履きにするにしては高価な感があります。
また関税が高く、日本に入ってくる時点で更に高くなっています。現地でジョンロブを買えばそんなに高くないというお話も。
コストパフォーマンスに優れているといわれ人気がでているのが国産品です。
(私の私物の革靴も大半は国産です。)
「一昔前は国産靴は形がダサかった!いまの国産靴は本当に綺麗になった!」と私が生まれた時には既にファッションを楽しんでいた先輩方はおっしゃいます。
ファッションの面で日本の製品のデザイン力が飛躍的に向上しています。
国産靴の名ブランドといえば外せないのがリーガルの「シェットランドフォックス」です。
「シェットランドフォックス」は1980年代に英国靴に対抗するためにリーガルコーポレーションが立ち上げたブランドでしたが休眠期間を経て2009年に再度立ち上がったブランドです。
出典http://www.shetlandfox.jp
写真からみてとれるように英国を意識しているのが分かります。英国靴より英国ぽっさが出ています。
賛否はあるようですが、スーツスタイルには外せない革靴にこだわってみてはいかがでしょうか?
革靴②
常連のお客様との会話で「イタリア製のスーツと英国製の靴を合わすことはあっても逆はないよね。」というお言葉が出てきました。
たしかに英国調のスーツにイタリア靴を(意図的に)合わせるという方は私がいる限り、いらっしゃいません。
雑誌などでの合わせをじっくり見ていてもマッケイ製法ぽい、軽い印象の靴自体がないというのは今の英国靴人気の影響かと思いますが。
少し古い話ですが2006年の映画、007の「カジノ・ロワイヤル」でボンドを演じた主演ダニエル・クレイグ氏がブリオーニのスーツにジョンロブの靴を合わせたことは話題になりました。非常に贅沢な組み合わせですね。
業界の先輩方の話では2006年ぐらい(私は高校生でしたが)は景気が良くなりつつある頃で質重視のスーツやら靴が注目されてき始めた時期だったそうです。
ブリオーニなどの高級スーツブランの日本法人が立ち上がり始めたのもこの時期と聞いています。
話はそれましたが「イタリア調のスーツに英国靴が合わせられるのか?」について私なりに考察してみました。
スーツというのは一般にイタリア調、英国調、トラッド調など言われますが祖先は英国調のスーツです。
メディアでは英国調は構築的なシルエット、イタリアは柔らかい仕立て等様々な講釈が成されています。
プロの視点でいえば英国調のスーツは固い、ナポリ調は柔らかい、北イタリアはそのあいのこ、これ以上の説明ができるのであればそれは変な話です。
この人の顔を見て日本人か中国人か台湾人か見分けろというのを100発100中で正解できる方はまれだと思います。
イタリアスーツの代表する、「ブリオーニ」は実は「英国調のスーツを手作業重視で量産する」という創業理念からはじまっています。
元を辿ればスーツは英国調なので英国靴を履けば似合うのは自然のながれでそうした合わせになったと思います。
しかし、雨降らし袖の芯なしのスーツにコバの厚い革靴を合わせる方はいません。そこはスーツの範疇をこえたものとみなされているようです。
革靴について①
最近のマイブームは革靴です。
スーツ屋の代表ですので今までこだわってなかったのかと問われるとそうではありませんが。このところ今まで以上に興味が出ています。
有名なドレスシューズブランドとしてはジョンロブを筆頭にクロケット&ジョーンズ、ベルルッティ、サントーニ、エドワードグリーン、トリッカーズ、チャーチなどがあります。
靴好きの方たちでしたら「ほとんど英国ブランドじゃないか!」と思われるかもしれません。
まぁ、実際、一般に日用品として使える価格帯のインポートブランドといえばエドワードグリーン、トリッカーズ、チャーチでしょう。(「俺はジョンロブを普段使いしているよ」という方がいらっしゃいましたら失礼しました。)
5~8万円台の革靴は英国ブランドが非常に力を持っています。
また日本では「グッドイヤー製法」の信仰が強くマッケイ製法を多く用いるイタリア靴よりもグッドイヤー製法の多く用いられる英国靴の人気に拍車をかけています。
ソールを張替えが容易な「グッドイヤー製法」は長く使う靴に優れていると一般に言われます。ちなみにマッケイは2回が限界と言われています。
ソールを3回以上、張替えをするほど酷使する靴は一生の間に何足あるのかと思います。
異論はあるとはおもいますが、個人的な考えではありますが、「耐久性はファッションにおいて絶対ではない」と私は考えます。
ブログでこんなことを書いている私ですが家のシューズボックスをみて普段使いしている革靴5足すべてグッドイヤーでした。(笑)
今日本で売られているインポートのマッケイの靴ってフェラガモなどの一部のラグジュアリーブランドで高嶺の花になった気がします。
続き
先日に引き続きハリソンズのご紹介を致します。(もっと早く更新するはずが遅れすいませんでした。)
ハリソンズを代表するコレクションといえば、秋冬物の定番「プルミエ・クリュ」です。
2Pお仕立て価格158000円(税別)
重みが330g/mとあるので仕立て栄えは抜群です。
super100の原毛にカシミア混という非常に贅沢な生地です。
英国よりエアー便で生地の取り寄せになりますので、少しお時間がかかります。7月中旬ごろにご注文をいただければ9月中頃にはお渡し可能です。
次に紹介するのは冬の定番、「ファイン・クラシックス」です。
2Pお仕立て価格138000円(税別)
肉厚で目付が370g/mとヘビーウェイトの為、11月から3月ぐらいまでの着用いただけるものとなります。
若干、織が甘いので軽い起毛にがあります。また英国生地としては比較的に柔らかくなっています。
次は「ウーステッド&ウーレン・フランネル」です。
2Pお仕立て価格158000円(税別)
現在流通しているフランネルは実は正確な定義ではフランネルではありません。
フランネルというのは紡毛(短い原毛)で作られた糸で織られたものを指します。
実際には梳毛(長い原毛)で作られた糸で織られた生地を機械で引っ掻き、起毛させているものが多いです。(スーツ専門店の販売員さんでも知らない方は多いです。)
ちなみに340g/mは着用感を優先した梳毛から作られたものと400g/mは本来のフランネル、紡毛から作られた二種類あります。
個人的には400g/mのものをお勧めしたいです。
最後はフロンティア。
2Pお仕立て価格118000円(税別)
ハリのある生地で目付は300gと少し重めですが平織ですので通気性があり合いものの定番生地です。
摩耗に強いので営業の方でよく出歩かれる方などには特におすすめです。