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大阪店

代表

先日、工場の代表が採寸指導、並びに製品説明に来店されました。
 
私が知る限り、型紙に頼らずに、職人が一から型をひき限りなくフルオーダーに近いスーツを製造する工場は他にはありません。
 
型紙を一からひくわけですから、採寸もパターンオーダーに比べ、煩雑にまた型に対する知識も必要となります。
 
Corvoでは採寸スタッフの技術向上を目指し、製販一致定期的に研修を行っています。
 
「今季はロロ・ピアーナがよく出る」「今年はシャークスキンがよく入る」などの情報交換の場として顧客ニーズの把握にも活用しています。
 
ちなみに今季は芯なしの軽いジャケットがはやりそうとの予想です。
 
 
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(左が工場代表)

リーズナブルにスーツを買う

当店に限らずにスーツをリーズナブルに買う方法があります。
 
それは店頭にある生地で仕立てを頼むことです。
 
通常のお店なら1~3割ほど安いことがほとんどです。
 
ちなみに店頭にある生地のことを現物生地といいます。
 
現物生地は一括で仕入れすることで仕入れコストを大きくカットすることができます。
 
生地商社側も在庫リスクを店舗側に持たせるために大幅な値引きがあります。
 
特に普段、多くでないような高価な生地ならその値引き率もよくなります。
 
一括仕入れですのでエアー取り(イタリアなどの本国からの取り寄せのも)の輸送費をまとめて仕入れますのでカットできます。
 
これは、スーツ店の経営をする側の都合になりますが、現物生地は売れる前に支払い義務が発生します。
 
一方、バンチという見本帳から生地を選ばれると、お客様の支払いがあった時点から支払い義務が発生します。
 
最近は在庫リスクを恐れてスーツ店も現物生地を抱えずにブックからお客様に生地を選んでもらうことが多くなりつつあります。
 
在庫を抱えてまでスーツを売ることができる、資金力のある店舗が減ったことも一因です。

また、現物生地は店舗の立場としては早くお金に変えたいわけです。ですので通常のブックからの価格より安くなります。
 
 
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再入荷

ロロ・ピアーナの現物生地がご好評で今期はよく出ます。(笑)
 
最近では来店されるお客様の8割はロロ・ピアーナでご注文されます。
 
そこで追加入荷させていただきます。
 
現物で一括仕入れすることで仕入れコストを大幅に圧縮することでリーズナブルな価格でご提供せていただいております
 
 
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お客様はデザイナー

Coroでは型紙を一からお作りするのでポケット位置、ボタン位置などを自由に設定いただけます。
 
通常のスーツ店ならデザイン、ボタン、裏地を決めて採寸は店員さん、任せというのが通常です。
 
Corvoではお客様にデザイナーになっていただき、我々ども採寸士と一緒になってデザインを決めてもらいます。
 
同じ二ボタンでも第一ボタン、第二の位置はどこにするか腰ポケットはどこにするのか。フロントの開きはどううするのか。
 
スーツには外せないルール(ベントと腰ポケットと第二ボタンの位置は同じ直線上など)がありますので、それをおこがましいながらレクチャーさせていただきながらデザインを決めさせていただきます。

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2タックでもちがう!

一時期は細い襟に、タイトめフィットでしたが、最近の傾向はスーツに関してゆとり量は増えていっています。
 
 
セレクトショップでも2タックのスーツも売り出されていますね。
 
 
ここ数年、もしくは10年近く「2タックはダサい」などのように悪者扱いされていましたがようやくの復活ですね。(笑)
 
 
私も私用に仕立てたスーツも2タックにしました。
 
 
ちなみに2タックはパンツのもとの形で王道でもあります。
 
タックがあることで膝の曲げ伸ばしのさいの動きに対応するので履き心地はタックのあるほうが断然いいです。
 
 
しかし、なぜ2タックが嫌われたのかはひだの部分が開き脚を太く見せるからです。
 
 
現在のものは腰より二タックがあり、タックのひだの分量が少なく開きにくく細身に見せるものが主流ですね。
 
 
Corvoでも2タックのオーダーに関してはそのように対応させていただいております。

ドレープ性のある生地

「ドレープ性のある生地」
 
オーダースーツ店をご利用される方は「ドレープ」という言葉を聞いたことあるかたは多いと思います。
 
ドレープというのは調べてみると
 
「解説:ドレープについて
 
衣類などを優雅にまとわせるという意味で、ゆったりとしたひだを入れること。自然にできた布のたるみ、シルエットにをより優美に見せることができる。エレガントなドレスなどに用いれられる。」
 
引用先http://www.fashion-press.net/
 
と解説されています。
 
わかりにくいですね。(笑)
 
カーテンがひらひら揺れる様をイメージされると分かりやすいかもしれません。
 
一般には光沢のある女性用のドレスに使われる言葉ですがスーツ生地の説明にも使われます。
 
綾織りの光沢のある生地が該当します。
 
ドレープのある生地は少しエッチ(色気のある)な雰囲気に仕上がります。
 
特にロロ・ピアーナなどのイタリア生地にはドレープ性がありエレガントなドレープを楽しんでいただけます。


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接着芯と一時接着芯

シャツを購入される際、Corvoでは「接着芯」か「一時接着」とお聞きしています。
 
シャツには襟、カフスに芯が入っています。
 
接着芯というのは特殊なプレス機で芯と表地を接着したものを指します。
 
トップフューズ芯、または一時接着芯に対し完全接着と呼ばれることもあります。
 
一時接着というのは文字通り一時的に接着したものです。
 
一時接着というのは洗濯したら糊が取れ芯と表地が分離した状態になる芯のことを指します。この状態の芯を「フラシ芯」といいます。
 
フラシというのは表地とはくっつかず振れた状態から来た言葉です。
 
「ならはじめからフラシ芯の状態で納品すればいいのでは?」と思われるかもしれません。
 
フラシ芯は芯と表地がくっついていないので生地にたるみができ箱に入れて納品の際、汚く見えるということで納品まで美しい状態で保とうという販売側の事情があります。
 
ちなみに着用の際はそのたるみは問題にはなりません。
 
最近の傾向ではフラシ芯の自然な柔らかさが好まれるようですね。
 
雑誌などはしきりに「接着芯よりフラシ芯のほうが縫製技術を要しいい」と押す傾向にはあります。
 
シャツ屋さんに言わせると完全接着のほうが圧着という工程があるので手間がかかり、良し悪しはないとおっしゃいます。
 
フラシは家庭でアイロンをかけるとやはり皺ができやすいです。端からアイロンをかけ襟の真ん中にたるみを持っていくというようにアイロンをかけないと襟先に変な皺ができます。
 
ですのでクリーニングに出す方はフラシ、家庭でアイロンをかけられる方は完全接着というようにお勧めしています。
 
ちなみに意外にも北イタリアなどでは接着芯のほうが主流だそうです。(私も勉強不足で知りませんでした。)

タスマニア

イタリヤ生地の中で最も実用面と質のバランスが優れているのがロロ・ピアーナの「タスマニア」だと私は考えています。
 
「タスマニア」は「ロロ・ピアーナの代表作ですね
 
「タスマニア」は名の由来のタスマニア島で飼育される羊のスーパー150以上の細い原毛のみを使用し織りあげています。
 
目付も260g/mとオールシーズン着まわせていただけます。(最近は夏は猛暑なので正直、夏の着用は苦しいです。)
 
独特の金属のような鈍い光かたが特徴です。
 
余談ですが最近は生地全体の流行としてあまり光沢を出さない傾向にあるそうです。生地に圧力をかけると生地の表面の隆起がなくなり光を反射し光沢が出るのですが、最近はこの圧力は抑え気味だそうです。
 
スーツに直接アイロンを当てるとテカルのは生地に光沢を出す原理と同じです。
 
数年前まではスーパー130表記でしたね。それを数年前に150に品質向上させています。
 
やはり、ロロピアーナの代表作とあってその品質には確かなものがあります。
 
スーパー150というのはビジネスなど日常使いで使用できる生地としては最高の原毛の細さです。
 
Wishなどスーパー170クラスになると毛玉が股間、脇下、ポケットの淵など擦れる箇所にできます。
 
やはり原毛が細いとそれだけデリケートになり摩耗に弱くなります。
 
気兼ねなく、ビジネスにも日常にも使っていただけるのがタスマニアの魅力です。)


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ゆとり

先日、お正月休み貯め撮りしていたものをテレビで見ていたらNHKで「鈴木健次郎」さんのことがやっていました。
 
鈴木健次郎さんは今、パリで独立されているテーラーです。
 
雑誌などでも取り上げられているのでご存知の方も多いかと思います。
 
鈴木さんのスーツはご本人が言う通り「ゆとり」があります。鈴木さんはゆとりを大事にされているそうです。
 
採寸師にとってゆとりの決めるのが大きな仕事となります。
 
最近の流行は以前の極端なタイトよりややゆったりには傾いていますが以前として細身が主流ですね。
 
スーツには人間の体の寸法すなわちヌード寸に対しゆとりが入ります。
 
このゆとりが多いか少ないかでタイト、標準、ゆったりなどの分類わけが行われます。
 
多くのスーツ屋さんの販売員はゆとりを正確に把握していません。
 
「同じサイズでスーツを買ったらきついけど、こっちのブランドなら大丈夫」という経験をされたことはないでしょうか?
 
人間というの必ず、前におなかが出ている、背中側が通常の体型よりも張っているなど癖があります。
 
たとえば三角形で周囲100cm、円で周囲100cm、真四角100cmに同じ形のゆとりを持たせたひもで囲えばひもの囲いの形は変わりますよね。
 
スーツも同じことが言えます。
 
ですので同じサイズのスーツでもきつい、大きいなどの差が出るのです。
 
ゆとりがないと当然ながら窮屈で動けないスーツになってしまいますが、それ以外にも大きな役割があります。
 
鈴木さんはこうおしゃっています。
 
「鈴木の服は“空気をまとう”と評判だ。構造的にゆったり作るため、動きやすいのはもちろん、体と服の間の空気の層がエレガンスを醸し出すという。着る人の動きに合わせて服がわずかに揺れる、それがその人の“雰囲気”となって表れると鈴木は考えている。真面目さ、情熱、柔和な人柄などその人の内面の魅力が引き出されたとき、究極の美が生まれるという。
最高に美しい服を生み出すために、鈴木は自身の心にも“ゆとり”を持つことを心がけている。数年前までは徹夜もいとわず、四六時中アトリエに立ち続けていたが、息子が生まれたのを機に、家族と過ごす時間を大事にするようになった。すると気持ちに“ゆとり”が生まれ、不思議なくらい美しい服が生み出せるようになったと言う。「服には作り手の心が出てしまう。ガツガツやるのも悪くはありませんが、適度な“ゆとり”を持ちながら懸命に向き合うことが大事ですね」と語る。」(NHKサイトから引用

Corvoには型紙がない

スーツというのは型で如何様にも自己表現ができます。
 
基はポケット、襟の形など他の服と違い形式があるのですが人の顔のように少し配置を変えただけで印象を変えることができるのはスーツ以外にないでしょう。
 
Corvoでは従来のパターンオーダーの枠組みを脱し、型紙をお客様、一人ひとりお作りするように生産ラインを変更致しました。
 
すなわち、今まではボタン位置は二つボタン、三つボタンなどでしか決まっていませんでしたが、現在はその指定まで可能となっています。
 
ポケットのフラップ幅も従来では44サイズから56サイズまで共通でしたが現在はその変更までを可能としています。
 
体の大きさが違えばポケットの大きさも比率からいえば大きさが同じならバランスは違ってきます。
 
お客様の体型に対しフラップのサイズ、位置を変えるというのはフルオーダーのお店では当然として行われてきました。
 
仮縫いのないフルオーダーと言えるでしょう。
 
ですのでこんなスーツが欲しいという場合、または完全に自分自身に似合うスーツが欲しいなど、全ニーズに対応となりました。
 
なお型紙は作成したものはすべて工場にて保管させていただきます。
 
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